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実家に5回/もてなしの記録

●朝、実家に行き(1回目)父のようすを見て、ゴミ捨て、回覧板を回すなどして、会社へ。
●朝礼と会議とオンラインMTGを1件を終わらせる。Amazonから届いた「社会学の力 -- 最重要概念・命題集」と個人的な買い物のヘアワックスを受けとったが、入っているはずのヘアワックスがヘアワックスじゃなくてバスソルトになっている。返品の手続きをサイト経由で調べるとなるほどファミマからできるらしい。QRコードだけ入手して再び実家へ(2回目)。

●今日は定期の病院の日だ。父を車に乗せる。午前中のうちに採血などを済ませておかないと予定どおり午後2時からの診察スタートに間に合わない。
○この午前中の病院でいつも寄るファミマの店員さんがいたが、病院という場所もあって声を掛けることは遠慮しておいた。

●採血後、診察までの時間で買い物と昼食。
 金曜の昼間、行こうと思った鮨屋も、こどもの頃からよく知っている大衆食堂もいっぱいで入れなかった。こんなとき父の食堂データベースはしっかりしていて、この道をまっすぐ行って2個目の信号を右に曲がればラーメン屋があるというので、そこへ行く。わたしは初めての場所だったが、父はそこの女将さんと顔なじみだった模様。
○昔のことや地元のことを聞くとやはりおもしろいのだが、わたしと二人きりの車内で煙草を吸うのとか、週に2回行く施設で煙草を吸っていることをわたしにバレていないと思って嘘をつくこととか、そういうストレスがジワジワくる。
●このラーメン屋で生姜焼き定食を食べる。父とはいつもラーメンなので、こうした定食はありがたい。ただ、ごはんが丼サイズ。ひさしぶりにこんなにまとまった米を食べた気がする。
●診察まで時間があるので、買い物したものを一度、実家に運ぶ(3回目)。

●午後1時に本人だけ病院で待たせて、朝のAmazonの返品作業へ車で5分ほどのファミマへ行く。ファミポートでQRコードを読み取ると伝票が出てきて、それをレジへ持っていく。すると奥でシールの伝票を出してくれる。

●普通ならお客さんに貼ってもらうんだけど、わたしがやっておくねと言ってくれたのでお言葉に甘えてお願いした。駐車場で荷物を片付けていると、店内からお母さんが出てきて貼り方について質問されて、それでまたオタオタすると一旦店内に戻り、紙袋をもってきてこれに入れて伝票を貼っておくねと丁寧に説明してくれた。
○こんなに丁寧に世話を焼いてくれる心意気がうれしくて、先日考えていた「歓待」のことを考える。見ず知らずの困っているわたしを、自分の場所の一部に招き入れてもらっている感じ。

●病院に戻って、診察。毎月大きな変化はないが、若先生は丁寧に問診してくれる。薬の量はいつもと同じ。運動量が減ってしまう環境になったことを心配してくれる。春になって暖かくなったら少し外を歩けるといいですねと言っていただく。
●支払いの呼び出しがくる前に、近所の調剤薬局に薬の準備をお願いして、夕方また取りに来ますと伝え、また病院に戻る。病院で料金の支払いをして、父を実家へ連れて帰る(4回目)。
●このタイミングでいくつか気になる部分を掃除したり、朝バタバタしてできなかった犬の散歩をしたりして、小一時間経ったところで調剤薬局へ戻る。調剤薬局の受付のおねえさんも毎月顔を出しているので、顔と名前を覚えてくれている。わたしが入ると、まだ少しだけ早かったようで慌てて対応してくれた。

○ここまででもわたしたちは、いろんな人に助けられて生きているなと改めて思う。経済活動の価値交換だけでなくて、ちゃんと仕事が意味をもっている。人の生に思いを持って届けようとする人たちがいることで、どこからでも人の思いに触れられる。

●父に明日の朝のインスリンが必要なので、受けとった薬を実家に運ぶ(そう、これで通算5回)

●夕方5時には家に帰り着いたので、美容室にカットの予約にいくとこれからすぐにできますよと言ってもらえる。ここでもお言葉に甘えてカットしてもらう。1ヶ月半前くらいにできた円形脱毛症は幸い隠れているけれど、後ろにもあると教えてもらった。これからも増えるようなら病院にいくことにしよう。
○確かにあの頃は日々ストレスフルで、なぜあんなに抱え込んでいたのかわからないが、いろんな人に助けられて今はだいぶいい。それにこうして日記を書くことも大事な気晴らしになっている。自然に治ってくれればいいんだけれど。

○絵が描けたら、写真が撮れたら、今日逢った人たちのことを描いたり撮ったりしたかった。わたしにはそれができない。誰かのもてなしを受けた記録を、記憶と一緒に残るように、少し長い一日を、こうして文章に残すことしかできない。


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