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百卑呂シ言行録

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日常を切り出して再構築したもの。
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2023年1月の記事一覧

陰謀、責任逃れ(2023/01/30の日記)

 先月巡回した店から、自分の携帯に問い合わせが入った。購入者からクレームがあったのだそうだ。話を聞く限り、どうやら厄介なユーザーらしい。先方の担当者も随分痛めつけられたような気配を電話越しに感じる。  幸い、店舗巡回はしたが自分の担当する得意先ではなかったので担当者のネルソン氏とカスタマーサポートに引き継いだ。 ※  週例ミーティングの仕切り当番だった。  先々週に畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)が作成・配信した見づらい資料については、敢えて触れずにおいた。当人もそれ

鶴、迷惑な子らとその母(2023/01/29の日記)

 昨夜妻と鶴を折っていたら、12時の時点で随分眠くなった。鶴を折る作業には催眠効果があるらしい。  19の時にガラス瓶を作る工場でアルバイトをしたことがある。朝8時から夜8時までひたすらコンベアで流れてくる瓶に傷がないかを目視する作業で、体は楽だが恐ろしいほどの眠気に襲われた。勤務中に寝るわけにもいかず随分困った。そんなことを思い出した。 ※  目覚めたら9時半だった。驚いた。何か夢を見たのは覚えているが、内容は忘れた。  階下へ行っても妻がいない。娘が昨夜友達の家に

医師の言葉(2023/01/28の日記)

 ちょっとあれな話で恐縮なんだけれど、ここ3日ぐらい肛門に異物感があり、咳やくしゃみをすると結構な痛みが走る。  これはいわゆる痔に相違ない。  近くの医者に診てもらったら果たしてその通りだったが、「これは薬で治るやつだから、押し込んだりする必要はないですよ。1週間ぐらいで治ると思います。大丈夫です」と言われて大いに安心した。  医師の言葉は大したものだ。 「10年前と同じやつですよ。位置は違うけどね」  言われて初めて、10年前にもこんなことがあってここに来たのを思い出し

フードコート(2023/01/27の日記)

 来月の売上見込みを計算してから店回りに出た。  昨日の時点でイゴールさんが「百さん、明日店回りなら一緒に行こう」と言ってきた。きっと何か話したいことがあるのだろうと思ったら、果たしてその通りだった。  さすがにここには書けないけれど、You Tubeで怪談を聴くより興味深い話だった。 ※  雪がまともに降り出したからひょっとすると大変なことになるかと思ったが、杞憂だった。通常より早めに帰社できた。  今日はネルソン氏も畜山生太郎も休みなので事務所にひとけがない。  むか

トマトのサンドイッチ(2023/01/25の日記)

 今日は畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)からの引き継ぎで、一緒に遠方の得意先を訪問する予定だった。 「8時に出発するから、そのつもりで出社してくれたまえ」と云うからいつもより早めに出社したのだけれど、雪が降っている。この中を車で行くのはちょっと嫌だなぁと思っていたら、まもなく畜山から電話が入った。 「まいったよ。高速道路が通行止めだ。これではとても行けたものじゃぁないから、先方に連絡してリモートに切り替えてもらうよ」  リモートで済むなら最初からそうすればいい、と思った

伝説の終わり(2023/01/24の日記)

 午前中、引き継ぎの件で畜山生太郎と打ち合わせをした。もうじきこの人に全部なすりつけて仕切り直すのだなぁと思いながら話を聞いていた。恐らく当人もそのつもりで話していたろう。  なすりつけるというとまるでこちらが悪いみたいだが、実際は彼の暴走の尻拭いなのだからなすりつけて当然だ。文句を言われる筋合いはない。  午後、社長から呼び出しがあった。  呼ばれたついでに上述の件で確認したものだから随分長引いた。  途中でネルソンさんも呼び出されて彼の髪が薄くなった話に移行したのだけれ

黙して語らず(2023/01/23の日記)

 いつもと同様に「おはようございます」と出社したが、畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)が挨拶を返さない。自分だけでなく営業部全員に対してそんな感じだったから、どうも先週末に畜山以外のメンバーでずっとミーティングを行ったことに対する遺憾の意の表明だったのかもしれない。  週例ミーティングでも同様で、自ら進んでは何も発言しない。およそ畜山らしくない。が、周囲の者にはありがたい。  先日「次回ミーティングで説明します」と送りつけてきた例の見づらい資料についても何も言わないから、

自分の神話時代(2023/01/22の日記)

 妻はママ友同士で出かけ、娘は友達(ママ友の娘さん)とキャッキャ云いながらクッキーを焼いている。自分はノート整理の続きをする。  この十数年で書き溜めたノートは基本的に全部破棄するが、それとは別に大学時代から社会に出たばかりの頃まで書いていた日記がある。こちらは前々から本当に処遇に困っている。  一冊一冊に思い入れがおおいにあるから取っておきたい気持ちは強い。しかしながら書いた内容がクソすぎる。こんなものを残しておいて誰かに見られたらたまったものではない。  どうするのか、

重荷(2023/01/20の日記)

 普通に起きて出社した。  午前中は売上報告の準備など。  ふと気づいたら向かいの席の畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)が消えていた。 「最近彼はこうなんだよ。休憩時間に入る前から昼メシに行ってるらしい」とネルソン氏が憎々しげに言う。  早く出た分の埋め合わせなのか、畜山は20分ばかり早めに席に戻ってPCをかちゃかちゃやりだした。仕事をしているのかどうかは知らない。それよりも彼の鼻息がうるさくていけない。早メシよりもそっちの方が気になる。  午後から商談1件。  その

知らないことを認める勇気がなければ目を潰される(2023/01/19の日記)

 二度寝して、再度目覚めたら40分ぐらい経っていて驚いた。どうも自分で思っているより疲れているのかもしれない。 ※  得意先からメールで軽いクレームがあったが、中身は単なる誤解だった。説明資料をさっと作って返信し、念のため電話もしたけれど、携帯は繋がらず固定電話は誰も出ない。副担当者に電話をしてもやはり出ない。  着信履歴は残っているし、これで納得しないなら別にいいや、いーらね、と思って今日も店回りに出た。  出かける前にネルソン氏から呼び止められ、「君ぃ、○方面へ行く

翻弄(2023/01/18の日記)

 昨日の件で朝から社長と話さなければならないので、随分うんざりしながら出社したら、果たして朝一番で呼び出された。  行ってみたらイゴールさんも同席していたので、これなら畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)に対する不当な個人批判にはならないだろうとホッとした。今は個人の批判よりも、当該得意先への対応を協議したい。  が、蓋を開けてみたらそうでもなかった。 「百さん、イゴールさんから話は聞いた。畜山ができもしない話を勝手にしてきたのだってね?」 「はぁ、どうも開発親分のコメン

皮肉な結果(2023/01/17の日記)

 畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)から引き継ぐ先の開発案件について開発親分に現状と見通しを確認したところ、そもそも畜山が得意先に伝えている日程が無理だとわかった。どこまで遅れるかの見通しも立たないという。  畜山が組んだ日程に対する開発親分の回答が「○○すれば間に合わんこともないけれど…(リスクがでかすぎて、事実上できませんよ)」みたいな含みを持たせた言い回しだったおかげでカッコ内を察し得ず、間に合わせる手立てがあると勘違いした畜山のやつがまたもや暴走しているのである。

子供達を責めないで(2023/01/15の日記)

 スマホの通知で高橋幸宏氏の訃報を知った。 「おわっ!」と声が漏れ、妻が「どうしたの?」と言う。 「YMOの高橋幸宏が亡くなった」 「…あなたがそんなふうに『おわ』とか言うのは、大抵そういう昭和の有名人が亡くなった時だわ」  正直に言うとYMOはファンというわけでもなかったけれど、偉業をなした日本人として尊敬している。  ご冥福をお祈りします。 ※ 「そういう時代だなぁ。坂本龍一もガンだっていうし。…で、YMOの、あと一人は誰だっけ?」 「さぁ?」  何となくビジュア

テレビ台を動かす(2023/01/14の日記)

 スカパーのチューナー入れ替えで業者の人が来た。スカパーは妻が見るばかりで自分はほぼ見ない。プライムビデオの方が勝手がいいからだ。  娘の稽古の送迎で妻がいない間に来たものだから、作業が終わるまでに帰ってくればいいが、と危惧しながら一人でコーヒーを淹れて飲んだ。もし帰ってこなかったら、使い方の説明とかを自分が聞くことになって、それは少々面倒くさい。何しろ自分はほぼ使わないものだからだ。  そう思っていたら「ご主人、ちょっとすみません」と声をかけられた。 「ん?」 「テレビ台