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自己紹介的な何か

前途多難にも程があるが、自己紹介で何を語るべきか、という課題に直面し既に2時間が経過している。無職の暇が高じてnoteとやらを書いてみようと思ったものの、恐ろしく筆が進んでいない。見切り発車も良いところである。

就職活動であれば「菓子恋大学から来ました、〇〇です。大学では帝王学を専攻しています。よろしくお願いします。」、合コンなら「〇〇です!株式会社池照商事でパワハラをやっています!本日は楽しみましょう!」といったように、所属と何をしているかを発表することが一般的である。しかしながら、これに従って自己紹介をすると、私の場合、

「無職です。何もしていません。」

という悲惨な自己紹介になってしまう。流石にこんな自己紹介を記事としてお出し出来る程、世の中を舐めてはいないので、もう少し考えよう。年齢を足してみようか。

「29歳無職です。何もしていません。」

何も変わっていない。それどころか迫りくる30歳がより悲壮感を増している。たしかに、来年には30歳の無職となるのは確定的に明らかであるが、30歳の無職という言葉の持つ陰鬱としたイメージはいったい何なのだろうか。30歳の無職、これだけ聞くと犯罪を犯していてもおかしくない、いや、犯罪の一つや二つ犯していない方が不自然である。こうなってくると29歳のうちに自己紹介記事を書こうと思った私の判断は英断であった。

さて、一旦状況を整理するために客観的な自分の情報を箇条書きにしてみようと思う。

・無職
・29歳
・家賃0円
・田舎暮らし
・元銀行員

銀行での仕事が辛く、パワハラもあって人間関係が嫌になり、うつ病を発症し退職後、療養を兼ねて田舎でひっそりと自給自足の暮らしをしている、そういった経緯がこの箇条書きからは容易に想像できる。非常に説得力のあるストーリーである。たとえ箇条書きであったとしても、人間はその行間を想像で埋めてしまうのだ。しかし今回の場合その物語は完全に間違っていると言わざるを得ない。私は銀行で楽しく働いていたし、うつは患っていないし、自給自足もしていない。

しかし、箇条書きに挙げたそれぞれの要素は客観的な事実である。では、ここからはその行間を、想像ではなく事実で埋める形で説明していこうと思う。それが私なりの自己紹介となる筈である。

まずは前職の銀行を辞めた理由についてであるが、特に銀行が嫌だったわけではない。もちろん営業職であるためノルマはあったが、逆にいうとそれを達成している限り怒られることもないため、非常に自由度は高かった。業務時間内に自宅に帰っていたこともあるし、ネカフェで寝ていたこともあるし、公園で太極拳を極めつつあるじいさんと戯れていたこともある。もちろんバレたら怒られることに違いはないが、公園でじいさんから呼吸法を学ぶスーツの私を見ても、まさかそんなエキセントリックなサボり方をしている銀行員だとは思われないだろう。

給料も低くはあったが、一応貯金は出来ていたし、人間関係も良好で、残業もほとんどなかった。強いて言うなら通勤時間が長いのが嫌ではあったが、その他に特に嫌だったことがある訳ではない。では、なぜ銀行を辞めたのか。それは銀行が嫌だったからではなく、無職になりたかったからである。令和3年の4月のある日、私は突然無職になりたいという考えに取り憑かれた。

ある程度の貯金はあるし、退職金も、失業手当もある。つまり退職してもしばらくはお金に困らないのである。退職すれば20代最後の一年を、お金も時間もある形で迎えることができる。そんな素晴らしい選択肢があってどうして選ばずにいられるだらうか。気づくと私は退職までのスケジュールを立てていた。令和3年の9月末には上席に報告し、令和3年の12月31日、私は無職になった。

一度無職になってみるとその生活は素晴らしく、バラ色の日々が待っていた。朝起きる必要はないし、満員電車に乗る必要もないし、わざわざ土日の混んでる時間に買物に行かなくとも良い。もう二度と正社員の生活に戻れる気がしない。しかしながら、唯一の懸念材料であったのは、家賃である。

20代にして梅田で1DKを借りるという暴挙を犯していたため、月々の家賃支払額は非常に大きく、いくら失業手当があるといってもその家賃は私の不安要素であった。そこで、固定費を下げるために家賃が安く住める家を探したところ現在の家賃0円の家に行き着いた訳である。そう、私は固定費を下げるためにだけに田舎へ移り住んだので、野草に詳しい、とか、農業ができる、とか、鹿を解体できる、といったスキルは全くない。自然に関してはこの記事を読んでいる皆さんと変わらないスキルしか持ち合わせていないのだ。いや、たまにインターホンを押すことも無く入ってくる野生のおじいちゃんをいなすスキルは多少あるかもしれない。

無職になった経緯、田舎暮らしを始めた経緯はざっと説明すると以上である。最後に今後の記事の方針を記載しておく。

〇田舎暮らしのノウハウ
〇退職手続きや退職後手続きの話
〇無職として生きていく手段
〇銀行員時代のお話
〇野生のおじいちゃんの生態

今後はこのあたりのトピックスについて気が向いた時に徒然なるままに記事を書きたいと思っている。もし気になるものがあれば、フォローして頂けると幸いである。


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