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6月0日 アイヒマンが処刑された日

 9月も終わりに差し掛かる昨日、ふらっと入った近所の映画館で観てきた。
 もう死刑判決の下されたアイヒマンの影は薄い。その代わり、死体を焼くための窯を造ることになった少年や、アイヒマンを処刑の日まで守り生かしておく刑務官、ゲットーから生還した記憶をツアー客相手に語る警察官といった彼らが主役である。どの登場人物にも親近感を抱ける群像劇だった。中でも、自分の職種的に一番近いので、ノイローゼになりつつも石頭ぶりをきちんと発揮して職務を遂行するモロッコ系刑務官に感情移入した。窯を造るイラン系泥棒少年の輝きは一瞬でも強烈で、だからこそ、群像のうちの一人でしかない彼の物語は焦がしたキャラメルのようにほろ苦いな、、っと思った。
 日曜から、あんまり体調が良くなくて気力が減退している。映画を観ることができてよかったし、映画がやっててくれて良かった。
 

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