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綿谷りさ「手のひらの京」

 京都に住む三姉妹の物語。
 結婚に焦る31歳の長女、強気で恋多き新入社員の次女、京都の親元を離れようとする大学院生の三女。彼女たちの悩みに共感したりしなかったり、まるで女友達と話しているような気持ちになった。
 一番心を動かされたのは、親元を離れようとする三女に頑固に反対する両親とのシーンだった。両親も娘の身を案じているから反対しているのだけど、やきもきしてしまう。
 私も家が嫌いな訳じゃないけど、一度家を出ないと自分が駄目になってしまうような気がしていたなぁ…と思った。
 京都にいる大学の友達に会いに遊びに行った時も、出町座の映画館で同じ本を買った。
 実家に置いてあった方を帰省中に読み終わって満足している。