知らないことが多すぎる

 7/3(日)12:20 雨風の音を聞きながら、打越正行「ヤンキーと地元」(筑摩書房、2019)を読了した。

 沖縄に住む周辺層の若者たちの日常は「家族や恋人からの暴力」「縦社会(先輩=しーじゃ・後輩=うっとぅ)」「中卒、高校退学」「若年出産」「建築現場作業員・性風俗店員」「薬物、酒、ギャンブルへの依存」などを素材として成立している。

 前提として、著者の打越同様、私は何不自由なく親に大学まで行かせてもらった。お金の心配をする必要は一切なく、ただ与えられるものを享受する日々を'日常’として若者時代を過ごした。

 他方で、この本に登場する若者たちの"日常”は、貧困と暴力の連鎖だった。それを踏まえ、彼らの話を聞き、"日常”を解体し再構築するために僅かながら役に立つためには、知らねばならぬことが沢山ある。

 たとえば彼らの仕事のことが私にはよく分かっていない。そして彼らの足であるバイクのこと、道路交通法がよくわかっていない。そもそも自分の仕事について、他者にきちんと説明できない。だから彼らに触れられない。

 触れられるようになりたいと思った。


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