見出し画像

アンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」(山田蘭 訳)

 昨日機上で夢中になって読み、帰宅後も読んで、読み終わってすぐ寝た。
 めちゃくちゃ読みやすいし面白い!
 昔の私は、登場人物達の心の機微とかではなく、パズル感覚で読み進められて、時に惨たらしい死体も登場するようなミステリーが、やや苦手だった。でも、今回の小説はとても楽しく読めた。それは作者・訳者達の力量のおかげでもあるし、私が図太くなったからでもあるはず。
 ホーソーンは謎めいて不愉快な人物、でもすごく頭は切れる人物として描かれていて、絶妙に魅力的ではない。
 だからこそ、助手役の作者が紹介してくれる煌びやかな映像芸術のスター達や、緻密な構成の謎そのものがきらきらと眩しく輝いていた。
 たぶん、作中に登場する地名や映画、小説達をリアルタイムで知っている人が読んだら、更に没入感があって面白いんだろうなぁと思う。
 ちょっと羨ましい。

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,929件