見出し画像

湊かなえ「花の鎖」

 ようやく本日読了。
 湊かなえさんの「好きなものを詰め込んだ」という謳い文句に惹かれ、つい買って読んだ。きんつばの描写が美味しそうだった。
 祖母、母、そして娘へと脈々と繋がれる因縁のような何かに、「花の鎖」という名がつけられている小説だった。
 正直、最後の種明かしまでに、物語の伏線は自力でなんとなく回収できてしまう。だから、最後にパズルのピースがカチッとハマる感じというよりは、転がって広がった毛糸玉を、もさもさと広がったままで拾い集めていく感じのラストシーン、だった、気がする。
 花を買って帰ること、花を飾ること、花の絵を描くこと、どれも私の日常から今は遠い。でも、日常に花があることが、平凡な主人公たちに魔法を纏わせていたのを、ちょっと羨ましく思った。私にとっての花は何なのだろう。

この記事が参加している募集

#読書感想文

187,194件