今日の朝食　余裕のない金曜日

115　トーストとコーヒー、柑橘の香り

　年末モードなのだろうか、そんなに忙しくない12月だったはずなのだが、何やら切羽詰まってきた。まったくもって余裕がない感じが嫌だなあと思う。パンを焼いて、コーヒーを淹れ、グリルの余熱でバターが溶けるのを待ちながら、柑橘をくし切りにして皿に盛る。

　せめて陽のあたる場所で食べようと移動して、年末で店を閉めるという和菓子屋の貼り紙を思い出して、また余裕のない気持ちになっている。徒歩圏内に和菓子屋が３軒という恵まれた環境が変わってしまうではないか。特にこの店は、通りがかりに寄ることができる。駅からの帰りに、銀行に行った時に、郵便局を出た後に、なんとなくのぞいて生菓子を２つほど買い、家でお茶を点てて一服する。そんな日常を失うことへの恐れなのかもしれない。