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上京の思い出

10年間見送る側だった。同級生、兄弟、教え子、、、たくさんの人を見送ってきた。「東京は遊びに行く場所だ」そう思っていたのに、まさか28歳で、同級生よりも10年遅れで上京するとは。人生は不思議なものである。別に上京することを希望していたわけではなく、たまたま色々なことが変わっていく流れの中で流れ着いたというか。うん、流れ着いたというのが一番しっくりくる。あっという間に東京での生活も5年目になったが、未だに天気予報を見る時に出身地を見てしまうことが0ではない。

・上京したからこそ体験できた心踊る出来事
うーん、、、そもそもこの年齢になると多少感性が鈍り始め、心が躍ること自体が減っているかもしれない。反省。でも、1時間で夢の国に行けるとか、テレビで見たところに行けるとか、小さな出来事はならではだと思っている。

心が躍るというには些細なことかもしれないが、まだ商店街が残っていてスーパーでは得られないような、人と人のつながりを感じながら買い物が出来ることは、何回経験しても慣れず、嬉しくなる。

・東京の暮らしでよかったこと
圧倒的に利便性だと思う。全国どこへでも電車・新幹線・飛行機を使って1本でいける。だから仕事のフットワークが軽くなった。あとはテレビで見たお店などに「行きたい」と思ったらすぐに行けることだろうか。あ、芸能人を見る回数も圧倒的に増えたなあ。

結局特に何もないじゃない!と思いながら月曜日、買い物ついでに1人でランチへ。「あ、よかったこと見つけた!」それは昼間から、帰りの手段を気にせずにビールが飲めること。笑 元々車社会で生活していたので、上京した時はとても驚いたのだ。

・上京したいと思ったきっかけ
先述の通り、流れ着いただけなので、正直に言うと東京でなくてもよかった。だが、ずっと実家暮らしで、家族や親族のために尽くすことが私の役割になって、それを誰もが当たり前になっていることに嫌気が指していたので、何があっても地元を出る、とは心に決めていた。

・上京後の変化
初の一人暮らしだったが、意外とラクだなと思っていた。実家に居た時は家族全員分の家事をしていたので、量が多く大変だったが、1人分になると意外とこんなもんか、と驚いたことを覚えている。そうそう、バスと電車を使いこなせるようになったのは東京ならではだと思う。

よいことを挙げなければならないかもしれないが、悪いことも。それは家賃の高さである。本当に高い。出来心で、元住んでいた都道府県や地方都市の家賃を調べると、絶句する。「新築でこの家賃!?」と。東京の家は狭いし高い。けちると虫が出る。車を持たない生活がベースなので、買い物は大変。しかしネットスーパーが充実しているので、こだわらなければ困らないかも。

・暮らしに慣れたと感じた瞬間
これは、迷わず山手線に乗り換えられるようになった時。それまでは行き当たりばったりで(方向音痴なもんで、、、)降りてみて「ああ、ここに出るのか」となっていたが、いつの間にか行きたいところに出られるようになっていて感動した。

あとは、路線図を見ずにどこかに行けたり、大体の時間が分かったり、、、かなあ。東京在住以外の人と会う時には、ついつい得意げな表情になってしまうのだ。

改めて振り返ってみると、東京だからということは意外と少ないのかもしれない。今後もそうなのか、それとも変わるのかは分からないが、今はこの場所が私に合っているのだろうなあと思う。

もし東京に住まなかったら、今のパートナーとは出会えなかったし(そもそも誰かと出会ったり、一緒に住むなんて絶対に無理、私の毎日には不要、と思っていた。)今当たり前に過ごしている毎日は全く違ったものになっていたと思う。

そう思うと、大変なことはあるし、最初の方は寂しくなったり失敗したり心細かったり、色々なことはあったけれど「変化」を選択したことは良かったと心から思える。

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