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スピッツの曲で考えるワールドトリガー

遊真のイメージソングがスピッツの「夜を駆ける」だと公式発表があったことを知り、他のキャラクターのイメージソングを、スピッツの曲に限定して考えてみました。100%主観です。

空閑遊真 「夜を駆ける」 遊真のワ公式イメソン

スピッツファンの間でも根強い人気があるアルバム曲で、これを選ぶなんて葦原先生も相当スピッツがお好きなのでは?と思いました。
静まり返った夜を印象付けるイントロや「今は撃たないで」という歌詞から、誰の目も気にせず残された時間を楽しむ遊真の姿が想像できる。黒トリガー遊真の黒×赤の服装も、この曲から着想を得たのかな。

似てない僕らは 細い糸でつながっている
よくある赤いやつじゃなく

作詞作曲:草野正宗(2002年)『三日月ロック』の「夜を駆ける」からの引用

三雲修 「ヒビスクス」 夜駆けに似たイントロ

「夜を駆ける」とイントロが似ている曲。遊真・修コンビが好きな人はぜひ2曲連続で聞いてほしい。
重厚なメロディのロックで、発売当時に自動車のCMソングとしても使われていました。大地に足をつけて真っ直ぐ前を見つめる修のイメージです。
ファンによる曲の解釈は生死と関連付けられるものが多く、9巻の戦場でトリガー解除する覚悟を持った修の精神的な強さ(異常さ?)にも合っていると思う。ちなみに、ヒビスクスというのはハイビスカスのことです。

「恐れるな 大丈夫 もう恐れるな」
武器も全部捨てて一人 着地した

作詞作曲:草野正宗(2016年)『醒めない』の「ヒビスクス」からの引用

雨取千佳 「若葉」 兄との記憶を辿るバラード

千佳と兄である麟児との関係性で選んだ、穏やかで優しいバラード。
スピッツの曲は意図を汲み取りにくい歌詞が多く、加えて聴き手に曲の解釈を委ねていて「この曲はこういう曲」と説明しないことがほとんどだけど、この曲はかなり鮮明に描かれていると思う。
全体を通して些細な気持ちの変化に気付かなかった(気付かないフリをしていた)と回想しているところから、21巻の千佳の屋上告白シーンが思い浮かぶ。曲の締めくくりの歌詞は"決意"なんだけど、強さより切なさが残る。遠征に行くと決めた千佳から兄への気持ちも、こんな感じなのかな。

今 君の知らない道を 歩き始める

作詞作曲:草野正宗(2008年)『若葉』の「若葉」からの引用

ヒュース 「みそか」 貫く信念、溢れる疾走感

疾走感満載でファン人気も高い。アルバム『スーベニア』のラストを飾る曲で、故郷のアフトに帰るという目的を持ったヒュースを連想しました。
12巻では遠征に出る以上は死ぬことも覚悟の上だと明言しているので、そんなヒュースの信念がこの曲の歌詞に、鍛え抜かれた戦闘力の高さがこの曲の疾走感に合っていると思う。聴くとわかるんだけど、歌詞よりも曲全体の雰囲気がとにかく格好良くて、それがヒュースっぽい。たい焼きを食べる海外からの留学生っぽさはゼロです。

必ずここから 約束ひとつを抱きしめて

作詞作曲:草野正宗(2005年)『スーベニア』の「みそか」からの引用

迅悠一 「楓」 どこを取っても迅悠一な曲

一般的な知名度も高い、切なくて優しい曲。スピッツなら迅にはこの曲しかないと思ってる。この曲のどこを切り取っても迅悠一なんですよ…
様々なものを見てきたけど一人ではここまで辿り着けなかった、この先自分や誰かを傷付けることがあっても自分にできることをやる、という主旨の歌詞があって、これはもう未来視ができる「大体おれのせい」な迅悠一そのものじゃん...
もし迅が「他人と同じような幸せを信じていたのに」だったら凄く辛いんだけど、一方でそんな年相応の人間らしさのある迅が居て欲しいとも願っている。そんな選曲理由です。

ああ 僕のままで どこまで届くだろう

作詞作曲:草野正宗(1998年)『楓/スピカ』の「楓」からの引用

太刀川慶 「8823」 スピッツNo.1格好良い曲

スピッツの全数百曲の中でNo.1格好良い曲(私調べ)です。ファンの間でもそんなに相違ないはずだけど異論は大歓迎。ライブでもほぼ必ず演奏してくれます。
太刀川と言えば、やっぱりバトルでの圧倒的な強さ。他の追随を許さない駆け抜けるような、それでいて自由で遊び心のある曲を選びました。私が「おまえの予知を覆したくなった」太刀川慶とそんな太刀川に勝ち越せない迅悠一の関係性オタクなので、この曲の真髄でもあるサビの部分の歌詞が、太刀川から迅に向けてのメッセージだと思い込んでる。

君を自由にできるのは 宇宙でただ一人だけ

作詞作曲:草野正宗(2000年)『ハヤブサ』の「8823」からの引用

出水公平 「不死身のビーナス」 遊び心とノリの良さ

「8823」とは違った方向性だけど、これも遊び心がある雰囲気で、ライブでも盛り上がる曲(滅多にやらないけど笑)です。太刀川隊の二人は戦闘を楽しむ余裕が感じられるノリの良い曲がいいなと思って。
佐鳥に相変わらずイヤらしいなって言われちゃうくらいだから、サビの「最低の君」という婉曲的な言い回しも、出水なら言いそうかなぁと思ったり。
ちなみに、スピッツの曲は”素直じゃないし凡人だけど泥臭くやってくよ”というものが多くて、悩むことが少ない天才肌の出水とは対照的で、選ぶのに頭をフル回転させました。

最低の君を忘れない おもちゃの指輪もはずさない

作詞作曲:草野正宗(1994年)『空の飛び方』の「不死身のビーナス」からの引用

三輪秀次 「冷たい頬」 軽やかなのにゾッとする

三輪くんは迅と同じくらい「これしかない!」と導かれて(?)選びました。軽やかで親しみやすい曲なんだけど、じっくり歌詞を読むと底知れぬ恐怖も感じ取れるんだよね。
姉との楽しかった記憶を辿りつつも、その冷たい頬に触れると現実を突きつけられる…そんな虚しい表情が目に浮かぶようで。三輪くんのお姉さんも、この曲のジャケットのような無邪気で透き通る雰囲気の女性だったのかなぁと想像しながら聴いています。歌詞に出てくるシロツメクサの花言葉「約束」「幸運」そして「復讐」も三輪くんにぴったりで、もう最初から最後まで全部三輪くんだ…
解釈を深めようとするとゾッとするんだけど、草野さん(スピッツのボーカル)の優しい声が合わさると不思議と暗い気持ちにはならないのが、この曲の魅力です。

それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で

作詞作曲:草野正宗(1998年)『冷たい頬/謝々!』の「冷たい頬」からの引用

米屋陽介 「運命の人」 陽気な王道ラブソング

陽気で明るい王道ラブソング。スピッツの曲は「運命の人」と似たような曲が多いんだけど、その中でもこれを選んだ理由は、自分の力で幸せを掴もうぜ!というハートの強さが伝わるから。
米屋は、短所を長所に変える力や客観的に物事を捉える力があるので、今はダメでも前向きに自力で乗り越えようとするこの曲に合ってると思う。あとは『フェイクファー』というアルバムで「冷たい頬」の次に「運命の人」が収録されているのもポイント。横にいて支えるよという歌詞もそうなんだけど、三輪隊長を支えて欲しい私の願望が滲み出てしまって(え

悲しい話は 消えないけれど もっと輝く明日!!

作詞作曲:草野正宗(1997年)『運命の人』の「運命の人」からの引用

奈良坂透 「ホタル」 美しく儚い輝き

選曲理由は「奈良坂の瞳が蛍の輝きに似ているから」です。ここまで雰囲気か歌詞で曲を選んでいたけど、奈良坂だけ唯一全く違う視点で選びました。ワートリキャラの中でNo.1きれいな瞳(私調べ2)なので。
奈良坂の魅力の1つは、中世的で美しい外見から想像できない少し頑固でストイックな一面があるところだと思う。この曲は最後まで一貫して美しいんだけど、所々で"汚されたい"という歪んだ願望がチラッと見え隠れするんだよね。ストイックな奈良坂にもそんな部分があっていいじゃないかな…という妄想100%のチョイスです。

甘い言葉 耳に溶かして 僕のすべてを汚して欲しい

作詞作曲:草野正宗(2000年)『ホタル』の「ホタル」からの引用

古寺章平 「君は太陽」 悩みながらも力強い

「運命の人」と似たような爽快で明るい曲。なんだけど、歌詞を聞くと終始悩んでいる(笑)のが古寺っぽくて。曲の終盤で「もう迷わない」と切り替えてからラストに向かう力強さが、ちょうど臨時部隊の隊長として三輪隊にいる時とは違う表情を見せる古寺とマッチしてる。古寺って分析家としての印象が強いけど、私は内面的に結構”力強さ”があるキャラだと思っているので、こういう曲と結び付きました。家族の中では3人兄弟の長男だし、そういうところも物怖じせずにリーダーシップが取れる所以なのかもね。

理想の世界じゃないけど 大丈夫そうなんで

作詞作曲:草野正宗(2009年)『君は太陽』の「君は太陽」からの引用

二宮匡貴 「愛のことば」 ロビンソンに引けを取らない名曲

アルバム曲ながらもロビンソンやチェリーに引けを取らない、スピッツ屈指の名曲。※周りにファンがいたら聞いてみてください。
二宮って、実は誰よりも人情味があって、特に大切な人たちに対してひときわ深い愛情を注ぐタイプだと思ってる。戦闘での二宮の強さよりもそういうところをイメージしてこの曲を選びました。容姿も良く頭も良く運動神経も良い。それなのに年下の出水に頭を下げて弟子入りするほど、前進することに貪欲で泥臭いところは「探しつづける愛のことば」の歌詞に合ってるんじゃないかな。あと、ミュージックビデオの雰囲気がなんとなく二宮っぽい。

もうこれ以上 進めなくても 探しつづける愛のことば

作詞作曲:草野正宗(1995年)『ハチミツ』の「愛のことば」からの引用

犬飼澄晴 「P」 不器用なやさしさ

真冬の昼下がりに結露した雫がそっと滑り落ちるような、そんな静かな曲。
私の犬飼に対する強烈なへきが出てしまって…強くて賢くて格好良い犬飼のイメージがある方は合っていないと思うので先に謝ります、すみません。
でも、曲そのものは良い曲だから聴いてみてもらえると嬉しいです。
25巻の柿崎との会話を見てから、人には言えない本音を隠して「おれ、今ちゃんと笑えてるかな」ってなっちゃう不器用な一面もあるのかなと。全体的にそういう雰囲気の曲です。一番盛り上がるサビの部分は、晴れ渡る青い空を連想する歌詞なので、そういう意味でも犬飼っぽいと思ってる。

こんなして 再び会えたから 笑おうとしたけれど

作詞作曲:草野正宗(2007年)『さざなみCD』の「P」からの引用

辻新之助 「TRABANT」 古風な旅の随伴者

渋くて暗いけどスピード感のある曲。あまりスピッツっぽくないメロディなのでファンじゃない人は新鮮な印象を受けるかも。
古風で旅の随伴者という解釈もある曲です。戦闘中クールに味方を援護する辻ちゃんだったら、歌詞にある「部外者には堕ちまい」とか言ってもおかしくないでしょって思ったんですよ...(言わないだろ)
二宮隊の3人は、鳩原要素が入っているとより一層らしさが出せるかなと思って、「探す」「再び会う」などの概念が入った曲を選んでいます。

本当の温もり想定して すすけてる鳩を解き放て

作詞作曲:草野正宗(2010年)『とげまる』の「TRABANT」からの引用

雨取麟児 「紫の夜を越えて」 密航の決意

妹である千佳への想いという視点で選んだ、薄暗い気持ちから抜け出すような前向きな曲。歌詞に登場する「惑星」が近界のイメージ。
妹を救うためにとった麟児の行動が「自分が近界へ行く」だったことに、私自身はあまり良い印象を抱いていないです。千佳が周りを巻き込みたくないと言っていたのに。でも、今回イメソンを選んで気付いたのは、麟児自身はこの曲のように「自分が状況を変えるんだ」という前向きな気持ちで近界に行ったのかもしれないと。これまで鳩原含む密航組は後ろめたさで向こうに消えたと思い込んでいたけど、真実はどうなんだろうな。
ミュージックビデオの紫が千佳の瞳の色に似ているのも選出理由の1つ。それにしても夜の色に「紫」を選ぶところがなんともスピッツらしい。

袖をはばたかせ あの惑星に届け

作詞作曲:草野正宗(2021年)『紫の夜を越えて』の「紫の夜を越えて」からの引用

鳩原未来 「スワン」 大切な人を想う

雨取兄妹と同じく、鳩原も弟への想いをイメージして選びました。大人しそうな外見と裏腹に、例え唆されたとしても密航という大胆な行動を取ったところから、鳩原は意志が相当強いタイプだろうと想像している。
全体的に切ない気持ちになる歌詞なんだけど、中盤の「そこにはまだ世界があるかな?」だけが少し浮いている。「悲しい気持ちは消えないけれど、少し前に進んでみようかな」という、ある意味好奇心も垣間見えるような心情だと解釈している。
この歌詞のように、鳩原も初めて見る近界の世界に怖気付くこともなく、案外飄々と過ごしているんじゃないかなぁ、と思う。

指で穴あけたら そこにはまだ世界があるかな?

作詞作曲:草野正宗(2013年)『小さな生き物』の「スワン」からの引用

ここまで読んで下さってありがとうございます。スピッツもワートリも素敵な作品なので、是非聴いて(読んで)みて下さい。

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