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こねないパン(artisan bread風)

アーティザン・ブレッド。

英語で artisan と書きます。もともとフランス語です。意味は、英辞郎先生によりますと、

“artisan”の検索結果(237 件):英辞郎 on the WEB Pro

つまり、artisan bread とは、「熟練したパン職人さんが手作りしたパン」という意味です。

今回は、「職人ワザを何ひとつ持ち得ていないド素人が作っても、まるで職人が作ったみたいな見た目になる、美味しいパン」を手作りします。

材料と器具

* 漂白されていない小麦粉(あるいはパン用の強力粉)3カップ

* 塩 小さじ1& 1/4

* ドライ・イースト(Dry Yeast)小さじ4分の1

* 室温の水 1& 5/8 カップ

* 途中で使う小麦粉 適量

* 焼くときに使う小麦粉/コーンミール/ブラン(Wheat Bran)適量

* オーブンにそのまま入れられる厚い鉄鍋(ルクルーゼみたいな)6~8クオート入る大き目のサイズ。

* パーチメントペーパー(下の画像をクリックすると商品に飛びます)

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1)小麦粉、塩、イーストをボウルに入れて混ぜる

ぶわーと膨らむので、大き目のボウルを使ってくださいね。

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2)水を入れてよく混ぜ、軽くラップかけて放置。

粉っぽさが残らない程度に混ぜるだけです。こねない。ゴムベラでボウルの底に生地をまとめます。

室温70℉/21℃以上ある部屋に、18時間、放置してください。

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3)小麦粉を振った台の上で数回”たたむ”

室温に18時間も放置すると、勝手に発酵が進み、生地がぶわわーと膨らんでいます。

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発酵が進んだドーの表面はこんな風になっているはず。

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とても柔らかくて粘っこい生地なので、台や手にくっつきやすいですから、台の表面には十分な小麦粉を振ってください。

手にも小麦粉をはたき、粉の上で数回折り返して、まとめます。ドーを「捏ねる」わけじゃなくて、パタンパタンと何度か「折りたたむ」感じ。

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4)まとめたらラップを軽くかけ、15分ほど休ませる

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5)生地を丸く整えて表面に粉をはたき、2時間放置

パーチメント・ペーパー(Parchment Paper/ベーキングペーパーとも呼ばれる)を用意します。木綿の布巾の上でもいいですが、パーチメントペーパーを使えば、そのまま鉄鍋に移動させられるので便利。

休ませた生地を手早く丸くボール型にまとめ、小麦粉やコーンミールやブランなどを振ったパーチメントペーパー(あるいは木綿の付近)の上に置いて、ラップ(あるいはふきん)をかけて、2時間放置し、再度、発酵させます。

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このとき、表面にブランをまぶしたり、ゴマをまぶしたり、わたしのやったみたいに小麦粉をたっぷりふりかけたりします。

6)オーブンを鉄鍋と一緒に温める

放置開始から1時間半近く経ったら、オーブンに蓋ごと鉄鍋を入れ、450℉/230℃に温め始めてください。

半時間ほど、空の鉄鍋を、オーブンの中で温めます。これ、重要。

7)熱々の鉄鍋に入れて蓋をし、オーブンで30分

2時間放置すると、発酵を続けた生地は、ふた回りぐらい大きく膨れています。

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表面に好きなように切り込みを入れ、温めていた鉄鍋をオーブンから取り出し、パーチメントペーパーの端っこを持って鍋の中に入れ、

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蓋をして、オーブンの中に戻します。

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蓋をすることにより、生地から出た水分が鉄鍋の中で蒸気となるのです。

8)30分後、蓋を取り、さらに15分~30分

30分後に、蓋をはずします。

蓋を開けると、こんな風に、鍋の中には美しいパンが出来上がっています。


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蓋を取って、さらに15~30分焼くことで、表面にコンガリと焼き色がつくのです。


9)表面が好みの色に焼き上がったら火を止める

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火をとめた後に、ドアを数センチ半開きにして、さらに5~10分置くと、表面のパリパリ度が高まります。

10)できあがり!

焼き上がったパンは、熱いうちに、すぐに切ってはいけません。

粗熱がとれるまで、放置。

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小麦粉に塩とイーストと水を混ぜて放置して焼いただけ・・・

なのに、この見栄えの良さ・・・

まるでプロの職人芸・・・

断面も美しい・・・

味も素朴でアルティザン・・・

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外はカリッカリ、中はしっとりフカフカ。

軽くトーストして、オリーブオイルに浸して食べると、極楽の味。

参考にしたレシピ

今回は、ニューヨークタイムズのレシピ『No Knead Bread』を参考にしました。このリンクの中に作り方の動画があります。言葉がわからなくても、手順だけみれば、なにやってるか、わかります。

「こねないパン」なら、じつは私は何年か前から焼いていまして、別ブログに作り方を紹介したことがあります。

同じドーをつかってバゲットを焼いたこともあります。

「こねないパン(アルティザン風)」のレシピはいっぱい出ていますが、材料の調合がちょっとづつ違うぐらいで、いずれのレシピを見ても、作り方はだいたい同じです。

今回使ったNYタイムズのレシピのいいところは、➀秤をつかわなくていい、②水の温度もどうでもいい、③ともかくひたすら長時間放置するのみ、④一回で8クオートの鉄鍋一個のパンができる、⑤ドーを毎回使い切る、などなど、さらに手間が省けるという点で、よろしいかと思いました。

なお、上につけたNYタイムズのレシピページの動画で、作り方指南しているひとは、NYシティの有名人気パン屋さん、 Sullivan Street Bakery  の職人さんです。

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