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【fromラボ】NEC、帝京大医学部附属溝口病院が行う扁平足の治療用インソールの効果を測定する研究に参画

 電機大手のNECはこのほど帝京大学と共同研究契約を締結し、帝京大学医学部附属溝口病院(神奈川県川崎市、以下溝口病院)が行う、扁平足患者の「歩容」(歩行の質)に治療用インソールが与える影響を可視化する研究に参画した。今回の共同研究でNECは先端IoT技術を提供する。研究は2021年9月~23年3月まで実施する予定だ。

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研究で使用するIoT機器

 扁平足とは足の裏にある足部のアーチ(土踏まず)がなく、足裏が平らになった状態のこと。成人の約15%が発症するとされている。激しい痛みなどが伴うことはまれだが、足のアーチを支える腱の損傷などが原因で土踏まずが低下し、足部の痛みやバランス不良をきたすことがある。症例の大部分を占める軽症例ではインソールによる治療が多く用いられる。しかし、その治療効果については患者による主観的な評価が中心となっていた。客観的な評価方法として、モーションキャプチャーなどを使用した歩行時の足の動きを記録・解析する方法があるが、大掛かりな機器が必要で実施場所も限られるなど、医療・リハビリの現場での利用には課題があった。

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帝京大学が作成した医療用インソールに取り付けたNECの歩行分析センサ

 今回の研究は治療用インソールにNECの歩行分析センサを取り付け、患者の「歩容」を定量化して客観的評価を行う。センサは歩行速度、歩幅、接地角度などを測定することができ、測定されたデータは自動的にスマートフォンを経由してクラウドに送信される。NECはこれまでに蓄積したウェルネス・ソリューションのノウハウと、独自の「歩容推定モデル」を活用することで、センサが測定した歩行軌跡を基に「歩容」を推定し、溝口病院が治療用インソールによる「歩容」の変化を解析する。NECは「IoTとその活用ノウハウを提供し、扁平足のインソール治療の効果について、医療・リハビリの現場で容易に利用可能な定量的評価方法の確立に貢献したい」としている。

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歩行計測データのイメージ



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