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④どうして一月万冊の出演者はパワハラ擁護に見えてしまうのか?

一月万冊の「レギュラー出演者との利害関係」「視聴者との関係性」について注目した上で、パワハラ裁判の報道後に飛び交ったコメントを確認すると、当初は奇妙に感じられた「極端に見える擁護」と「批判」の論争が理解できた。

熱心に擁護のコメントを発していたのは、「利害関係者と、その支援者」といったコミュニティー内部の方々だった。レギュラー出演者には「一月万冊」以外の活動でも少数ながら熱心なサポーターがいる。過去から現在までの活動を確認すると、擁護のコメントを書いていたのは同じような顔ぶれだった。

他の関係者と違って、本間龍氏だけは小細工を一切せずに、態度を表明した。

これに比べると、他の関係者は論点をずらしたり、肝心の部分に触れず何か含みを持たせているように感じられる。多くの批判は、この点に向けられていた。

この不可解さを理解するには、「一月万冊で計画されていた新たな出版ビジネス」と「女性スタッフが自殺に至った経緯」が、同じ時期に並行して進められていたことに注目しておく必要がある。

YouTubeを中心に活動を行っている読書家、一月万冊の清水有高が主催する紀伊國屋ホールのイベント「万冊祭」に、2000万円を越すカンパが集まりました。このカンパは全て、一月万冊がこれから出版する書籍の印刷代に使われます。
一月万冊では現在出版事業を進めており、万冊祭のゲストとして登壇する烏賀陽弘道さん(朝日新聞社出身のフリージャーナリスト)、安冨歩さん(東京大学教授)、本間龍さん(博報堂出身の著述家)を始め、新刊の出版を控えております。

イベント「万冊祭」では、かなりの金額を集めて「出版ビジネス」の準備が進められていたようだ。それが女性スタッフの自殺で、頓挫してしまったそうである。

私は清水氏と新しい形の出版ビジネスを生み出す計画をしていたこともあり、直後にその事情を個人的に伺った。それでこのままでは事態が更に悪化する可能性もあると考えて、いくつかの提案をした。
安冨歩(やすとみ あゆみ) @anmintei 2018-10-20 「やろう、という話はありましたが、大山さんの死に清水さんがショックを受けて、頓挫しています。

大きな会社であれば、社員がひとり抜けたくらいで事業が頓挫することはないだろう。しかし、当時のビ・ハイアは経営陣を含めて6名体制だった。(裁判ではスタッフが正社員でなく、業務委託契約だったことも明らかになっている。)

当然、集まったお金がどのような形で運用されていたのか?(ビ・ハイアの経営と一月万冊の活動が区別されていたか?)気になってしまう。レギュラー出演者でもあり、新しい出版ビジネスを計画していた関係者は、自分の名前でお金を集めた責任もあるだろうから、裁判と無関係ではいられない。

これらが「パワハラは擁護していない、報道を批判している」という苦しい理屈につながるわけだが、こうして出演者がスポンサーである清水社長に「忠誠心を示そうとする」イエスマン体質も、事件を招いた要因ではないだろうか?

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