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【コラム】BaseはCMF(Culture Market Fit)を狙っている

こんにちは、ぐっさんです。

最近、Baseエコシステムをよく見てます。
XもBaseの話がよくしています。

会社でもBaseの記事をよく書いています

そして、この記事もBaseの話です。
ただ今回は市場分析やオンチェーン分析ではなく僕のBaseに対する見解です。

今回の記事は日頃、Baseエコシステムを見ている中で思ったProduct Market FitならぬCulture Market Fitという考え方について書いていきます。

そんなに長くないです。


ブロックチェーンとdAppsの関係性

まず、Culture Market Fitの話に入る前に、ブロックチェーンの立ち位置を改めて整理したいと思います。

ユーザーにサービスを提供していると、度々Web3の事業者やWeb3の造詣の深い人はこんなことを言います。

「普段サービスを使っていて裏側がAWSかAzureなんて気にしないからブロックチェーンを全面に出すのが良くない」

この言論はよく見かけますし、実際に僕もそう思います。ユーザー体験に裏側のシステムがどうであろうと関係ないです。なので、なるべくユーザーがわからない単語や体験はなるべく除去されるべきです。


しかし、これはユーザー体験の話です。

事業者/サービス提供/開発者にとってはチェーン選定というのはこの上なく重要です。ここ最近、この重要さをとても噛み締めています。

少し飛躍しているかもしれまんし、エンジニアからしたら間違っているかもしれませんが、Web2のサービスとWeb3のサービスの大きな違いにインフラとアプリケーションの関係性というものがあると思っています。

AWSやAzure側は、アプリケーションを志向しません。クラウドサービスがこういうサービスを作ってくれると嬉しいな、とかこういうサービスには援助しますってあまりないことかと思います。

しかし、ブロックチェーンは違います。インフラ側が「こういうアプリ欲しいな〜」とか「こういうエコシステムを作っていきたいな〜」という要望的なもの/方針っぽいものがあります。そこにチェーンのアロケーションをGrantという形で流したりします。

なぜなら、アプリが増えるほどブロックチェーンのエコシステムが便利になるからです。

ブロックチェーンはアプリケーション間のインターオペラビリティ(相互運用性)があり、コンポーザビリティ(構成可能性)があります。それらによってブロックチェーンそのものにネットワーク効果が働きます。

同じチェーン上のアプリの一部を活用したり、自社で全部を作らなくてよかったりします。

アプリケーションの増加によって同じインフラに乗るアプリケーション全体の効用が増していくというのは、既存のクラウドサービスにはないのです。

このインフラとアプリケーション間の関係性がブロックチェーンのもたらしたら一つの変化です。


Baseは「カルチャー」を作ろうとしている

Baseが目指しているのはオンチェーンカルチャー

先ほどのブロックチェーン側が志向する要望的なもの・方針っぽいものがあるという話をしましたが、Baseには「カルチャーを作っていこう」という全体感があるように思います。

どんなカルチャーかといえば、まさしくオンチェーンカルチャーです。

現在のBaseには様々なdAppsが載っていますが、他チェーンと比較してもSocial系が多いです。思い当たるだけでも以下があります。

  • 0xppl

  • Mosicam

  • Rodeo

  • Unlonely

  • catalog

  • Blackbird

  • Friendtech(終わっちゃったけど)

  • Galaxe

  • Layer3

  • Pargraph

  • zora

また、DeFormやdDocsのような既存のツールのWeb3版のようなものも散見されます。

RodeoやZoraはインスタライクな体験をNFTを絡めて実装したり、Mosicamはカメラで撮ったものをすぐにmintすることができるようなサービスで、体験としてもシンプルだし、あまりNFTとかのワードが出てきません。

よく言われる、「それNFTでやる意味ある?」という言説とは真逆で、とりあえず、オンチェーンに乗せてみるというのをチェーン全体で後押ししています。

先日Cabinetの石田さんが近いようなことをスレッドに書いてあり、自分もまさに同感です。

また、マスに向けた要素としてもオンボーディングの要素もあります。ウォレットサービスのPrivyに投資をしたり、Account Abstractionを実装したSmart Walletなど実装し、ユーザーオンボーディングを簡素にしています。

さらに、チェーン全体で後押ししているというのを象徴するイベントも開催しています。Onchain Summerです。

説明は省きますが、簡単にいうとビルダーを支援するようなハッカソン的なものを開催したり、企業が記念のNFTを出したりするお祭り的なイベントです。

この取り組みはBaseのトラクションにもなっていますが、どちらかというと「オンチェーンってイケてるよね!」というナラティブを作り出そうとしていますし、体感ですが実際に成功にしています。

このまま続ければ、着実にオンチェーンカルチャーは市場に浸透していくと思います。これが俗にいうCMF(Culture Market Fit)というやつです(言わない)。

Baseの強み

BaseはオンチェーンカルチャーをCMFさせるために、取引所、dApps、ウォレットまでを手堅く抑え、チェーン全体で盛り上げるイベントを催したり、営利企業ならではの名の知れた企業を巻き込んだり、あれやこれやの手を打っています。

また、Baseの強いところとしてCoinbase VenturesとCoinbaseの社内起業制度があると思ってます。他のチェーンと違う点として営利企業で、ガンガン資本投下をするので、Baseエコシステムへの引力が強いです。

また、社内の起業制度から生まれているアプリケーションもあります。社内の資本や人的リソースをBaseにフィードバックさせる素地が出来上がっています。

チェーンとアプリケーション間のカルチャーフィット

CMFは、名前の通りマーケットとのフィットですが、アプリケーション側とインフラ側でのカルチャーフィットも重要です。

インフラ側がDeFiカルチャーやってくぞ〜ってなってんのに、Social作ります!ってなっても、支援されにくいです。

もちろん、インフラ側がDeFiカルチャーやってくぞ〜ってなってて、じゃあデリバティブのプロトコル作ります!ってなったら支援してくれるでしょう。

なのでチェーン選定は重要なんです。チェーンのもつカルチャーは行く末を決めるんです。チェーン選定を怠るのは愚行なんです。


Baseはチェーンぐるみでオンチェーンカルチャーを育てていこうとやっています。実際に集まるアプリケーションはカルチャーフィットしています。

今回はBaseを取り上げましたが、他のチェーンで言えばStarknetもカルチャー的な志向を持っています。

Starknetはオンチェーンゲームが活発で、UIがちょっとレトロなものが多かったりして、昔ながらのアーケード感やインターネットがある印象です。

KOL的なポジションにguilty gyoza氏がいたりするのも、そういったオンチェーンゲームカルチャーを感じる要因です。

Starknetは、コアデベロッパーの熱狂度が高い印象の一方で、開発環境の難易度が高かったりするそうなので、なかなか参入障壁が高くなっており、カルチャーだけフィットしているような状況が見られます。

他のチェーンが持っているカルチャーもしあったら、教えてください。

最後に

Baseがオンチェーンカルチャーを浸透させるために、様々な打ち手をしておりエコシステム全体でカルチャーを作り上げようとしている動きにアプリケーションも乗っかれる。これぞWeb3です。

インフラ側がそれを後押しすることに利得が生まれたことがブロックチェーンの凄みなので、インフラ側の後押しをうまく使っていきましょう。

個人的にはBaseと同じOpstarckのSuperchainで作られる営利企業チェーンのSoniumにもBaseみたいなイケてるカルチャーを期待しています。

久しぶりにオンチェーン分析じゃない記事を書きました。
拙い文章でしたが、ありがとうございます。

X:0xguss3

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