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【オンチェーン分析】日本国内取引所のユーザー特性について(bitFlyer, Coincheck, bitbankを事例に)

こんにちは、ぐっさんです。

日本国内取引所のユーザー分析をオンチェーン情報から行ってみました。今回は下記のツイートの再掲と若干の付け足しを含む記事です。

ウッレットベースでのユーザー分析って意外とやられてないので、結構面白い分析ができたと思います。オンチェーン分析にもし興味ある方は、下記のnoteでオンチェーン分析のやり方からDuneの使い方まで懇切丁寧に解説しているので読んでください。

最終的なダッシュボードは下記のリンクよりご覧になれます。

https://dune.com/gussan_0214/japanesecentrlizedexchangesuserfeature



前提の整理

調査対象のアドレスについて

冒頭の表ですが、下記の取引所のアドレスから外部に送信されたアドレスのユニーク数なので、全てのユーザーを表しているわけではありません。

分析内容について

今回の分析では、以下2つを取り上げています。

  • 取引所のユーザーが利用しているDEX

  • 購入したことのあるNFT

の2つを対象にしています。

他にもチェーン、LSD、トークンの種類を対象にすることでより深いユーザー像を見出すことができますが、今回は時間の都合もあり、この2つをピックアップしました。

DEXの利用状況

まずDEXについてですが、左部はbitFlyer、中央部はcoincheck、右部はbitbankのセクターになっています。

DEXを利用しているユーザー(過去に当該ウォレットが使用したDEX)と全体にする割合は下記の通りです。

  • bitFlyer:10.6%

    • DEX利用アドレス:35,512ウォレット

    • 全体のアドレス:335,652ウォレット

  • coincheck:16.7%

    • DEX利用アドレス:31,765ウォレット

    • 全体のアドレス:190,291ウォレット

  • bitbank:27.2%

    • DEX利用アドレス:22,272ウォレット

    • 全体のアドレス:81,961ウォレット

bitFlyerは、全体の外部ウォレット数に対して、DEXを利用しているユーザーの割合が低いです。 一方で絶対量は同等のbitbankですが、全体のウォレットに対するDEX利用者数の割合が高くなっています。

biyFlyerユーザーは、そもそも外部ウォレットに持ち出しているユーザーが少なく、その中でも一部のユーザーが大きく暗号資産を動かしています。

coincheckユーザーは、割合はbitflyerよりも高いですが、1ユーザーあたりのDEXの利用額が大きくないため、引き出したトークンをそのままガス代や支払いに使用している可能性が考えられます。

bitbankユーザーはDeFiを使って運用をしているユーザーが比較的多い可能性が考えられます。

利用されるDEXについては、取引数が最も多いDEXはいずれの取引所ユーザーにおいてもpancakeswapでした。 次いでuniswap→quickswap→sushiswapとなっています。

一方で、取引総額においては、bitflyerはcurveが最も多く、他の取引所ユーザーはuniswapが最も多かったです。 取引数では22番目のcurveですが、1割の中に相当な大口取引をしているユーザーの存在が見え隠れします。

NFTの購入履歴

次に各取引所のユーザーが購入したNFTについてです。

NFTの取引をしているユーザー数については

  • bitFlyer:全体の5.2%

  • coincheck:全体の10.7%

  • bitbank:全体の11.2%

とDEXと比較すると低い水準になっています。

また、DEXの取引量とNFTの取引量を比較したとき、bitFlyerやbitbankはNFTの取引量比は1-2%に対してcoincheckユーザーは6%となりました。 取引所の中でもNFTに関して積極的なcoincheckのユーザーは最もNFTの売買に積極的な傾向にあることがわかります。

NFTプロジェクトが購入されていることに関しても興味深い点があります。

まず、Coincheckで最も購入されているNFTプロジェクトは、Coincheckのマーケットプレイスで販売されているSandboxのNFTであり、これが1つの要因として考えられる。

次にbitbankで最も購入されているNFTプロジェクトはCloneXです。他の取引所の中で、ブルーチップコレクションの取引量が最も多いのはCloneXだけだ。

bitbankのユーザーがDEXをよく利用していることや、コミュニティがあるPFPプロジェクトの購入量が多いことは、暗号に対する全体的なアクティブなユーザーベースを示しているのかもしれない。

さいごに

簡単なまとめとして下記のような形でまとめられます。

  • bitFlyerのユーザーは外部ウォレットへの持ち出しが少なく、一部の熱心なユーザーはDeFiやNFTのエコシステムを利用している

  • Coincheckのユーザーは、NFTの利用は比較的アクティブで比較的ライトな層が利用している

  • ビットバンクはNFTよりもDeFiエコシステムに積極的なユーザーが多い

これらの数字はDeFiとNFTのみですが、今後トークンやdAppsを見ることで、より詳細なユーザー像を把握することができると思います。

Twitter:0xguss3


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