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メディアリテラシー教育の必要性

 インターネットやSNSが普及し、いつ、どこでも、だれでも情報を発信・受信できる時代。一方で、それらの技術の進歩に追い付いていないメディアリテラシー教育。昨今は新型コロナウイルス(COVIT‐19)の影響で、SNSを中心にデマが拡散し、マスクの品切れに始まり、トイレットペーパーの品切れが発生し日本各地を困らせています。この購買活動により、多くのドラックストアの店員はストレスを抱え、困っています。『BuzzFeed JAPAN』の記事では、ドラックストアの現状を物語った記事がありますので、是非お読みください。


今回、書きたいのは新型コロナウイルス(COVIT‐19)ではなく、そのような情報に惑わされないためのメディアリテラシーの重要さです。メディアリテラシー教育はこれから生きていくうえで、最も必要であろうことの一つである「あいまいな情報に耐える力」を身につける教育です。

メディアリテラシーとは??

 メディアリテラシーとは、総務省によると以下のように述べられています。

 メディアリテラシーとは次の3つを構成要素とする、複合的な能力のこと。
1.メディアを主体的に読み解く能力。
2.メディアにアクセスし、活用する能力。
3.メディアを通じコミュニケーションする能力。特に、情報の読み手との相互作用的(インタラクティブ) コミュニケーション能力。

また、メディアリテラシー教育とは、それらの能力を身に付ける教育を指します。

次に、一つ一つの能力について詳しく説明します。


1.メディアを主体的に読み解く能力。
 ここで、ポイントなのは「主体的」という点です。普段、我々はTVや新聞、SNSを通じて膨大な量の情報を受け取っています。ただ受け取っているだけの状態を、「受動的」と言います。「受動的」に情報を受け取っていることというのは、流れてきた情報をそのままの形で受け取っているということです。ここで、具体例を挙げます。少し前までは、「コロナウイルス」について「暖かくなれば、ウイルスが弱まり新型コロナウイルスは終息する」と言われました。この情報元はアメリカのトランプ大統領と言われています。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1225728756456808448?s=20


 この情報について「受動的」に受け取ってしまった場合は、トランプ大統領の発言を信じるということです。しかし、「主体的」に受け取った場合、以下のことが考えられます。

・トランプ大統領はたくさんの嘘をツイートすると言われている。
・トランプ大統領は大統領だが、専門家ではない。
・そもそもこのように考えられる根拠はなぜなのか?
・このツイートのソースはどこなのか?         など…

 つまり、「情報を単に受け取るのではなく、批判的に受け取ること」が「主体的」のポイントだと考えられます。

 新型コロナウイルス(COVIT‐19)に関して専門家によると、トランプ大統領の発言は全くもって根拠のないことでした。以下は根拠となる記事です。


2.メディアにアクセスし、活用する能力。

 ここにおけるポイントは「活用する」という点です。現代では、SNSなどのインターネットを通じ、誰もが簡単に、素早く、どこでも膨大な量の情報を入手することができ、瞬時に発信することも可能です。だからこそ、「どんな情報元にアクセスし、どんなふうに活用するのか」というのは大切なことです。言い換えると、「信頼できる情報元にアクセスし、正しく拡散・論文・SNS等への活用」が大切ということです。信頼できる情報元としては、以下の情報が考えられます。
・官公庁のデータ
・大手新聞社、通信社の報道
・署名のある記事
・専門家の監修があるホームページや記事
・出典が明記されているホームページや記事           など…

 逆に避けるべき情報元としては、以下のことが考えられます。
・まとめサイト
・SNS
・匿名のブログや個人サイト(→noteもぶっちゃけ信用に値しないです泣)
・Wikipedia(匿名のサイトのため)               など…

 ここにおけるポイントを無視し、「信頼できない情報が、有効に活用できなかった」場合、フェイクニュースと呼ばれるニュースが世界中に拡散してしまうということに繋がります。新型コロナウイルス(COVIT‐19)における、国内のトイレットペーパー不足もこのフェイクニュースの拡散が原因です。

 トイレットペーパー不足の情報元はSNSです。このようにフェイクニュースが拡散してしまうと、それを見た多くの人が焦ってしまい、だまされてしまいます。また、フェイクニュースの発信・拡散は罪になる場合もあります。


3.メディアを通じコミュニケーションする能力。特に、情報の読み手との相互作用的(インタラクティブ) コミュニケーション能力。

 ここにおけるポイントは「相互作用的(インタラクティブ)」です。「interactive(インタラクティブ)とは、involving communication between people or reactions between things that work together(Cambridge Dictionary)」ということです。日本語に訳すと、「人と人とのコミュニケーション、または者同士がともに働く反応」です。ここにおけるインタラクティブとはつまり、人とメディアとの相互作用です。メディアリテラシーの上記の2つの要素と重なるのですが、まとめると「それぞれのメディアの特性を理解し情報を受け取り、活用し、発信する」。それこそが、メディアリテラシー教育の根底にあることなのではないでしょうか。


最後に

 インターネット技術が驚くべき速度で発達している一方で、メディアリテラシー教育が追い付いていない現在。多くの小中高の学校の先生方は、それらの分野に対応できていないため、若い世代にメディアリテラシーの重要性を教えることができていません。また、多くの大人たちはメディアリテラシー教育を受けておりません。今回の新型コロナウイルス(COVIT‐19)に伴うトイレットペーパー不足のデマを受け、メディアリテラシー教育の重要性はますます高まりを見せております。この記事が多くの人にとってのメディアリテラシー教育を始めるきっかけになることを願ってます。