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知られざるコーヒー危機

 コンビニで手軽に手に入る1杯100円のコーヒー。コーヒー専門店で買える1杯1000円以上もするコーヒー。コーヒーに興味ない人やコーヒーが好きじゃない人には、何が違うかわかりませんよね。私はコーヒーが好きで、友人にコーヒーの話をすると「コーヒーってただ苦いだけで、違いなんてないじゃん」ってよく言われます。そこで、初投稿は私の大好きなコーヒーに関連して「コーヒー産業の現実」について書きたいと思います。

低価格コーヒーと高価格コーヒーの違いとは?

 まず、コーヒーの品種について軽く解説します。コーヒー豆の品種には代表的に2つの種類があります。1つ目にロブスタ種。2つ目にアラビカ種があります。ロブスタ種の豆の特徴としては、アラビカ種に比べて病気に強く、アラビカ種より低緯度(300‐800m)で育成することができるので、アラビカ種に比べて育成が容易です。風味の特徴としては、苦みがとても強いです。一方で、アラビカ種の豆の特徴としては、ロブスタ種に比べて病気・霜・乾燥・病害虫に弱く、熱帯地域の標高が高い地域(1000‐2000m)で育成しなければなりません。風味の特徴としては、ひとことでくくれません。アラビカ種の豆は生産国、生産農家にとって大変異なります。つまり、アラビカ種の豆を育てるのは、ロブスタ種に比べて大変手間がかかります。以上の理由から、低価格コーヒーにはロブスタ種、高価格コーヒーにはアラビカ種が使われることが多いです。現在の世界では約60%がアラビカ種、約40%がロブスタ種の豆が使われています。

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コーヒー豆の生産国が抱える問題点とは?

今やコーヒーは世界の一大産業。全世界で約9兆円を売り上げています。世界的な生産も成長を続けており、その筆頭であるブラジルとベトナムは既に、合わせて世界全体の生産量の半分以上を占めています。一方でホンジュラスやブルンジ等の経済的に貧しい国々では農家が栽培コストよりも安い価格でコーヒーを販売しています。コーヒー豆の価格は市場の影響によりもともと変動しやすいが、ここ10年で供給過剰により、最低レベルまで低下しています。それに伴い、小規模農家を中心に栽培者はその継続に困難を抱えています。一部の継続が困難な農家は、生産力の向上という名目で大量の化学肥料や農薬を投入し、機械化に邪魔であるという理由で森林を破壊しています。コーヒーの生産における、土壌汚染、水質汚染、過酷な貧困問題、農薬等による健康被害は計り知れません。各地での森林破壊等の環境破壊は気候変動をさらに重大にし、コーヒー産業だけでなく地球全体にさらに追い打ちをかけます。

私たちが消費者としてできることとは?

では、このような現状に私たちが消費者としてできることは何だろうか?この負のスパイラルに対しての解決方法とは「小規模コーヒー農家に適切にお金が支払われること」である。適切に支払われることで、小規模農家の貧困問題、健康問題は解決できるのではないだろうか。さらには、気候変動問題に対しての解決にもつながるのではないだろうかと私は考えている。私が「農家に適当なお金が農家に支払われる」仕組みとして注目しているのは「スペシャリティコーヒー」の存在である。スペシャリティコーヒーとは、コーヒー豆から1杯のコーヒーまでの生産から販売まで一貫した体制・工程・品質管理が行われていることが必須のコーヒーである(from seed to cup)。この一貫した体制が、環境破壊がなく、適当なお金が農家に支払われ、持続可能なコーヒー豆の生産を行う仕組みを可能にしているのだ。

また、なんといってもスペシャリティコーヒーの最大の特徴と言えば生産国による風味の違いである。大雑把に分けるとコーヒーの生産地域は、ラテンアメリカ・アフリカ・アジア/太平洋の3つに分けられます。ラテンアメリカは、サッパリとした酸味とナッツにちかい甘みがあるのが特徴です。アフリカは、フローラルの香りが特徴的で、ベリー等にちかい酸味が特徴的です。アジアは、重量感のあるコクがあり、シロップのようになめらかな味わいが特徴的です。個人的には、アフリカのルワンダの豆が大好きで初めて飲んだときは、ラズベリーのハーブティーに近い味わいを感じました。スペシャリティコーヒーは低価格コーヒーや大手チェーンカフェに比べ値段は高いと感じますが、生産農家の人権、気候変動の影響を防ぐために何より大切だと感じています。また、コーヒーが苦手な方にもコーヒー独特の苦みを感じることが少なく、とても飲みやすいと感じます。

最後に

世界のコーヒー産業を寡占しているブラジル・ベトナムの陰で、多くの経済的に貧しい国々の小規模農家が貧困・健康被害・気候変動の影響で苦しんでいます。私たちが今後このまま安いブラジル・ベトナム産のコーヒーを飲み続けてしまった場合、多くの貧しい小規模農家は生産から撤退せざるを得なくなり、各地域ごとが持つコーヒーの風味の特徴が失われ、最後にはブラジル産とベトナム産のコーヒーしか飲めなくなってしまうかもしれません。

追記<都内でスペシャリティコーヒーが飲めるお店は??>

Blue Botte Coffee (清澄白河、品川、青山など都内各地)

2000年代前半、カリフォルニア州オークランド市で、フリーランスの音楽家でありコーヒーマニアでもあったジェームス・フリーマンは新鮮味が無くロースト具合が深すぎる一般的なコーヒーセレクションにうんざりし、新鮮で本来のコーヒーの味を求めている人々の為に自らコーヒー焙煎を始める決心をしました。小さな6ポンド(約2.7キロ)用の焙煎機を使い、彼は「焙煎したてのフレッシュなコーヒー豆だけをお客様に販売し、フレーバーが最も美味しいピーク期間に飲んでいただきたい。豆も最高品質で、最も美味しく責任をもって調達したものだけを提供する。」という歴史的な誓約を立てたのです。

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Verve Coffee Roasters (新宿、表参道、鎌倉)

豆の栽培からコーヒーの提供まで、
すべての過程に責任をもつこと
私たちが目指す素晴らしいコーヒー体験の提供とは、SEED TO CUP=コーヒー豆の栽培方法からコーヒーカップで提供されるまでの すべての過程に責任を持つことで初めて実現できると信じています。
コーヒーは私たちの商品であると同時に作品であり、情熱そのもの。
その想いを胸に、私たちはコーヒー農園とあなたの街との架け橋になります。

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Koffee Mameya (表参道)

ロースターとお客様の架け橋になる。
2017年1月、表参道に一軒のコーヒー豆専門店が現れた。
白衣をまとったバリスタが、カウンセリングを通じてお好みのコーヒーをセレクトする。
ここはカフェなのか、それとも全く新しいスタイルのコーヒーショップなのか。
その答えは、カップの中を覗けば見えてくるだろう。

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