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12星座もしもシリーズ62「学園祭準備編4」

着々と、学園祭での生徒会でのバザー、オークションの計画は進んでいた。
同様に、生徒会&?たぶん??の漫研とコラボしたオカヒロ研内部でも、着々と・・・・???

蠍「射手君!!すごいです!てか、独学でこれほどまで占えるって、才能ありすぎですよ!」

オカヒロ研での占い喫茶で、射手が占星術でブースを出したいと言った時、皆はそのまま承諾した。
てか、何にも考えてなかった。

だがしかし、お金を貰うわけだし・・・・。
誰も、それまで射手が占星術が出来ると言うのも知らなかったし、腕試しをしたほうがいいんじゃないか?と蟹の提案で、みんなのホロスコープを読んでもらう事にした。

蟹「おぉ、そこまで読めるんだ!めっちゃ本格的っぽ!」
獅子「んんん・・・。面白いけど、占わなくても分かりそうな??」
魚「私は、遠慮しとく。でも、射手君の占い、結構すごいと思うよ!」

という事で、問題なく射手も学園祭で占いを出せる事になった。

部活も終わり、風呂にでも行くか~、と用意していたその時。

射手のLUINにメッセージが。
牡羊『占って欲しいんだけど・・・』

え?てかどうせ魚さんとどうなるか、とか相性とかだよな。
なんか、それってめんどくさいし・・・。
俺、そこまでは分からんし・・・・。

しかと、っすね!
風呂であったら、適当な事言っておくか~~。

俺、恋愛とか分からんw
蟹さんや蠍さんに聞いてくれ~~w

夏休み、獅子の別荘から一旦寮に戻って来た射手。
同じように寮に戻って来ていた水瓶。

戻って来た時、寮室廊下で顔を合わせたが、特にお互い追究することもなかった。
部屋に戻ってすぐにそのまま用意してあった荷物を持って寮を出ようとした射手だった。
寮を出る前にまた、水瓶と出くわした。

水瓶「いてら~~!無事帰ってこいよ~~!」
射手「おう!!」

手を振って射手を送ってくれた水瓶に内心、嬉しく思っていた射手だった。

愛車(チャリ)ペガサスに、荷物を積む。
射手「目標は、8月15日までに学園に戻って来ること。20日間の旅での現在の所持金は5000円。それでやりくりする事。」
荷物をしっかりとチャリに積み込み、射手は走り出した。

射手「まぁ、獅子、双子、天秤、牡羊には了解を貰ってるから、そこを中継地点にして進めばなんとかなるさ!」

まずは、獅子の実家へ・・・・。

チャリの整備は完璧!
ついでに自分でも簡単なチャリ整備スキル&道具もOK!

スマホ充電もOK。
予備電源もOK。

簡易の食料もOK。
雨具もOK。

全部が完璧だった。
はず、だった。

少し上り坂が続いていて、民家も少なくなってきているな、とは感じていた。
だが、明らかにこれは山道なんでは?と思い、ちゃりを停め、脇道でスマホで現在地を確認した射手。

だが、表示されるマップは、間違いなく予定の道路。
射手「どうなってるんだ?GPSがきいていない?」
スマホが表示しているマップとは全然違っている今の状態。

射手「・・・。まいったなぁ。次に車が来たら停めて聞いてみるか~~。」
なんて、気長に構えて車が通るのを待つ射手。

だが、そうこうするうちに辺りはすっかり、暗くなってきた。
射手「しゃぁない、一旦戻るか。」
そう思い、下ろうとしたやさき、目の前で車がとまった。

運転席のドアが開き、声を掛けられた。
男「申し訳ない!どうやら迷ってしまったようなんだ。君、ここがどのへんか分かるか?」
射手「いや、俺も迷ったようで、引き返そうとしてたところなんです。」

男「そうなのか。そうか、道を戻った方が良さそうだな。」
軽く会釈をして、射手は道を下って行った。

後方で車がUターンしているような音がしている。
射手「まぁ、ここは戻るのが正解だよな。」

・・・。
・・・・・。
だが、いつまで経ってもさっきの車は近づいてこない。

射手「やっぱり、先に進んだのかな?」
そう思いながらチャリで走っている射手だったが、いつまで経ってもさっき通った道に戻れていない事に気が付いていた。
射手「ん?坂道っぽくなってる手前にコンビニあったよな。コンビニ過ぎて15分くらいで、降りて来たはずだけど??」

腕時計を見ると、射手が感じている時間間隔は間違っていないようだった。
だが・・・。
射手「ん?スマホの時計が狂ってる??」

腕時計は17時25分なのに、スマホは22時25分と表示されている。
射手「LUIN通じるかな?」
試しに、LUINでメッセを送ってみる。
メッセージも送ってみた。

ピロポロリン。
射手「あ、LUINは通じたんだ!」
射手がLUINを開くと見た事のない人物からメッセージがあった。

unknown「ようこそ。」
射手『ありがとう』スタンプを送ってみる。
unknown「あなたが見なかった世界へ、来てくれてありがとう」
射手「へ~~、観なかった世界かぁ、なんか知らんけどおもしろそう!」

unknown「そういって頂けて、嬉しい限りです。では、この世界を堪能していってください。」

堪能しろ、って、か?
獅子んちには、今日中には着かないってコトっぽいな。
まずは、寝るとこ確保するか~~。

目立つところにテント張って置けば、他に迷って来た人が来るかも、だし。
この辺でテント張ってしまおう。

そう思い、少し平坦でテントを張るのにも、差しさわりのなさそうな平地にテントを張った射手。
アヤシイ場所にいるから油断しちゃだめだと思いつつも、疲れ切って寝袋に入った途端、寝てしまった射手だった。

『またおねしょしたの?寝る前にジュースの見過ぎ!
まったく呑気なんだから!
にいちゃ~~ん』

なんだか変な夢だな、と思いつつも目を覚ました射手。
テントの中は水浸しだった。
射手「え?え?なんで????」
慌ててテントの外に出る。

平坦だから大丈夫と思ったその場所は、くるぶし近くまで水が溜まっている。
外は風はないものの、雨が滝のように降っていた。

このまま、ここにいてはアブナイと感じた射手。
テントをたたみ、あまり役に立たない感じのレインコートを着て、自転車を押しながら高台に向かった。

ゴゴゴゴゴ!!!!
突然大地を揺さぶるような音がした。
振り返ると、さっき射手がテントを張っていた場所に土砂が流れ込んでいた。

射手「!!」
後、数分遅れていたら自分はあの土砂の下敷きになっていた・・・。
射手「これが観なかった世界なのか?」

雨は変わらず滝のように降っている。
なるべく高台へと移動する射手。

ブッブ~~~!!!
突然、車のクラクションが鳴った。

大型トラックが射手の横に停まる。
トラックの窓が下げられ
運転手「おい、にいちゃん!ずぶぬれだな。イヤじゃなきゃ乗ってくかい?」
大きく肯く射手。

トラックの荷台に自転車と荷物を乗せ、助手席に乗り込んだ射手。
射手「すみません、助かりました!」
運転手「俺こそ、見つけられて良かったよ。・・・。あぁ、俺のことトキって呼んでくれ。おっさんとか言われると傷つくから(笑)」
射手「俺は、射手で。」

トキ「まじで助けられて良かったわ~。」
射手「え?なんすか??」

トキ「射手を見つけたあの場所な、人がよく行方不明になるんだよ。俺ら長距離運転手の間では、通ってはいけない場所、てのがあって・・・」

まぁ、知る人ぞ知る心霊スポットに射手は迷い込んだらしい。
それが、たまたまの幸運なのか悪運なのか、無事に乗り越えられたらしい。

トキ「射手には、サンタクロースがついているのかもしれないな。」
射手「??今、まだ夏ですけど?」

トキ「あぁ、サンタクロースって木星って惑星なんだよ。」
射手「木星?あのちょいでかい惑星?」

それから、トキはしばらくの間木星の話をしてくれた。
射手「そうなんだ!!てか、トキさん、なんでそんなに木星に詳しいんですか?」

トラックは少し開けた場所に停まった。
雨はやんでいたようだった。
トキ「もう心配はなさそうだな。外に出て見ないか?」

言われるままに外に出る射手。
そこには満天の星空が広がっていた。

見ていると、吸い込まれそうな夜空。
あやうく平衡感覚をなくしそうになり、倒れ掛かった射手の背中をトキが押した。
トキ「どうだ、宇宙はすごいだろ(笑)」

うなずく事も忘れる位、射手には圧巻の星空だった。
ソロキャン好きで何度も一人で星空を見たハズだったのに。
命の危険な状況だったのかもしれない。
命という以前に魂の危機だったのかもしれない。

だけれど、運が良いのか悪いのか、知らない間にここにいる自分。
不思議な感じだった。

トキ「今日は、ここにトラック停めて置くわ。」

それから、トキさんから星の話を聞いた射手。
面白くてワクワクが止まらなかった。
トキ「俺のかみさんがよ、星占いってのをやってんのよ。俺が長距離運転手やってて、いつも腰痛いとか言ってたせいなのかねぇ。占いで、稼いであげるからそれまで、頑張って!とかいわれてよ。なんか、嬉しくなって、それからかみさんの占いに付き合って、イロイロ話を聞くようになったんだ。」

トキさんの話につられて、占星術に一緒にワクワクしてしまった射手だった。

翌朝
トキ「おはよう!このトラックの目的地、真木市なんだけど、どうする?」
射手『真木市て、双子がいるとこだな!あそこって、本やや図書館が多いから調べものに向いてるよな?』「俺も真木市で下ろしてください!」

翌朝、真木市はずれでトラックから降りた射手。
射手「トキさん、イロイロありがとう!俺、占星術に興味深々だわ!」
トキ「分からない事あったら、いつでもLUIN寄こせ。俺が分からなかったら、かみさんに聞くから!」
そんなやりとりで、分かれた二人だった。

降りた場所には双子が待っていた。

双子「獅子んとこ、行かないでこっち来たんだ??調べたい事があるってLUINで言ってたけど、どういう系統を調べたい?」
射手「西洋占星術に関して調べたいんだ!」
双子「ふぅ~~ん。占い師さんもいっぱいいるから、まずは占てもらったら?」
射手「あ、そうだな!俺の所持金の範囲・・・・。て、あと3000円だけど?」
双子「・・・・。ちょい、他の人に相談してみるわ。」

と、誰かにLUINしている様子の双子。
双子「やった!乙女さんが来てくれるって!実家近いから、聞いてみて良かったよ~~。」
射手「乙女さんって、占いに詳しいの?初めて聞いたけど??」
双子「俺もそれなりに情報量多いけど、実務的な事なら乙女さんに頼るのが良し!まぁ、俺の事は好きじゃないっぽいけど、それでも、人のためになりたいと思う人だから、頼って良いと思うよ!」

乙女「お待たせです!びっくりですよ、双子君から連絡来るなんて!」
といいながら、その横には牡牛さんがいた。
牡牛「おまけの牡牛です~。」

双子「あれれ?牡牛さん、どしたの?」
牡牛「ふふふ(笑)乙女さんとこで、原稿描いてたとこだったんですぅ~~!」
射手「え?原稿描かなくてもいいの?」

乙女「息抜きです♪」
牡牛「てか、もう原稿は上がって、投稿し終えました!」

射手「皆、ありがとう!」
不思議な感覚だった。

人に合わせて、楽しく生きて来たつもりだった。
家族との仲だって、悪くない。
学校では気の置けない仲間だっている。

牡牛「私も乙女さんも、蠍さんからみっちり占い教えてもらったんですよ!」
乙女「分析力が高い私は占星術。」
牡牛「感性が高い私はタロットですぅ~!」

あ、そっか!
俺ってどっちかって言うと、外に出ていく感じが好き?

乙女「まずは予算で収まる範囲で占星術で占ってもらいましょうか?」
牡牛「初心者さんがモニター集めでタダでやってるのもあるです~。」

双子「射手がやりたい方向って、決まってる?」
射手「いや、全然。てかどうしたいとかないけど?」

双子「まぁ、ここの図書館て、最強レベルだから読みたい本見つかると思うよ!」
乙女「最短で、射手君が欲しい情報を仕入れましょう!」
牡牛「夏休み最後に、普段会わない人達と一緒って、心がぽかぽかしちゃいますぅ~~!」

牡牛さん、良い事言うな~。
てか、遠くばっかり見てて、近いのに遠かった人達がいたんだな。
遠くしてたのは、俺か?

双子『相変わらず、何も言わないんだな~~。って、獅子が俺に苦情言ってるんだけど、俺は何もしてないぞ!』

獅子からの双子へのLUINメッセージ・・・。
獅子『え?なんで真木市行っちゃってるの射手?俺、射手来るからって、家庭教師断ったのに、嘘ついてさぼったって、とうちゃんに報告されちゃうじゃんww』

こそこそ・・・・。
乙女「牡牛さん、射手君と双子君て・・・?」
牡牛「それはなさそうな組み合わせですぅ~~!」

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