長野旅行日記
お久しぶりです。ユースケです。
中々忙しい日々が続き、更新できませんでしたが重い腰を上げたいと思います。
今日は、今までと少し毛色が変わってしまいますが、長野に3泊4日で建築旅してきたので、その時感じた思いを乱文にはなると思いますが、綴っていきます。
(コロナ禍ではあるため、感染症対策には十分注意しました。同行者も含め、現在コロナに感染してはいません。)
1日目
1日目はまず初めに守山市立図書館を訪れました。
木のルーバーといえば隈研吾。そう感じさせる構造体とは無関係な木のルーバーによって、設備が隠され、照明は直接照明と間接照明が混ざり合う空間となっている。
大きな窓がある空間は、左右の斜めに振られたルーバーの中心性を感じさせ、自然と二階の芸術・文化コーナーへと誘われる。
お気に入りの席は写真にもある大きな窓を前面に覗く二階の一般書籍閲覧席だ。すりガラスによって、一階の人々が動く様子は全く気にならず、大きな窓の外で静かに揺れ動く木々を感じながら、本を読むことに集中できる。たまにすりガラスの隙間から見える人々の動きが空間の豊かさを語ってくれる。
規則性が生み出す不規則なイメージは他の建築に変えがたい感覚があった。
次に妻籠宿を訪れました。
中山道の宿場町として栄え、今なお本陣が残る町。6kmにも渡る町並みは一見同じような民家が並んでいるが、その実個性があふれる形となっており、ただ歩いているだけで江戸時代の活気を想像することができる。
建築を学んでいる人であれば、さらに奥にある集落ならではの面白さに気づくであろう。空中権や土地所有権が無視される現状や現場施工の重要性がそこかしこにあふれていると思われる。
個人的にお気に入りのポイントは、こうした観光地化の取り組みを進めている反面で、しっかりと日常的な利用を行っている点である。ちょうど私が行った時は洗い場に映るたわしやほうき、キックボードで遊ぶ子どもたちを見ることができ、これが時代に合ったまちづくりの形なのだと感じた。
2日目
2日目はまず茅野市民館に行きました。
あいにくと天気は曇りで、内部は閉館していて入れなかった。古谷誠章の設計によって建てられた茅野市民館と駅をつなぐデッキは空間の連続を人の連続を通してダイレクトに感じさせる空間となっているように認識している。駅に対して作られたダイナミックなカーテンウォールには駅を利用する人々や通過する電車がまるで別世界を写すように壁面いっぱいに表現される。
きっと開館していたら、駅から建物を見たときにカーテンウォールに反射した自分たちの動きと建物内部の活動が重なって見えるのだろうと想像させられた。
その後、安曇野市庁舎に行きました。
内藤廣が設計した市庁舎。内部の色は4色で抑えられ、木材を活かす色合いを絶妙な割合と色の組み合わせで示している。 シンメトリーなプランは一度訪れた人が再度訪れた時に迷わないように、そして市の職員と利用者の動線をさりげなく分断している部分に内藤廣のすごさを感じる。シンメトリーに二箇所に設けられた階段は柱や梁で支えることなく、構造体自身で自立しており、吹き抜けの抜け感を最大限に引き出している。
個人的に気になったのは、トイレの看板である。男性も女性も同じ色に白のシルエットで描かれており、初見では間違ってしまうほど区別がつきにくかった。それほど色にこだわったことが伝わる瞬間だった。
最後に松本十帖の本の箱に行きました。
私はもしかしたらこの建築が一番好きかもしれない。そう感じさせる建築だった。
元々銭湯をリノベーションしてつくられた書店が併設された旅館。一階出入り口部分はカフェと書店で構成されており、二階以上が寝室となっている。エリアは大きく四つに分類され、それぞれのエリアでテーマと空間的コンセプトがリンクしながら、本という媒体を通して明確に表現されている。
随所に銭湯のなごりである洗面台や大浴場が繊細かつダイナミックに残されており、しかし内装は極めてきれいに仕上げられている。
自分も今現在空き店舗活用プロジェクトでリノベーションを行なっているが(そんなに大層なものではないが)、ここまで大胆でありながら各設備はつまることなくスムーズに動き、まるで新築のような挙動をする。そこには一切の誤差が許されず、銭湯のコンセプトを残す繊細さが要求されたのかと思うと、空間を眺めながら震えるほどであった。
試しに1時間ほど、閲覧スペースで本を読んでみたが、とにかくひたすら読めるように思われた。それは空間の赤と銭湯の灰色がうまく調和していることも一つの要因かもしれない。
それまであまり建築物を見にいくことに興味がなかった私であったが、もう一度訪れたいとつよく感じたし、地元にもこうした場所がほしいと感じた瞬間だった。
以上、1日目〜2日目に見た建築についてお話しさせていただきました。自分が思っていたより長くなってしまったので、3日目〜4日目に関しては、また後日書かせていただきたいと思います。
それではここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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