「替えが利くバンド」って何?

この記事は揚げ足取りでしかないかもしれないし、私の性格が悪いから思うことかもしれません。
でも読む度にもやもやしていたことなので文章に残します。

音楽雑誌などのライブレポートを読んでいると
「このツアーを観て○○は替えが利かないバンドということを強く実感した」
というような意味合いの文を見かけることがあります。
この表現私はどうかと思う。
特定のバンドを指して「替えが利かない」と言ってしまうと、そうではない、つまり「替えが利く」バンドもいると取れてしまうんですよ。
私はそうは思わない。
「替えが利く」バンドなんてこの世に1組も存在しないと思う。

私は「替えが利く」バンドなんていないということだけ言いたかったのでここから先は蛇足めくかもしれない。

ライターは何を持って「替えが利かない」としたのでしょう。
私が体験したことを含めて振り返りたいと思います。

1.「○○っぽい」
私が生まれて初めてハマったバンドはスピッツです。
スピッツ以外のバンドも聴こうと思いたち、「スピッツ 好き バンド」などで調べたこともありました。
そうしたら出るわ出るわ「スピッツっぽい」バンドの紹介記事。
純粋だった私は紹介文を読み、この人たちはスピッツっぽいんだなあ〜と思い曲を再生しました。
…ん?
スピッツ…っぽい?
…????
確かに彼らは「スピッツっぽく」はありました。
でも私が求めていたのは「スピッツ」でした。
「スピッツっぽい」バンドなら好きになれるかもと考えていましたが、「ぽい」ことを前提に曲を聴くと、本家との違いで拒否してしまうのです。
「スピッツ」を求めていた私に「スピッツっぽい別のもの」で誤魔化そうとしても違和感が生じるだけです。
どんなに「ぽく」ても本物じゃないのです。
当たり前です。
同じ人間が存在しないように同じバンドも存在しないのだから。

ただこの「ぽさ」が前提になければ良い方向に働く場合もある…かもしれない。
私はベランダというバンドが好きです。
結論から申し上げるとベランダはスピッツファンが好感を持ちそうなバンドです。
興味を持ったきっかけはSpotifyのDaily Mixに「Let's Summer」という曲が挙がっていたことでした。
なんとなく再生してみました。
イントロのギター。
すぐに心を掴まれた。
こういう音めっちゃ好き。
他の楽器が入ってからも「良い」という確信は薄れなかった。
それだけにボーカルの声を聴くのが怖かった。
音が良くても声を受け入れられなかったらすべてぶち壊しになってしまうから。
歌が始まるまでの12秒間、私はとても緊張した。
「ワンダーランドの成れの果て」
歌が始まった。
私の心配はすべて杞憂に終わった。
好きな声だった。
慣れないうちからそんなことを思ったのは草野マサムネ以来だった。
今になって思うと私はベランダにスピッツっぽさを感じ好きになったんだと思う。
でもベランダとの出会いはSpotifyによるもので、「スピッツっぽい」ことが前提にはなかったから、自然に受け入れられた…のかなあ。
紹介記事とかで見つけてたらどうだったんだろう。
ベランダなら素直に受け入れられたのかな。
わかりません。
1つ言えるのは、ベランダにスピッツっぽさは感じてもスピッツの「代わり」を押し付けてはいないことです。
ベランダはベランダとして好きです。
スピッツを連想することもありますが、スピッツとは関係ない独立した1つのバンドとして好きです。
スピッツを欲するときはスピッツを聴くし、ベランダを欲するときはベランダを聴きます。
以上です。

https://open.spotify.com/album/24zBUaMhsSWGJs6S3KAwTN?si=PB5_mwB9T2aXB4vSMetekA

https://open.spotify.com/album/3HlgzQGFviaV7EJroKnjbG?si=yorBSf8vTByleuUo1jDAvQ

2枚とも名曲揃いなので全員聴いてください。

なんか想定していたより長くなったしまとまりもない。
シーンに与えた影響とかも考えられるのかなあなんて想像もした。
でも私は音楽シーンに疎いのでわかりません。

私は替えが利くとは「心の居場所」についてと解釈しています。
替えが利くバンドなんてありません。
もともとすべてがオンリーワンなのです。

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