見出し画像

二次創作における18禁作品の検索避けの是非について

はじめに

最近、凄まじい勢いで呪術廻戦が流行っている。
私も友人も大ファンのジャンルであるので、
その波を実感している所である。
しかし、どのジャンルも流行りに伴い、ファンの懐の深さや常識力が試されることが必至なのだ。

現在、当ジャンルも二次創作の検索避け、実在する単語の使用についての指摘があり、大いに議論されている案件がある。

私は、「別の検索避けの単語を考えることが望ましい」と思っているのだが、以外にも、そうではない意見も多々見受けられた。
なので、私はこの場で、何故、検索避けの単語を考えた方が良いのか、述べようと思う。

まず、実際に高等専門学校に在学されてる学生が困っているのだ。多大な迷惑を被っている。
これが大前提だ。

それもそうだろう。
皆も「# 春から〇〇生」と学校名を入れたハッシュタグを用いて友人探しをするだろう。有名校は一時期、Twitterのトレンドにも上がったことがある。学校名を入れて検索することは、もはや自然なことだ。そして、全国の高等専門学校に在学する学生が用いている略称が昔から高専だったのだ。

高等専門学校(こうとうせんもんがっこう)は、後期中等教育段階を包含する5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関と位置付けられている日本の学校。一般には高専(こうせん)と略される。
(Wikipedia)

高専の略称は一般的に高等専門学校を指す。
呪術廻戦の高専だけを意味する略称ではない。

それをなおざりにし、「Instagramや他のSNSで探したら?」は、あまりにも我が儘、理不尽極まりないだろう。


さらに留意すべき点は、進路を決めている未成年の受験生が、インターネット上で高専のことを検索すると、もれなくR-18作品が出てくることだ。

これは何もTwitter内だけの話ではない。Twitterに投稿された画像は、Google、Yahoo!等で検索しても出てくるのだ。「ミュートしろ」という問題ではなく、単なる事故でも済まされない。青少年保護育成条例の観点からも看過できない案件なのだ。

こう考えると、背筋がゾッと凍らないだろうか?
学校の資料請求や学校の情報を知られる手段の主流がインターネットであるこの時代に、受験生である中学生が調べないとでも思ったのだろうか?

高等専門学校を検索するのは、進路を気にし始める中学2年生(14歳)~高専5年生(20歳)までだろう。
あなた方が趣味で描いている作品は意図せずとも、大半の未成年の目に見える形となる。

文部科学省HPより、高等専門学校は全体で約6万人の学生が学んでいるそうだ。在籍していないだけで、検索者などそれ以上の数だろう。
未成年も含まれる6万人以上の人達に、R-18のBLを見られていると想像したら背筋が凍りませんか?

純粋な気持ちで高専を検索した人は「見せられている」と、お思いになるでしょう。環境型セクハラとみなされても不思議じゃないかもしれません。

また、青少年愛護条例より抜粋しますが、

(青少年の保護のための努力義務)

第9条 何人も、その内容の全部又は一部が次の各号のいずれかに該当するため、青少年に観覧させ、見せ、読ませ、又は聞かせることがその健全な育成を阻害すると認められる興行、図書類、広告物その他のものを青少年に観覧させ、見せ、読ませ、又は聞かせないように努めなければならない。
(1) 著しく性的感情を刺激するものであること。
(2) 著しく粗暴性又は残忍性を助長するものであること。
(3) 著しく恐怖心を与えるものであること。
(4) 犯罪を誘発し、又は助長するおそれがあるものであること。
(5) 自殺を誘発し、又は助長するおそれがあるものであること。

R-18を描ける成人の創作者は、著しく性的感情を刺激するものは、青少年に観覧させ、見せ、読ませ、又は聞かせないように努めなければならない立場なのである。コミケ等でも年齢確認を行うでしょう?本来ならば検索避けをしなければならない立場なのだ。

未成年だと青少年保護育成条例に反する行為とみなされるかもしれません。
今回の件はそれほどの事態なのです。


改めて、二次創作の本質について考える。

二次創作とは、既存の作品を利用して、二次的に創作された作品などの総称であり、著作権者の許諾を得ていない場合を仮定して、二次創作物を作成した場合、著作権侵害となり得る。 (Wikipedia)

二次創作はそもそもが「黒に近いグレーゾーン」であり、公式の寛大な配慮によって黙認されているジャンルなのだ。
実際に訴訟に発展したジャンルもある。

そんな不安定な立ち位置の人間が、一般の学生相手に「そっちが配慮しろ」「Instagramや他のSNSを使えばいい」「Twitterは自由に発信できる場」等、安易に叩けるものではないだろう。

あなた方の絵や小説は、公式の寛大な配慮によって黙認されてる"黒に近いグレーゾーン"ということをお忘れでしょうか…?

古のオタク達はそういうことを分かって、
せめて公式運営に迷惑は掛けまいと、
検索避けや呼び方を考えて棲み分けていたはず…

時代の変化といえば、そうなのだろうが、
他人の著作物を扱って商売させて頂いている以上、
大人の創作者側にも配慮する努力が必要で、
お互い歩み寄るべき案件なのではないだろうか。

未成年の学生に支障をきたしている以上、R-18を趣味として描いている大人の創作者側の配慮が十二分に必要であると私は考えている。

公式運営の耳に苦情が届き、今後の創作活動が禁止されるかもしれない由々しき事態だ。いま一度、二次創作の定義について各々見つめ直す機会なのかもしれない。



(注1)これはあくまでも私個人の意見である。乱筆乱文失礼致します。
(注2)今回議題に上がったR-18二次創作を書いている者は、もちろん成人済だと仮定して、大人の創作者と表記している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?