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つわりと不安と母子手帳

妊娠2か月のころを振り返ってみる。

これが噂の

いちばん最初の妊娠の兆候は、熱っぽいこと、いつもの生理より胸が張ることくらい。10月だったのもあり、季節の変わり目の不調として片づけられる程度だった。噂によく聞く“つわり”は、診察で妊娠が確定した次の日にやってきた。朝4時半に、空腹に堪えきれず起きたのである。食べつわりだった。

私は朝がとんでもなく苦手なロングスリーパーのため早朝に起きることは稀で、夫はちょっとびっくりしていた。(甘いものをつまんで、炊飯器におかゆをセットしたらまた寝たけど。)

この時点で妊娠6週。まだ始まったばかり。

幸せとか楽しみとかより

初診では小さな“点”だったお腹の子は、翌週にはクリオネのようになっていた。とはいえまだまだ小さくて、私はいつ消えるともしれない命に怯えていた。

トイレに行くたび血が出ていないか恐る恐る確認していたし、ただの腹痛も胃腸によるものか子宮内によるものか分からず不安が渦巻いた。胎動が分からない妊娠初期のうちはずっとそんな調子で、これがどんな体の不調よりも辛かった。

「女の子と男の子どっちが良い?」「健康であればどちらでも」という定番(?)のやりとりがあるけれど、そりゃそうだ、と思う。病院へ行かなければお腹の子の生死すら分からない状態が数か月続くんだもの。性別なんて気にしてる場合じゃない、となるのも納得だ。そもそも受精の瞬間に性別はすでに決まっているから、希望を言ってどうこうなるものでもないのだけど。

持ち歩けって言うは易し

この頃から不満に思っているのが、常時携帯を指示される母子手帳のこと。初診時に医師から母子手帳をもらってくるように言われ、わりと早い段階で役所で交付を受けたのだけど、これを持ち歩くのが小さなストレスになっている。

私の自治体の母子手帳はB6サイズ、単行本(四六判)を少し小さくしたくらいの大きさだった。妊娠経過などを記録する母子健康手帳と健診補助券が綴られた冊子がセットになっており、厚さ約1.5cm。

普段から大きめの鞄を持ち歩いている人は気にも留めないかもしれないが、私は常日頃“身軽”を意識して少しでも手荷物を減らそうとしていた人間なので、どうしても抵抗がある。お気に入りの小さい鞄を身に着けるのはしばらくお預けになってしまった。

自分がもし事故にあった際に母子手帳がないことで処置が遅れることも考えられるし根が真面目なので言われた通り持ち歩いてはいるけれど、「食事バランスガイド」とか「歯の生える時期について」とかのページを見ていると、それ持ち歩く必要のある情報か?と思ってしまう。そういう情報は別冊にして、緊急時に必要な情報だけ持ち歩かせてほしい。そもそもペーパーレスやデジタル化の時代にこんな紙ベースでいいのか?

もっとも残念なのは、「母子健康手帳」という名前なのに「母(となる人)」の視点が欠落しているように思うこと。実際に使用する人の視点に立って考えたら、違う形になっているはず。こういうところにも少子化の原因が潜んでいるように感じてしまうのは、ちょっと大げさだろうか。

自治体によっては、すでに母子手帳アプリを導入しているところもあるらしい。いいなあ。紙の手帳を持ち歩かないという選択ができるようになるならどんどん広がってほしい。

次回、つわりのピークを迎える妊娠3か月

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