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「児童の性的搾取」の誤謬と禁圧の顛末

2022年1月21日
全面的に改訂。

この記事の参考元などはうろ覚えで書いているので、記述に間違いがあるかもしれません。それを理解したうえで閲覧なさってください。「ここ間違ってるよ」という指摘は大歓迎です。ジャンジャンしてください。



  • 2020年、Twitterで児童の性的搾取に関するポリシーが改定された。

    児童の性的搾取に関するTwitterポリシー | Twitterヘルプ
    それによると、

    Twitterは、児童の性的搾取に関するポリシーに対し、例外を認めません。
    Twitterでは、児童の性的搾取に該当するコンテンツやこれを助長する行為を一切禁止しており、非常に深刻なTwitterルール違反とみなします。これには画像/動画、テキスト、イラスト、コンピューターで作成した画像が含まれます。児童の性的搾取についての表示、共有、またはリンクを貼ることは、その意図にかかわらず、描写された児童の再犠牲者化につながります。児童の性的搾取を助長または賛美することで児童を危険にさらしうるコンテンツも同様です。このポリシーの解釈において、未成年者とは18歳未満の者をいいます。
    としている。
    同様の取り組みはFacebookも行っており、独自のページまで作られている(尚、しれっとECPATのサイトが書かれていることにも注目したい。日本にECPATの関連団体は2通りあり、比較的ラディカルな主張を行うECPAT JAPAN(典型例:児童買春・児童ポルノ禁止法改正を求める要望書を提出しました | ECPAT/STOP JAPAN (ecpatstop.jp) など。何かと悪名高いぱっぷす (相談するとハ〇ゲームなんかの出会い厨のように会え会えと言われるぞ) も加担している)と、それよりももっと穏健なエクパット関西(漫画・アニメの性表現規制に反対していた団体である)も存在する)
    安全に利用するために - 児童の性的搾取をなくす (facebook.com)
    然し、児童の性的搾取という言葉が、特定のイデオロギーに誘導するための用語だとしたらどうだろうか?

ジュディアンヌ・デンセン・ガーバー。彼女は女医であり、薬物依存症の治療施設「オデュッセイ・ハウス」の設立者である。

時は1970年代米国。当時の米国は幼児やティーンのヌード画像が数多く流通しており、ジュディアンヌ・デンセン・ガーバーはトランク一杯に詰めたキディ・ポルノが含まれた本や雑誌を議員に見せた。それから議員に自らの持論を述べ、最終的に「このようなものがあるのに規制されないのはどういうことだ」形式で詰め寄ったという。

規制すべきと主張している人間がなぜこのようなものを所持するのか、というのはさておき、デンセン・ガーバーはロビイングを積極的に行い、米国議会にも登場した。

「児童の性的搾取」という言葉は彼女が発端だが、フェミニストのパット・カリフィア (当初はレズビアンだが、後にFtMとアイデンティティを変えている。その顛末は『セックス・チェンジズ』を参照のこと) は「物事をややこしくさせる」「こんなこと言われたらポン引きに利用された子供しか想像しない」と批判しているし、彼女は著書で「その実十代の少女を虐待している」としている。

当時それを扇動したのは、ニューヨーク・タイムズといったリベラル紙も含むマスメディアと、数々の法を立ち上げた議員たち、それにカトリックだった。後にカトリック教会での組織的な性的虐待が発覚することを思えば、ある意味 (無意識に従ったという意味では) 非常に人間的である。

詰まる所一種のモラル・パニックであるが、それが何をもたらすかを、理解できているようには到底思えない。
事実、米国の法律を扱った新聞「プリズン・リーガル・ニュース」は2010年に「児童ポルノ捜査は無実の人間を罠に掛ける可能性」といった記事を書いているし、16歳未満と性行為をした者を重罪とするキルディ・マーフィー法の発起人の一人であるジョン・マイケル・マーフィー(John Michael Murphy)は、FBIによって70~80年代に行われたおとり捜査、アブスキャム(ABSCAM)により賄賂を受け取ったとして失脚しているという事実がある。
このような推定有罪、ピューリタン村の思想と、#MeToo、フラワーデモは非常に相性がいい。傷を癒すのはフェミニズムではない。フェミニズムに救いを求めたら、それは自己啓発セミナーかカルトだ。

序に、私は性的合意年齢の引き上げにも反対だ。気持ちは解るが、それは現実的な身の守り方を子供やティーンに教えない大人の責任だと思う。性的合意年齢の引き上げは全ての子供、思春期後期の少年少女と幼児を十把一絡げにしてしまうし、性行為をしたいという子供の自由意思は無視されてしまう (もし、子供に性欲はないという立場を取るならば、偽善的なヴィクトリア朝の規範の焼き直しである)。


参考書籍・サイト

『性表現の刑事規制 アメリカ合衆国における規制の歴史的考察』三島聡著 (書籍内に「70年代に子供のヌードが数多く出回った為に規制された」旨の記述がある)
『パブリック・セックス 挑発するラディカルな性』パット・カリフィア著、東玲子訳 (Amazonでは高値で転売されているので、図書館を当たってみることをお勧めします)
Panel Told of Parent Involvement in Child‐Sex Trade - The New York Times (nytimes.com)
Judianne Densen-Gerber (nih.gov)
Exhibit A – the “child pornographer” | a barrister's wife (wordpress.com)
Child Porn Investigations May Snare the Innocent | Prison Legal News
Possession, Production, or Distribution of Child Pornography | The Marshall Defense Firm (ワシントン州の弁護士事務所のホームページ)



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