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みんなで理想の世界をつくろう

こんにちは。かふぇおれ。です。
昨日は17時からバイトがあったので、昼から外出していました。向かった先はブックオフ。

わたしは読書が趣味で、年中何かしら本を読んでいます。
最近読んだ本は吉川トリコの『女優の娘』。これもブックオフで購入したもの。

『女優の娘』 吉川トリコ ポプラ社

あらすじはざっとこんな感じ。

アイドル(主人公・斉藤いと)の母が亡くなった。
その亡くなった女は、かつて一世を風靡したポルノ女優・赤井霧子だった。「赤井霧子の映画を撮りたいから、案内人になってくれ」そう言った映画監督・小向井。斉藤いとは映画の撮影を通して母と、ポルノ女優と、赤井霧子とどう向き合うのか───────。


アイドルの母がポルノ女優。娘は母と向き合うことが出来るのか。親子で芸能活動をする人が増えている今の時代に投げかける問いとしては、なんと鋭くて厳しいものか。最初は斉藤の怠惰な感じがどストライクに伝わって、一気に作品の雰囲気にのまれる感覚があった。

ポルノ女優の娘であることが事務所の社長にバレ、メンバーにバレ、ファンにバレた。メンバーからは「社長が気にしてた理由が分かった」とか、「いとはなんか、違ったもんね、そっか」などと意味のわからない納得を勝手にされた。社長にも今言ったのに、気にしてたもクソもあるのか。
知らないものをよく調べず勝手に納得して勝手に人間関係に壁を作るのはよくあることだが、こんなにもはっきりと作る場面を見てしまうとやはりなにか引っかかる。

中盤に差し掛かると小向井監督と映画を撮り始め、母ではなく”赤井霧子”の関係者と会う事になる。その大ボスがやはり実力派大物女優。女優から見た”ポルノ”女優がいかに演技の質が悪いのか、がよく分かり、赤井霧子が同業者(女優とポルノ女優は同業者なのか……?)からは好かれていないことがなんとなく伝わった。

終盤は斉藤が”母”を見失ってしまい、困惑している中、メンバーの熱愛報道が週刊誌に。まさに踏んだり蹴ったり。音信不通。完全なる失踪。オタクの力を借り、なんとか居場所を特定するも、なんと声をかければいいのか分からない。そんな中、メンバーから「アイドルを続けたい」の声を聞いてひとまず安堵。

     #アイドルだって人間です

作中に登場したこのハッシュタグは、現実にも関係あるものだと思う。現に、アップフロントのハロープロジェクトは、恋愛禁止。元Juice=Juiceの高木紗友希は、大人気歌手との熱愛報道が出て脱退。高木にグループ脱退までさせて(これは本人の意だが)、わたし達ファンから高木の歌を奪っておいて、その歌手はまだ活動を続けているのだから不思議だ。はやく引退すればいいのに。

現実でも作品の中でも、こんな時に投げかけられる声は、「せめてバレないようにやってくれ」。
インターネットに上がっている写真を勝手に漁り、勝手に匂わせだのなんだの考察しているのはどこの誰だよ。おめーらだろうが。
は?ふざけやがって!好き勝手言ってんなよ!
と、思うのだ。わたくしは。

少し過激になってしまったが……、わたしは恋愛禁止反対派。理由はアイドルの幸せを願っているから。それ以上もそれ以下もない。それでは駄目なのだろうか?

ここ数ヶ月で紆余曲折あった斉藤が出した答えとは、アイドルを続けること。引退でも、女優に転身するでもなく、アイドルを続ける。この答えを出すのにどれほど悩んだのかなんて、一読者のわたしには分からない。でも、良いんだと思う。斉藤がその答えを出したのならば、斉藤がそれが一番良いと思ったなら。

この本を読んで、アイドルに、芸能人に、人に優しくできる人が増えてくれれば、良いのだろうか。正直わたしは到底できると思えないが。


全人類が笑顔になれる世界が訪れますように。


それではこのへんで。

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