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【育児】おむつ替えはゲームである

小さいころ、私は狂ったようにゲームをし続けていた。
当時、ゲームキューブで発売された「大乱闘スマッシュブラザーズDX」というゲームをしこたまやってほぼ全クリした。テレビが使えなくなればゲームボーイアドバンスの「パワプロクンポケット6」をやり、選手育成モードの「サクセス」で彼女と遊び続けた結果オールFの選手が完成し「”サクセス”なのに全然成功していない」という悲劇を何度も引き起こしてきた。

ゲームは基本的に序盤が簡単で、徐々に難しくなっていくものだ。
「たけしの挑戦状」などの鬼畜難易度ゲームは別としても、序盤の課題はさほど難しくはない。
レベルを上げたり武器を強くしたりしてより強い敵と戦う、というのが一般的だ。

これは育児も同じである。象徴的なのはおむつ替えであろう。
赤ちゃんはだいたい2~3歳くらいまでおむつをしているものだ。生まれた当初はあまり動かずほとんど眠っているため、骨などが未発達な足などの持ち方に気を付ければ、おむつそのものを替えるのはさほど難しくはない。

これが成長してくると、難易度は徐々に上がる。
寝返りを覚えると、おむつをかえようとしたときにくるりと回転してしまい、あら不思議、床がかぐわしくなってしまうことがある。
つかまり立ちをするようになると一瞬で体を回転させるようになるため、もはや寝転がっておむつを替えるのは難しい。何とか立ってもらい、オムツを替えることになる。
歩くようになると、静止しておむつを替えることすら赤ちゃんは許してくれない。自由に移動するため、おむつをとって歩き始めてしまうと「糞尿垂れ流しフェスティバル」が突然開催されることになる。

こんな風に考えると、おむつ替えはゲームに似ている。最初は簡単だが徐々にレベルが上がり、もはや寝転がしておむつを替えるスタイルですらなくなっていく。
逆にプレイヤーである親は、おむつ替えという「敵」が強くなる中でレベルを上げていないと、もはや太刀打ちできなくなるということでもある。ゲームのように敵の弱いダンジョンに戻れるわけでもなく、やり直しがきくわけでもない。おむつ替えは「前のステージには戻れないゲーム」なのだ。

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