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私はうどんが食べたいので反「反小麦」である
最近、右寄りの人たちの中で「反小麦」の主張を展開している人が結構いる。「日本の伝統的な食事はコメであり、小麦ではない!」みたいなやつである。
確かにそうなのかなとは思うのだが、よく考えてみると伝統的な食事って何だろうという話になる。
古典落語なんかでもうどんを題材にした作品があったりするし、少なくとも江戸時代からうどんが存在していたとみられるわけだ。なら十分伝統的じゃないの、という気もする。
健康に強く結びつくだけに、食事に関する主張は特にいろんなものが出やすいものだ。「あれを食うとがんになる」「これを食うと早死にする」とかは流行りやすい。
「小麦悪玉論」というのを主張するとなると、パンとかパスタはもちろん餃子とか、揚げ物にだって小麦粉をまぶすときもあるし、結構なものが食べられなくなる。
そして個人的に譲れないのが、「うどん」である。
うどんについては個人的にはまあまあこだわりがあるのだが、このうどんが食べられないというのはいただけない。仮に小麦が体に悪かったりしても、無視して私はうどんを食べるだろう。
うどんはこの世界の食べ物の中でもトップ3にうまい食べ物だ。
特に今みたいな寒くなってきた時期にあっては無茶苦茶うまい。かけうどんにネギを乗せて食うだけでうまいのだ。世にはびこるファストフードのなかでも、質や量、そして値段の面で最もすぐれたものだ。
最近のハンバーガーなどは量の割に高いことも多い。大した量でもないのにセットだと800円もしたりしてさらに大したうまくもないので、インフレとはいえおよそ受け入れられる質・量ではない。最近ではすっかり足が離れてしまった。
小麦はダメだ、といって一切それを絶つことと、それによるストレスを勘案した時、一体全体どちらのほうが健康的なのだろう、という思いになる。
結局だれでもうまいものはうまいし、たとえ「体に悪い」としても食べたいときに食べたいものを食べるくらいのゆるさがあっていいと思う。
食事に関する情報発信をするのは自由だが、それを真に受けてゼロか百かで判断してひとに行動させたところで、人生にとってそれは個々人のプラスになるのだろうか。食について行き過ぎた主張をみるにつけ「そんなもんかなあ」と寒空の下でうどんをすするのである。
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