見出し画像

転職物語⑨ ㋭面接とかをして内定をもらう⑶

加えて、言葉で色々と伝える経験は、当たり前だが多い方が絶対にイイ。友達に「こうしたい」「ああしたい」と喋るも一つだし、とにかく面接は練習あるのみである。日々の会話もその練習になっているから、形式に拘らず自分のビジョンとかそういうものをアツく語れる友達を作っておくとやりやすいと思う。

ただ、昨今の友人というのは極めて薄っぺらい話しかできないことが多いように思うし、何よりそういう人生観とかいったところまで考えている若者があまり多くない。考えることを放棄して眼前の快楽に身を委ねている。

「類は友を呼ぶ」というが、何よりまず自分自身が考えることを放棄しない人間にならねば、恐らく自分のビジョンとかを共有してくれる人間など現れることはない。

幸い私はそういう熱い友人が多いからその練習には全く困らなかった。「人生とはこうあるべきで…」とか、「こういう生き方が望ましいのであって…」とか、そういう話を延々と出来る友人に恵まれているわけだ。

この事実は、私の人生の中にある最上の幸せの一つだと思う。言うまでもないが面接のときには最低限マナーを守っておかねばならないけれども、私は実際の面接では、とりあえず熱意だけで押していった。

そうしたら何か受かったのである。結局、二卒であれば理屈ではなく気持ちで押し切ると何とかなるものだと気づいたのである。

コンサルなんかは話が別だろうが、普通の企業だったら気持ち先行でもいいのかもしれない。私は結構理屈でああだこうだとモノを述べるタイプではあるのだが、やりたいと思う仕事をやるためにウマいこと演じきってしまったのが逆に功を奏したらしい。

人間は大概気持ちで動く。正論で人は動かない。

例えば、ダイエットせねばならないという目標があったときに目の前に大好きなハイカロリー食材が出ていたとする。このとき、「食べたい」と思うのが人の気持ちであるし、理性は「決して食べてはならぬ」という命令を下すわけである。

この対立構造の中にあっては理性による「決して食べてはならぬ」という命令があっても、最後の最後は大概「意志の弱さ」を言い訳にしてそのハイカロリー食材を食べてしまうのである。

人間そんなもので、ダイエットをするという目標からすれば理性が命ずることの方が正しいのに、実際その行動はとらない、ということがしばしばある。

その理性を支えるのが意志の強さと危機感である。つまり、「絶対にダイエットをするぞ!」という意志と、「今200kgあるし痩せないとマジで死ぬかもしれない(時々なんか呼吸も止まるし)」という危機感といえば分かりやすいだろうか。

そういうものがあると人は動きやすいし、志望動機などの諸々の言葉も自然と溢れ出てくる。私も志望動機は(危機感が強かったせいか)素直に出てきた。まあ、年齢が若いというのも、結果としては功を奏したのであろうと思う。

同じように銀行に勤めていて、それなりに若い人の中には何らかの耐え難い不満を抱えている人も多いだろうと思うが、そういう人はぜひとりあえず転職をしてみるというのをおすすめしたい。

先に述べた㋑~㋭の段階のどこでやめてもいいと思うし、そのまま突っ走ってもいいと思うし、やってみてどこまで出来るのか、を試してもいいのではないかと思うのである。時間ばかり徒に過ぎていく中で、やらないことを悔やむのはどうにももったいないように思う。どうせ自分だけの失敗である、失敗しても何にも恥ずかしいことはない。

内定が出ると、一応形の上で書類の授受が行われる。まあ、新卒の時にもあったようなアレである。内定が出たときに途端に書類に縛られる感じはなかなか懐かしい。まあ、「これでひとまず一安心!」…と行かないのが、転職活動の厳しいところである。難攻不落の要塞が次に待ち構えている。(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?