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「おはスタ」のテンション

平日少し早起きをしてテレビをつけると、テレビ東京では「モーニングサテライト」という朝の経済情報番組がやっている。
寝ぼけた目で漫然と眺めていると、7時過ぎになると突然「おはスタ」という子供向け番組がスタートする。

毎度、あの切り替わりにテレビ東京の振れ幅のでかさを感じざるを得ないのだが、同時に「おはスタ」を見るたびにそのテンションの異常さが目に付く。

7時台にやっている生放送の番組はニュース番組がメインで、テイストとしては「きょうもいってらっしゃい」といった調子で、爽やかな出勤をサポートするようなものがほとんどだ。

しかし、「おはスタ」は違う。爽やかな出勤をサポートする気もなく、ただただMCの大人たちが落ち着きなく動き続けてジャンプをしたりするなど異常なテンションの高さを誇る。カメラに映った瞬間、出演者の人も目がバキバキになるのである。スイッチを入れるといってもいい。
そして、そういったテンションから生まれる圧倒的なパワーでとにかく進行していくスタイルである。

総じてカンペを読んでいるためか非常に早口になってしまっており、大半が聞き取れない。そのためこちらが置いてきぼりになってどんどんと次のコーナーが一方的に始まり続けるようにみえ、番組の行き当たりばったり感を演出している。

いまでこそおはスタのパワーに圧倒されているのだが、子供のころはあれでちょうどよかったのだ。
むしろ、ニュースの淡々としたテンションこそ「つまらない」ものだった。

年を重ねると、ニュースくらいのテンションで生きている大人たちが大半なのだということがわかる。逆に「おはスタ」並みのテンションで生きている大人は(いるだろうけど)相当元気な人である。
「おはスタ」よろしく、大人になってからスイッチを入れて目をバキバキにすることなどあっただろうか。経験は重ねても、振り返れば凪の人生である。

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