ファンタジー

僕の住むこの街が、例えばそう、魔法都市だとする。僕はきっと一生懸命勉強する。英語みたいな難しい古代文字とか、数学みたいに複雑な魔法式とか魔法陣があるとしても、負けずに勉強する。7組の野中みたいな天才もいるだろうけど、僕は野中よりも上手に魔法を使えるんだ。別に例えばだからいいだろう。
それで、そのまま研究者になってすごい研究をするんだ。新しい魔法の特許をとったり賞をとったりして、お金もいっぱい集める。それから、弟子を大量にとって、社会からも評価されるようになるんだ。
ここからが大事。僕は、一部の弟子と一緒に、闇の魔法の研究を始める。闇の魔法っていうのは、とにかく、人を殺したりする悪い魔法っていうことにしておく。
それで僕は魔王になるんだ。飛びすぎ?例えばだからいいの。それで僕は世界を滅ぼすんだ。ひとり残らず人間を殺すんだ。
昨日死にたいって言ってた母さんも、入院中の父さんも、いじめられてるあの子も。そして、紐がちぎれたせいで痛む首を抑えている僕も。ひとり残らず人間を殺すんだ。
例えばなんだけどね。