むだい

つまらない大人になりたくなかった。
甘やかされた子供にもなりたくなかった。

郊外の駅で電車を待ちながら、雨降る音を音楽で掻き消している。その瞬間に苛立って、昨日君とした話を咀嚼する。

コンビニに入って500円の無駄遣いをしたり、時間を勘違いして大焦りで電車に飛び乗ったり、そんな欠陥が愛せるわけがなくて、
お金がないから働いて、認められないけど勉強した。君が言う「必要のない苦労」だ。

そう生きたから仕方ないのだから、せめて今までの過程は僕に許させて。
地獄への道が善意で舗装されていたとしても、苦労した結果厳しい人にしか出会えなくても、それが世界のすべてだなんてまだ思いたくないのだけど。

過去を捨てるのは怖いのでした。
過去を重ねるのは怖いのでした。

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