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2024.5.17〜主に読書の内容の要約と感想の記録です。 マイペースに更新しています…

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2024.5.17〜主に読書の内容の要約と感想の記録です。 マイペースに更新しています。内容は全て個人の感想です。 ヘッダーは実家の愛しき文鳥です(愛称:トリちゃん)。 自発が苦手です。お気軽にコメントやフォロー、いいねしてください。励みになります。

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君たちはどう生きるか(1982)②

この記事は、君たちはどう生きるか(1982)①の続きになります。 よろしければそちらもご覧ください。 ※この記事は、物語の内容の主要な部分を引用して言及しています。 閲覧の際はご自身の判断でお願いいたします。 4.貧しき友 冬のある時期、コペル君はよく居眠りをしてまで学校に来る浦川君がニ、三日学校を休み続けていることに気が付く。 放課後、北見君からのフットボールの誘いを断って、浦川君の家にお見舞いに行くことにした。 浦川君の家は、コペル君のお父さんのお墓がある墓地の近く

    • 君たちはどう生きるか(1982)①

      著:吉野源三郎 おすすめ度:★★★★★ 中学二年生のコペル君とあだ名のついた少年が、様々な経験を通してよりよい生き方を学んでいく物語。 コペル君の経験譚、そして彼のおじさんがその出来事を通して、いずれコペル君に伝えたいことを書き留めたノートの内容、という構成で進んでいく。 追記: この物語を読んで、そして今この文章を書いていて思うが、この本の構成はすごい。 コペル君のその身に起こることと、叔父さんのノートの内容というのが密接に関係づけられていて、無駄がない。 計算されつく

      • ハリネズミの願い(2016)

        作:トーン・テレヘン 訳:長山さき おすすめ度:★★★★★ 臆病で気難しいハリネズミが、ヒキガエルやクマ、その他多くの動物たちを自分の家に招待しようとさまざまな考えを巡らせる、短い59章からなる物語。 とても読みやすく内容も興味深いが、このハリネズミの気難しさ・ネガティブさは他の物語ではなかなか見ないレベルだ。 この本は、一見子供向けの童話ではないかという期待をさせる外観ではあるが、大人向けの童話である。 それも、 人と関わりたいけれど、どう思われるかが怖い。 人と

        • 注文の多い料理店(1996)

          作:宮沢賢治 評価:★★★★★ 宮沢賢治の短編集。全部で9作の童話が収録されている文庫本を読んだ。 この間、ふと昔からずっと有名な作者の小説も読んでみたいという気になって、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を読んでみてから、すっかり彼の作る話が好きになってしまった。 彼の作る話ももちろんだが、特に言葉選びや比喩表現がとても好きになった。 透き通るような、きらめくような、うっとりするような言葉遣い。 もう少し例えるならば、長い時間山道を登ってへとへとなときに見つけた、つめたい湧き水

        君たちはどう生きるか(1982)②

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          賢者の書(2009)

          作:喜多川泰 評価:★★★★★ この本には、できるだけ早く出会いたかった。 がしかし、まず今出会えたことを感謝したい。 主人公サイードは、ある時祖父から、人生の成功のために必要なことを学ぶため、9人の賢者を探す旅をするように伝えられ、賢者の書を譲り受ける。 賢者の書の中には何の文字も記されていない。 出会った賢者からの教えは、パズルのピースとしてサイードに与えられる。 賢者の書の表紙にある枠にピースをはめると、白紙だったページに教えの文言が浮かび上がる。 9つ全てのピース

          賢者の書(2009)

          LISA:The Painful

          制作:ディンガリング・プロダクションズ 評価:★★★★★ ※ほとんどネタバレです。 避けたい方はブラウザバック。 女子供がいなくなった世紀末の世界に、突如現れた赤ん坊。 そこに偶然通りかかったジョンはその赤ん坊が女の子だと知る。 もっと良い暮らしができるように軍隊に知らせようという仲間の提案を断り、ジョンは女の子をバディと名づけ、自分の手で大切に育てると決意する。 バディはすくすくと育つが、人目を避けるため外には自由に出られない毎日に涙する日も多かった。 そんなある日、軍

          LISA:The Painful

          LISA:The First

          制作:ディンガリング・プロダクションズ 評価:★★★★☆ LISAシリーズ第一弾の本作は、全編英語の作品。 MOTHERシリーズやゆめにっき、Undertaleなどを彷彿とさせるゲームデザインや世界観。 ストーリーも少し翻訳すれば掴める。 主人公の精神世界で父親の性虐待や暴力によって刷り込まれた恐怖からの逃避、それに伴う悲しみがテーマになっている。 表立ってテーマを示すわけではなく、男性器に似たサブキャラクターの容姿や、フィールドのカオス感、父親からの各セリフなどから

          LISA:The First

          ドグラ・マグラ[上](1976)

          作:夢野久作 評価:★★★★☆ 日本三大奇書の一冊とだけあり、内容は一朝一夕では理解しがたいものだった。 この作品を初めて読んだのは大学2年か3年のころだった。その時は序盤で早々に心が折れた。 そこから7年ほど経った今、ようやく上巻を読み切ることができた。 読み切ったと言うだけで、内容がしっかりと自分の中に落ち着いたかと言えば自信がない。 そんな茫漠とした頭の中にも、印象に残った部分が一つある。 「われわれの全身三十兆の細胞は、かようにして、流れまわっている赤血球

          ドグラ・マグラ[上](1976)

          緋色の研究(2015)

          著:アーサー・コナン・ドイル 訳:深町眞理子 評価:★★★☆☆ Kindle電子書籍で拝読。 序盤にあったホームズとワトスン博士のやりとりが良かった。 謎につつまれたホームズの生態を分析しようとする博士の努力が読んでいて楽しかった。 中盤から終わりまではずっと一つの事件に関しての話だった。 事件のことになるとホームズの発言がややもったいぶりすぎと感じた。 そのせいで物語のスピード感が急に遅くなっていったように感じた。 そのため中盤から先は読むのが若干辛かった。 読後、振

          緋色の研究(2015)