ホモソーシャル、性依存、資本主義(簡易編集版)

男です。大学生になってから性に関することに違和感を抱いてますけど、中学高校の時は一切の違和感を抱けずにいました。

北原みのりさんも言ってたんですけど、現代では(爆発的にアニメ漫画ゲームラノベポルノが普及してて)男が「エロ漬け」されていて、私もそうだったんだと思います。

男性に生まれた時点で周囲の情報が女性差別を始め客体化されたエロ記号がついたコンテンツが「男性向け」としておびただしいほどに溢れているといった状況に最初から投げ込まれるんです。結局現実の差別社会の延長線上に同じく差別的コンテンツがあるわけですから、みんなほいほいと染まるんですね。

違和感を最初から抱ける人は抱けるんですけど、この男性優位社会においてそうできる男性は完全なマイノリティですね。殆どがそういうものかと無意識に染まる。昔は公で行われた女性の搾取コンテンツや表現が当たり前に横行していましたが、今ではそれがネット上に移行しただけだと感じています。そしてそこから爆発的に増加したために男性のエロ漬けが一気に進んだ、そんな印象です。ジェンダーギャップ指数も年々落ちてきてますし。

日本は人権教育が乏しいですから人権意識が醸成されていないままですし、特に子どもはお金がないので安価なものを手にしてしまいがちです。企業はそこに目をつけて、基本無料アプリが爆発的に増えましたよね。広告を見させることによって料金の代わりにしたり課金で有料のものを買う系の。サブカル系の大抵は客体化されたエロ記号が散りばめられた若い女性の奉仕をキャッチングコピーのように扱っていてまさに風俗街さながらですし、あからさまではなくとも女性差別搾取的な表現が普通です。

結局男性にとって女性を利用した都合の良い方法で気持ち良くさせられるのであれば、女性の人権などどうでもよくて、それで一定数売れてしまう女性差別的な土壌が既にありますから、そういうものを大量生産してネットにばらまけば一定程度稼げちゃう。だから女性搾取的表現がマーケティングの重要な核になってるしやめるメリットもない。(人権意識低いから酷いことやってる自覚もそんなにないし、あってもやめたら損失出るから多分しない)

つまり一息で括ると企業は社会のマジョリティの意識の増幅装置になっていて、ネットの時代になってマーケティングがより先鋭化されて、「男性が女性搾取表現で気持ちよくなる」という「サービス」を資本主義の御旗の下に過剰供給した結果、アルコールやギャンブルよりも遥かに高いレベルの依存に陥らせることになってるんじゃないかって思うんですね。

なぜならスマホがあればいつでもどこでもどれだけでも無料で触れられるんです。酒やタバコやギャンブルは多めのお金が必要かつ外出が必要など、一定程度のハードルがありますし、これらへの依存の危険性は今では広く知れ渡ってもいますから治療の道に繋がりやすい。

けど性に関してはステークホルダーが多すぎる。タバコ業界とかアルコール業界といった個別性を飛び越えて男性全体がそれですからどうしようもない。どうしようもない共犯関係共依存関係にあると思うんです。企業としては女性搾取が好きな顧客男性をあてにして利益を出して、顧客男性もそういうコンテンツに依存してそれにいつでもどこでも触れれないと満足できなくなって差別意識も高くなる。

ですから性欲への執着は男性にとって何ら本質的な性質ではなく社会文化、資本主義システムによって否応なく醸成されてしまうものだと思ってます。

そしてこの共依存関係とか共犯関係の最たる罪は差別の再生産で、男性として生まれた瞬間から社会から女性差別思想を押し付けられそれが悪いことだという判断ができないままに植え付けられる。

女性を搾取する表現を好んだり、女性に対して二次加害を好んでする男性に対しては非常に腹立たしくて腸が煮えくり返る思いが募りますが、それとは別に男性も過去の男性社会による被害者という側面があるのではとも思っています。

差別は他者はもちろん自分のことも傷付けますからね。