強い共感は嫌いを生む?

ポルノグラフィティ「今宵、月が見えずとも」。
リリースが2008年。そんなに前になる? いい曲だよね~。

と、言いつつ。「え、めっちゃ好きなんだけど」と思ったのがついこの前。USENで流れてるのを聞いてから。

BLEACHあんま読んでないし見てなかったけど、アニメでこの曲が使われているのは知ってた。てか聞いてた。

当時、曲調はかっこいいんだけど、あんまり好きじゃないなと思っていた。小学生だったし、太宰がどんなものかもよく知らなかったしね。歌詞のほとんどよくわからんくてむしろ嫌いかも、くらいの。

大人になって急に好きになる。まるでそれは苦味や辛味に舌が慣れて味わえるようになるような……。
……慣れた……? 何に?


共感性羞恥心

「今宵、月が見えずとも」。歌詞を見直した。
ほーん。要するに色々言ったりかっこつけたりはしているけど、片想いしてどうしようもないでいるわけね。痛々しいな~。

……ああ、これだよ……痛々しいんだよ……。見ていてこっちがつらくなるようなこの感じ。自分でだめだとわかっているのに見栄張ったりしちゃったりしてるこの感じ。この世などはなんて屋上あがって憂いたりしちゃってるこの感じ。
なんというか聞いててこっちが恥ずかしくなっちゃうわけですよ。多感なお年頃には。

共感性羞恥心って言うんでしたよねこういうの?
わかる~子供の頃とか特に酷かった。登場人物が恥ずかしい思いするようなテレビ番組とか、見ていられなくてテレビから逃げたよね~。
今はずいぶん慣れてそこまでしなくなったけどさ~。

……そういうことか!!!!


本当は好きだけど共感性が高すぎた

”今宵、月はどこを照らすの? 厚い雲に覆われた空
 今宵、君は誰に抱かれているのか 雨に一人泣こうか”

元凶はこれだと思う。この歌詞がだめだと思う。だって全部痛いくらい分かるというか想像できる。

この歌の主人公は愛する人を月に例えている。月のその光は「愛する人が誰かに向けている愛」だ。
でも主人公には月が見えない。厚い雲に阻まれて光は届かない。愛する人に愛されない。
誰か他の知らん奴に抱かれていることを想像して、一人で泣くことしかできない。

つらすぎんか? 多感な小学生には重すぎる感情だわ。
わかるんだよ。めっちゃわかってしまう。この出だしの歌詞だけで言いたいこと全部わかる感じる。
だからね、無理だったの。小学生の僕には早すぎたの!!!!

しかし今の僕には絶大にちょうどよかった。好きです。
やっぱポルノ最高。

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