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資本主義 vs エンジニア

以前Xに投稿したものと同じ内容です。
Xには文字数の関係でスクショだったので、文字でも残しておこうと思ってnoteにも投稿します。(他の人がまたこれをベースに改変してくれるかもしれないし)

本文

日本の郊外。フリーランスのエンジニアがいた。
日本人のエンジニアは趣味で小さなアプリを開発していた。

そのアプリはなんとも評価が高い。それを見たベンチャーキャピタリストは、「すばらしいアプリだね。どれくらいの時間、開発をしていたの」 と尋ねた。
するとエンジニアは「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。
キャピタリストが「もっと開発をしていたら、もっとユーザが獲れたんだろうね。おしいなあ」と言うと、エンジニアは、趣味の開発ならこれで十分だと言った。

「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
とキャピタリストが聞くと、エンジニアは、「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから開発を始める。終わったらYouTubeを見て、推しを愛でて。
夜になったら友達とApexをやって、歌ってみたを聴いて…ああ、これでもう一日終わりだね」

するとキャピタリストはまじめな顔でエンジニアに向かってこう言った。「元アクセンチュア出身の人間として、きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、開発をするべきだ。 それであまった収益はマーケティングに回す。

お金が貯まったらフリーランスに外注する。そうすると開発スピードは上がり、儲けも増える。
その儲けで外注を2人、3人と増やしていくんだ。やがて一人法人ができるまでね。
そうしたら自分でコードを書くのはやめだ。

自前のスタートアップ企業を建てて、そこにデザイナーとマーケターを雇う。
その頃にはきみはこのちっぽけなコワーキングスペースを出て渋谷に引っ越し、新宿、五反田へと進出していくだろう。
きみは八重洲のオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」

エンジニアは尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」

「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
とキャピタリストはにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」

「それで?」
「そうしたら引退して、東横線沿いの小さな街に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は趣味の開発をしたり、YouTubeを見たり、推し活をして、夜になったら友達とApexをして、歌ってみたを聴いて過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」


元ネタ

元ネタは当然のようにメキシコの漁師の寓話です。
意外と知らない人もいそうなので、元ネタも貼っておきます

メキシコの田舎町。海岸に小さなボートが停泊していた。
メキシコ人の漁師が小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも生きがいい。それを見たアメリカ人旅行者は、「すばらしい魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの」 と尋ねた。
すると漁師は「そんなに長い時間じゃないよ」と答えた。
旅行者が「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなあ」と言うと、漁師は、自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だと言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの」
と旅行者が聞くと、漁師は、「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって…ああ、これでもう一日終わりだね」
すると旅行者はまじめな顔で漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、きみにアドバイスしよう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。 それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻、3隻と増やしていくんだ。やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃にはきみはこのちっぽけな村を出てメキソコシティに引っ越し、ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
きみはマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどれくらいかかるのかね」
「20年、いやおそらく25年でそこまでいくね」
「それからどうなるの」
「それから? そのときは本当にすごいことになるよ」
と旅行者はにんまりと笑い、
「今度は株を売却して、きみは億万長者になるのさ」
「それで?」
「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、日が高くなるまでゆっくり寝て、 日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。 どうだい。すばらしいだろう」

なんでコラを作ろうと思ったか

ただ面白そうだったからってのがほとんどなんですが、一応真面目な理由もあったりします。

仕事がらITでスタートアップしてエクイティで調達して〜みたいな方々を近くや遠くで見てきた中で、「スタートアップを創業する人は本当にすごいな」という感情を抱いたからです。
とてもじゃないですけど、お金や個人最適のためには走り続けられない所業だと思います。人としての作りが自分とは全く違います。

そういう人たちへの尊敬の念と、自分では絶対真似できないという気持ちを抱えていたら、気がついたらコラを思いついてました。


普段、Xでは主に個人開発に役立ちそうなことを呟いています。
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