文通アプリ「レイター」の大幅アップデートの狙いを言語化してみた
「後で」返事ができる文通チャットアプリ「レイター」の大幅にアップデートをおこなったので、その狙いを言語化してみたいと思います。
リリースして約3ヶ月ですが、サービスを運用するなかで色々な気づきがありました。
その気づきと絡めながら、どういうことを考えながらアップデートをおこなったかを書いていこうと思います。
レイター自体の紹介はこちらの記事を読んでみてください
このプロダクトは、株式会社mofmofの「水曜日の個人開発」にサポートされています。
どこをアップデートしたか
今回アップデートした部分は大きく二つです。
ちょこっと日記(≒つぶやき機能)を追加した
文通友達の募集を廃止し、代わりにユーザー自体をホーム画面に表示するようにした
ちょこっと日記(≒つぶやき機能)を追加した
SNSによくあるツイートやポストと呼ばれるようなつぶやき機能を追加しました。
これまでレイターの「文通友達の募集」は1ユーザーにつき最大3つまでで、毎日投稿を行うようなものではありませんでした。イメージは雑誌の文通相手募集ページでした。
ちょこっと日記は募集とは違って、1日2回まで投稿できる機能で、内容も文通友達の募集に限らず、今日の出来事や思ったことなど自由に投稿できます。
文通友達の募集を廃止し、代わりにユーザー自体をホーム画面に表示するようにした
ちょこっと日記の追加に伴い、文通友達の募集は廃止しました。
かわりに、ユーザー自体をホーム画面に並べるように変更を行いました。
それに伴いプロフィール欄の自己紹介も細分化した項目を用意し、「自分がどんな人で」「どんな人と文通がしたのか」を伝えやすくしました。
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これまでのアプリの課題をどう解決するか
今回の大枠の目標はアプリのリテンション率の改善でした。
まだ母数が少ないのため、日にもよりますがインストール30日後のリテンション率は10%~15%くらいなのが現状です。
とはいえ、10人に1人は1ヶ月以上使ってくれているため、インストール数は一定ですがWAU(ウィークリアクティブユーザー)は右肩上がりで推移しています。
今回はこの30日目のリテンション率をもっと上げたいと思い、大幅なアップデートを決意しました。(理想は20%~25%くらいにしたい)
リリース当初からアプリの捉え方が変わった
アプデの中身を考えるにあたって、レイターというアプリの捉え方が変わったことを踏まえる必要がありました。
元々、レイターは「Qボトル」や「しまぐらし」のような、匿名ランダムメッセージアプリだと捉えていました。(誰かに投げかけたメッセージを拾ったユーザーが返事をする、インスタントな会話を楽しむアプリ)
しかし、ある程度アプリを運用する中で、レイターはマッチングアプリであることに気づきました。もちろん最終ゴールが交際ではないので、完全にマッチングアプリと同一ではないのですが、「文通」というそこそこエネルギーを必要とする行為の相手を見つけるという特性はマッチングアプリに近いと感じました。
インスタントに見つけた相手だと文通が続かないのです。
なので、マッチングアプリのように、相手のことをしっかり知った上で文通を始める必要があることに気がつきました。
そこで、今回のアプデのメインテーマは「文通を始める前に相手の事をよく知れること」になりました
マッチングアプリだと考えた時に見えてきた課題
文通アプリであるレイターのリテンション率を上げるには
いかに文通を続けてもらうか
いかに文通を始めてもらうか
の二つが重要です。
そこで、それぞれ以下のように分析しました。
いかに文通を続けてもらうか
文通が終わるというのは「話したい < 返事がめんどくさい」が成立した時です。みなさんもこの感覚はわかるのではないでしょうか?
レイターは「返事をしなくてはいけない」というプレッシャーをなくすような仕組み(メッセージが時間差で届く)は導入してますが、めんどくささを軽減する仕組みはありませんでした。
そこで、今回は「話したい < 返事がめんどくさい」を成立させないように、まずは「話したい」を強化する方向を考えました。
マッチングアプリであるという性質も考慮すると、めんどくささより先にこっちを強化すべきという判断です。
今回のアプデのちょこっと日記は、そのユーザーの日頃の日記から、そのユーザーの考えを知ることで、自分と気が合いそうかどうかを見極めてもらおうという狙いです。
また、プロフィール欄もこれまでは「自己紹介」の一つだったところを、「私はこんな人」「好きなもの/苦手なもの」「こんな人と/こんな話題の文通がしたい」「その他自由に自己紹介」の4つに分けることで、何を書けば良いかを明確にし、プロフィールを充実させてもらおうと考えました。
これらの変更により、文通を始める前から自分が話したいと思うユーザーを見極めやすくし、結果的に「話したい」が強化されるようにしました。
いかに文通を始めてもらうか
文通を続けてもらうのと同じくらい大事なのが、いかに文通を始めてもらうかです。
正確な数字は集計していないのですが、インストールしたユーザーのうち、2/3くらいは文通を始めることなく離脱しておりました。
ただ、ここでおもしろいのが、インストール後しばらくしてから文通を始めるユーザーがそこそこいるということです。
アプリの雰囲気を掴んでから本格的に使い始めたいということなのだろうというのが今のところの予想です。
ユーザーからの投稿に「使い始めたばかりなのでまだあまりわかりませんが・・・」というようなものがちらほらあったことからも、インストール直後のユーザーには一定期間様子見の時間があるのだろうと予想できます。
ちょこっと日記はここにも貢献できると考えています。
ユーザー対ユーザーの文通に比べて、投げっぱなしのちょこっと日記はハードルが低いはずです。また、他人のちょこっと日記を読むことでアプリの雰囲気を掴むこともできます。
様子見期間中のユーザーには、アプリをとりあえず起動する理由と、アプリの雰囲気を掴む手段としてちょこっと日記が役に立つと考えています。
その他
その他、UXの整合性を保つために、機能的な差が少なかった文通友達の募集とプロフィール機能を統合して、ユーザー自体を直接ホーム画面に表示するという変更を行いました。
プロフィール中の「こんな人と/こんな話題の文通がしたい」は、文通友達の募集の代替手段として用意しました。
なお、返事のめんどくささを減らす施策も必要だと考えているので、今後のアップデートで対応するつもりです。
どうやって課題をみつけたか
最後に、今回のこれらの課題をどう見つけたのかを書いてみようと思います。
手段としては二つです
ざっくりと数字をみた
ユーザーに直接聞いた
このアプリはまだユーザーの絶対数が少ないので、定量的な分析はあまり意味がないだろうと考え、分析ツールのようなものはまだ入れてません。
そのために、数字といってもfirestoreのデータを直接みて、ユーザーがどんな使い方をしているのかをざっくり想像するくらいでした。
それよりも今回大事にしたのがユーザーの声です。
ありがたいことにこのアプリは開発者としてユーザーと直接文通ができるため、時々文通上でアンケートを行ってきました。
「文通が続きづらい」というような課題はそのおかげで見つけることができました。
これはユーティリティ系アプリと違ってユーザーと直接繋がれるSNS系アプリの強みだと感じました。
最後に
以上が文通アプリ「レイター」の大幅アップデートの狙いです。
正直まだまだやりたことだらけですが、こうやってアップデートの狙いを改めて言語化してみると、アプリの今のフェーズなども整理できてよいですね。これからもやってみようと思います。
同じようにアプリのグロースを頑張ってる方に何かしら参考になれば幸いです。
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