「後で」返事ができる文通チャットアプリ「レイター」を作った話
最近、個人開発として世にリリースしたものとしては3つ目となるアプリ、「レイター」をリリースしたので、それについて紹介しようと思います
この記事では主に
レイターがどういうものか
なぜレイターを作ろうと思ったのか
今後の展望
あたりについて書こうと思います。
技術的なこととか、作ってみた感想はQiitaの方に書きましたので、ぜひそちらもご覧ください
【個人開発】「後で」返事ができる文通チャットアプリ「レイター」を作った話:技術編
リリース後の大幅アップデートについての記事はこちら
iOS
android
レイターはどんなアプリか
レイターを一言でいえば
「後で」返事ができる文通チャットアプリ
です。
文通友達の募集を公開し、それに興味を持った人が返事をすることで二人の間でチャットができるというサービスです。
雑誌の文通相手募集のコーナー+そのままアプリ上で文通ができるアプリだと思うとよいかもしれません。
他のユーザーと文通のようにチャットができます
レイターでは文通友達の募集を公開することができます。他の人が公開した募集に返事をすることで、2人のチャットが始まります。
あえて数日後に届くメッセージ
あとで返事ができるとはどういうことかというと、レイターでは送ったメッセージがあえてランダムで数日後に届くという特徴を持ってます。このあえて時間差でメッセージが届くというところがこのアプリのキモであり、価値の全てと言っても過言ではありません。
基本的に従来のチャットアプリやメッセージアプリは送ったメッセージが即時で相手に届きます。これはメッセージアプリの価値「遠く離れた人とでもコミュニケーションがとれる」という点からも当然です。
しかし、その弊害として生まれているのが「早く返事をしなくてはならない」というプレッシャーと、「返事がこないな・・」という不安です。
「既読無視」という言葉はLINEが普及したときに一時期話題になりましたね。
レイターでは現実に手紙のように、あえて数日後にメッセージが届きます。
これによって何が起きるかというと
返事をしなくてはならないというプレッシャーから解放される。
システム的にメッセージはランダムに数日遅れて届くため、相手からしたら自分が返事をしていないのか、システム的に遅れているのかがわからないから
返事がこないことを不安に思わずに済む
そもそも返事は即時にはこないようになっているので、返事は数日後にくるだろうという心持ちで待つことができる。気がついたときに返事がくればよいかという寛容な気持ちになれる
だと思ってます。
これこそが従来の即時のコミュニケーションを前提としたメッセージアプリへのアンチテーゼとして機能すると確信しています。
なぜレイターを作ろうと思ったか
まとめると↓の4つです
自分が欲しかったから
同じコンセプトのアプリがなかった。
匿名チャット(SNS)はユーザーを獲得しやすそう
唯一似ているコンセプトのアプリが流行り出している
ひまつぶしランダムチャットの繋がりは一瞬だけ
世の中には、匿名同士でチャットができる「ランダムチャット」と呼ばれるようなアプリや、大手SNSへのカウンターを狙ったSNSは既に多くあります。
しかし、それらはひまつぶしや、共感を得られることに重きを置いてます。
まず多いものとして暇つぶし系があります。
たとえば、「ひまトーク+」「ひまつぶしチャット」「よっ友チャット」などです(App Storeで「チャット」と調べれば色々出てきます。)
暇つぶし系は、その時の暇を解消したいという即時的ニーズを満たしてると言えます。その一方、基本やりとりはすぐにおわり、つながりはその瞬間だけです。
暇を解消したいというニーズにとっては、その都度つながりがリセットされることはデメリットではないし、むしろ都合が良い面まであると思います。(変に会話が続いてしまうと「返事しなきゃな」という負担になるため)
しかし、私はメッセージの頻度はすくなくても「つながり」を感じるアプリが欲しいと思いました。
「即時でやりとりしたいわけではないけど、誰かとのつながりは欲しい」というニーズがあるはすです。自分にはありました。(みなさんも「返事しなくては。。。」というプレッシャー感じることありませんか?)
共感に重きを置いたSNSだと会話は生まれづらい
次に、一方で最近の流行りとして、SNS疲れへのカウンターを狙った、匿名性を重視し、できるだけ力をいれないでも共感(だけ)をもらえるアプリというのも存在します。
既存のSNSだと、リアクションをもらうためには発信力を高めたり、おもしろいとおもわせる魅力的な投稿が必要になります。
ただ、それは疲れます。
インスタントに共感だけがほしいと思う人のために、気軽に共感を送れるだけのアプリが色々でてきました。
例えば「焚き火」や「しまぐらし」、「ilka」などです。
これらのアプリはUX的や世界観的に共感をしやすい作りになっていたり、アカウントという概念がそもそもなかったり、リアクションも共感だけに限定されていたりします。
しかし、これらのアプリはインスタントな共感に重きを置いた結果、共感以上のコミュニケーションは起きづらくなっています。
共感だけが欲しい人にとってはこれが正解なのだと思います。
私はそこに対して、「共感だけではなく会話をしたい」「頻繁なやりとりは疲れるけど、誰かと繋がっている感覚は欲しい」「ときどきやりとりができる気軽な関係が欲しい」というニーズがあると予想しました。(自分はそう思うので。)
しかし、前述のとおり既存ではその場限りのつながりか、共感に重きを置いたアプリしかありませんでした。
そこで私はレイターを作りました。
匿名チャット(SNS)アプリはユーザーを獲得しやすそう
匿名でチャットができる系のアプリや匿名SNSは、AppStoreのレビュー数からの推測になりますが、どれをみてもある程度のユーザーがついてます。
iOS黎明期からありそうなぎりぎりのUIをしているアプリですら活発に使われていました。
このことから、「匿名でだれかとつながりたい」というニーズはとても強いと考えられます。(もちろん男女の出会い目的というニーズの占める割合も大きいと思いますが。)
似ているコンセプトのアプリが流行っている
唯一似ているコンセプトのアプリに物理的な距離に応じて時間差でメッセージが届くという香港発のSlowlyというアプリがあります。
最近結構色々な日本のブログでも取り上げられており、流行ってきているのを感じます。
そのSlowlyを使っている声の一つに↓のようなものがありました。
これはまさに「返事をしなくてはいけない」というプレッシャーであり、あえて時間差で届くアプリを使うことで解決している例です。
このことから、即レスが前提となりがちな現状のメッセージアプリに対して、あえて時間差で行うコミュニケーションが求められる土壌が成熟してきていると考えました。
ただし、Slowlyはグローバルなコミュニケーションが前提となっているため、外国の友人を作りたいと思っている人むけなところはあります。
あと、個人的にはチャットアプリとしてのUIは非常に使いづらかったです。
これは文通アプリというコンセプトを重視しているためだとは思いますが。
なので、完全に日本向けで、かつチャットアプリとしてのUIが使いやすいものを作ればいけるのでは?と考えました。
改めてまとめると
「返事をしなくては」というプレッシャーを感じずに済む、匿名チャットアプリが欲しかった。
似たコンセプトのアプリが流行ってるけど、日本人同士のチャット向けではない。
匿名チャット(SNS)はユーザーを獲得しやすそう
という条件が揃ったので今回レイターをつくりました。
今後レイターをどうしていきたいか
まずは使ってくれるユーザーをある程度増やしていきたいと思います。
ただ、サービスの特性上、新しい人に出会うというよりは、できた繋がりを大事にすることに重きを置いているので、ユーザー数をどんどん拡大する必要はないと思ってます。
しばらくはこの世界観に共感してくれるユーザーだけにつかってもらい、プロダクトに磨きをかけていきたいと思ってます。(Twitterで使った感想とかくれると嬉しいです!)
追加で考えている機能
返事のリマインダー
後で返事をすることを忘れないように、自分でリマインダーを設定できる機能
インスタントリアクション機能
サービスの特性上、返事がこないとき会話を終わりにされたのか、返事がないだけなのかが判断がつきづらいです。
そのため、また話したいからメッセージをおくろうというのを躊躇ってしまうと予想してます。
インスタントリアクションで「ありがとう」や「またお話をしましょう」などの意思表示をできるようにすることで、会話をスムーズに終わらせ、逆に次に話しかけやすい関係が作れるのではないかと予想しています。
まとめ
以上が今回新しくリリースしたレイターの紹介でした!
興味を持ってくれた人は是非インストールをお願いします。
アカウント作成なども必要ないのでとりあえずフラッと使ってもらえます。
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このアプリの技術的なことはこちらにまとめているので、こちらも是非ご覧ください。
【個人開発】「後で」返事ができる文通チャットアプリ「レイター」を作った話:技術編
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