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6.ストーブ

ダメな男に引っかかっちゃいけない

これって、誰が言い出したんだろう。
そもそも、ダメな男ってなんなんだろう。

例えば、暴力を振るう男。
例えば、嘘をつく男。
浮気をする男。計画性のない男。モラハラ男。

でもこれって、男に限った話じゃないと思う。
そもそも人としてどうなの?と思う例ばかりが出てくる。
たしかに力で勝てない方が多いから、その点で女は大抵の男よりは「弱い」けど、それって物理的な力だけで他には別に男女なんて関係ないことばかり。

それに女だって、顔やらスタイルやら年収やら、自分のことなんて棚に上げて男の「スペック」ばっかり。
なにか言おうとすると「男は馬鹿だから。」と決めゼリフのように言ってくる。

たしかにうちの父は頭もいいし年収もそこそこ良いが、母のことを聞けば「ああいうところが好きでママと結婚したんだよ」なんて惚気けてくる。
祖父は祖母が亡くなったあとはずっと、給料が入った封筒を仏壇に供えて、月命日には祖母が好きそうなお菓子を買っている。祖母が生きている間は、亭主関白的な人だったけど、天邪鬼が見え見えだった。

そういう点で言えば、男は馬鹿なのかもしれない。
少なくとも、私の身内はみんな、お互いのことが大好きで、でも素直じゃない人が多い。
お互いに「惚れた弱み」みたいなのがあるのだろう。
そんなの微塵も感じさせないのは、私の母ただひとりである。そんな母も、さすがに海外に単身赴任に行った父のことは心配しているようだし。

ただ、嫁姑問題に関して、私は母から多くのことを学んだし、今私も実感していることがある。

嫁はだいたい、下に見られる。
そして夫は、そういう相談をされた時、大体信じないし、すぐに重要視しない。

これは私が自分で違和感を覚えるまで、10数年かかった。それまでは、うちの母は父方の祖母となんら問題なくうまくいっていると思っていた。

今となっては「知らなくて幸せだったな」と思う。
それに、私が自分から母に「ちょっとおかしくない?」と疑問を投げかけるまでは私たちに察することすらさせなかった母には感服である。

ダメな男と出会っても、長く付き合っていく中で変わっていくことだってある。
マザコンだったけど、自分の母の行動に違和感を覚えたり。
実家では当たり前だったことが、実は相当大変な事だったり。
両親の偉大さは、成人してすぐに分かるものではないし、生まれてからずっとおかれていた環境に疑問を抱くのは難しい。

ただ、成長の余地があるのなら
尊重し合い、疑問を抱くことができるようにしていけば、ダメな男だってダメな女だって、いくらでもいい方向を向くことができるのではないか。

でも、これだけはどうしても譲れないことがある。


「母方の祖母が入ったお墓に入ること」
「もちろん、今飼っている犬やレオパも」


だって、私のいちばん辛かった15年を寄り添ってくれた先代の犬の遺骨もそこに入るんだもん。
私の母が「私と一緒にこのお墓に入れて」って言うんだもん。
私だって一緒に入りたいもん。みんなでわちゃわちゃしたいもん。

埋葬のかたちも、ペット葬儀も、
私の時代には、夫婦別にお墓に入っても、ペットと一緒に眠っても、何も言われない時代だといいな。
自由で柔軟な、ぽっくりいける世界だといいな。

※タイトルの意味は「星野源 ストーブ 歌詞」等で検索してみていただきたい。個人的に衝撃的で、穏やかで、前向きな素敵な曲だと思う。控えめに言って大好き。

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