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飼い猫チョコのこと お家にやってくる編②

猫おばさんのところに、アーケードで見かけた白猫を引き取りに行くことになった。同居していた姉は仕事だったので、当時お付き合いしていた彼に一緒に行ってもらった。

猫おばさんのお家は、駐車場の奥に小さな事務所をかまえていた。摺りガラスの引き戸をするすると開けると、小さなケージが積み重ねられており、確か12ケージぐらいあったように思う。各ケージには2匹ぐらいずつの仔猫がいた。

お目当ての白猫のケージを見ると、もう一匹グレーの仔猫がいた。元気いっぱいの白猫に踏まれているのに、足を体の下に入れて、微動だにせずにじっと座っているグレーの仔猫。私は何かに我慢しているようなグレーの仔猫がとても気になり、猫おばさんに話してみると、グレーの仔猫は牝猫で毛並が柔らかいと説明をしてくれた。元気いっぱいの仔猫らしい白猫、何かに我慢しているようなグレーの猫。迷いに迷ったが、きっと白猫は美しいし元気も愛嬌もあるから他にもらってくれる人がいるだろう、グレーの猫は私がもらわないと誰かの飼い猫にはなれない気がした。結局、グレー仔猫を連れて帰った。姉は白猫がグレーの猫になっていたため驚いたものの、猫がやってきたことが嬉しかったらしく文句は言わなかった。姉はグレーと黒が混ざり合っている毛並を見て、マーブル模様だね、マーブルチョコだ、名前はチョコにしようと言った。女の子らしいかわいい名前だ。我が家の初めての猫の名前はチョコになった。それから16年間暮らすことになった家族チョコの話。

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