八重山民謡コンクール：最高賞しょんかねー節

宮城　究【三線教師】

2022年6月9日 04:42

こんにちは。三線大好きの宮城です♪

今日は「しょんがねー節」について少しまとめたいと思います。

しょんかねー節は八重山古典民謡にもありますが、今回は沖縄古典民謡のしょんかねー節：親ンマーという曲がありますので紹介しますね♪

八重山古典民謡のしょんかねー節とほぼほぼ同じなんですが歌詞の発音が違う所があるので注意です。

それではブログ始めましょう♪

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宮城

しょんがねー節ってどんな歌詞なの？

歌詞

暇乞よと思って持ちゃる盃　ｲﾄﾏｸﾞｲﾄｳﾑﾃｨﾑｯﾁｬﾙｻｶﾂﾞｲﾁ

目涙泡盛らち　飲みのならぬﾐﾅﾀﾞｱﾜﾑﾗﾁﾇﾐﾇﾅﾗﾝ

歌意

これでお別れと思って持ち上げた盃だが、はらはらとこぼれる涙の泡に盛られて飲むことも出来ない。

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宮城

歌の背景です。

沖縄古典のしょんかねー節は八重山民謡の「与那国しょんかね節」を編曲して、その歌で歌劇「ウヤンマー」で歌われたようです。

ウヤンマーとは、地方に派遣された首里の役人の「世話人」のことのようで、昔は出張先にお世話をしてくれる女性がいたようですね。そして、役人を世話しているうちに、いつの間にか恋心が芽生えてしまい「現地妻」になることも多かったようです。

しかし役人は出張中ですので、いつかは首里に帰らなければいけません。数年の任期が終わって、分かっていたはずの「別れの瞬間」を歌うとても切ない歌なんです。

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現地妻になるメリットも実は多かった。

世話人の若い女性が首里の役人の現地妻になることは比較的多かったと歌の解説本や師匠の話から聞いています。

ふと疑問に感じますが、首里に家庭を持っている役人の現地妻になるメリットはどこにあったのでしょうか？どうせ別れてしまう関係です。悲しい終わりしか待っていないはずですが・・・。

当時は現地妻になるメリットが実はあったようです。その背景にあるのが貧しい沖縄の生活でした。沖縄本島も貧しかったと思うのですが、離島の人々の暮らしも裕福なものではなかったようです。当時は「人頭税」の重税に苦しめられながら、細々と生活していたようです。

そんな苦しい島の生活でも潤っている場所が「首里の役人の周り」だったようです。首里の役人は比較的生活が安定しており、島の農民の憧れだったかもしれません。そんな「お役人様」と親しい中になると自分の親兄弟にも食料などの恩恵があったようですね。

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お役人のお誘いを断った人もいた？

せっかく首里からの潤沢な支援物資の恩恵を受けられる「現地妻」ですが、役人のお誘いを断った女性もいたようです。それが「クヤマー」という女性。

八重山民謡の「安里屋節」に出てくるクヤマーという女性です。

とてもきれいな女性で、首里の役人から「現地妻」になるように言われますが、「島の人と結婚する」とお誘いを突っぱねる！という何とも元気のある女性ですよね。

先ほども書きましたが、当時は貧しい島の生活です。少しでも生活が豊かになるなら・・・と現地妻になる女性も多かったはずなのに。勇ましい限りですヾ(≧▽≦)ﾉ

歌詞の内容を知れば、歌にもきっと感情がのってくるのではないかとコツコツとコンクールの課題曲の解説をしています。

まだまだ浅い内容にはなっていますが、少しずつ更新して情報をまとめていきますので、また遊びにきてくださいね♪

今日のブログはココまで♪

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参考音源：「うた」　湧川　明特集

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