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初めてのぺぺたま

大学生活一年目を過ごす息子が、年末に帰省した。

一人暮らしを始め、大学生活を謳歌しているらしくほとんど実家には帰ってこない。

(第一志望の大学の合格発表後は「引っ越し」というイベントのため、喜ぶ暇も哀しむ時間もなく終わってしまった。)

息子は幼い頃から好き嫌いがなく、なんでも食べる。好奇心旺盛で、パイナップルを丸ごと買ってくると、皮を剥いたり芯を取ったりして食べやすいように切るのが好きなようだった。

これと言って教えてはいないが、料理自体は好きなようだ。
生姜焼きやアボカドを使ったパスタ、鍋、クリスマスディナーなど、自分で作った料理を写真を撮り時々送って来る。
大晦日には近所のスーパーで分厚いステーキを買ったが、抜群の焼き加減だった。

帰省してる間に何か作って欲しいとリクエストしてみると、
「ではパスタでも作りましょうか?」
と兄の運転で買い出しに出かけた。

私がリクエストしたのは
ぺぺたま。

数年前に流行ったぺぺたまだけれど、ニンニクの効いたペペロンチーノにふんわり卵を絡めたパスタで、レシピは知っていたものの、本当に美味しく作れるのか疑問だったので、作ることも食べることもありませんでした。

そんなパスタを息子が作ってくれるなんて、もうウキウキな私でした。

ぺぺたまのソース自体はシンプル。
そのため、調味料の投入のタイミングとパスタの太さや茹でる時間、塩加減にこだわっているようで、材料をすべて用意して、

調理開始!

熱していないフライパンに大量の刻んだニンニクと鷹の爪、オリーブオイルを入れじっくりと熱する。
(お好みでベーコンを追加しても美味しい。)
沸かしたお湯に塩を加えパスタを茹でる。
卵は卵黄と卵白に分け卵黄にパルメザンチーズを加え混ぜておく。

パスタがアルデンテよりも硬いうちに茹で汁をひとすくいし、ニンニクの香りがたつオリーブオイルに加える。麺をお湯から引き上げ、強火にしたフライパンに投入。
ここでフライパンを軽く煽りながらソースを乳化させる。
全体がとろっとし、麺がいい具合に茹で上がる。
仕上げに混ぜておいた卵黄とパルメザンチーズを手早く混ぜお皿に盛り、粗挽き黒胡椒を一振りしたら完成!

早速家族全員でいただく。

ニンニクの効いた濃厚なソースとアルデンテよりもやや硬めに茹で上がった麺の歯触りがよく、相性は抜群。
あっという間に平らげてしまった。

「いつもはもっと上手に出来る」
と話していたが、十分の腕前。一人暮らしで自炊出来ているのかと心配していたが、これなら大丈夫そうだ。

普段、料理担当は私。
私以外の人に作ってもらうと一段と美味しいし、元気をもらえた。

その後も息子は帰省すると、進んで食事の手伝いをしてくれる。
これまでは、一人で料理をする度
(女の子だったら手伝ってくれただろうに)
と思っていたけれど、今は包丁を持つ息子が横にいる。
「やっぱ男の子でしょ!」
と呟きながらガスレンジの火をつけた。



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