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イギリス人の働き方

イギリスで働いてみると、様々な価値観と多様性を受け入れているイギリスの文化が職場でも随所に感じられます。勿論、企業や所属するグループの文化もあるので、一概にイギリスで働くとはこうだ、という事はできませんが、私の過去3社における典型的な働き方をみていきましょう。

まず、イギリスでは祝日(bank holiday)が少ないです。そのため例えば月曜が祝日の場合、その週全て休みにして家族と出かけるなどすることが多いです。多くの人が休みを取る時期は、それ以外ですとイースターに1-2週間、夏休みに二週間、クリスマスに2週間といったところでしょうか。有給休暇はだいたい25日ほどで、ほぼ必ず使い切ります。場合によっては5日ほどはよく歳に持ち越し、あるいは現金化することもできます。また子供がいる家庭では学期毎(3学期制です)の中間と終わりに1週間ほどの休校日があるので、そこに合わせて休むこともあります。休みに関しては業務を考慮しないことはないですが、基本的に休みたいところで休む、というスタンスではないでしょうか。休み期間に関してはメールを一切遮断する人もいますし、ちょくちょく連絡を取る人もいて、様々ですが、基本スタンスは休みは休み、と割り切る事が多いですし、周囲もそういう理解です。

日常の業務はどうでしょうか?基本的に残業手当などというものはなく、仕事は成果制です。期日までにやる事が終わっていれば、比較的フレキシブルだと思います。また週に1-3日ほどは在宅勤務もできますし、日本のそれとは違って、在宅はとてもフレキシブルです。例えば私は日本の知り合いから在宅の時は上司に始業と終業をしらせる、と聞いてびっくりしました。イギリスではそんなことはまずあり得ないと思います。実際在宅の時は子供の送り迎え、買い物、ジムなどに日中行っていたので、その分朝は早くに仕事を始め、日中できなかった分は夜埋める、と言った感じでした。またアメリカや他地域での電話会議などがある場合は、夜遅くまで会議になることもありますが、その分は日中の時間を自由に過ごしたりしていました。

多くの会社は朝早く来た人は早く帰る、あるいはその逆を認めていると思います。例えば朝7時に会社に来たならば15:00頃には帰宅できますし、前の会社では今帰らないと19:00間で会議が連続してしまう、などと言った場合は私は13:00頃に帰り後は自宅から会議に出る、と言ったことは日常茶飯事でした。

興味深いのは金曜日は比較的リラックスしており、15:00頃にはオフィスは閑散としていることが多いです。時間がある人は10:00と15:00に休憩しながらコーヒーやお茶を飲みながらおしゃべりしたりすることもあります。以前は紅茶を飲むことが多い印象でしたが、最近はコーヒーを飲んでいる人が多いと感じます。

多くの人は5時まえには退社し、6時頃には家族と一緒に食事をしたり、友人とパブにいったりして過ごす、というパターンかと思います。以前語学留学していた時、先生が昼からパブでビールを飲んでいましたが、こうした光景は比較的珍しいと思います。何かお祝い事などが有れば昼から飲むこともありますが、めったにないかと思います。

福利厚生ですが、日本と違い、残業手当、交通費の支給、住宅手当などはありません。会社から出る補助はプライベートでかかるときの医療保険(イギリスではプライベートだと、待たなくてすぐにみてもらえます)、年金(自分が月給の例えば2%を出して、会社が8%だすなど、会社によって条件は異なります)程度だとおもいます。

イギリスでの平均世帯年収は28000ポンドと聞きますが、本当でしょうか?副収入がなければこの年収ではかなり厳しいのではと感じます。だからこそチャンスを逃さず転職して、経験を積んでそのまた上を目指すのが働き方なのでしょうか。ちなみに昇進で上がる給料は10%ほど、転職だと20%が相場のようです(勿論例外も多くあります)。またイギリスでは不動産相場が安定していて、ローンを返すのと賃貸の家賃を払うのは毎月の支出はあまり変わらないので、家を買って改装して高く売って良い場所に引っ越す、というサイクルを繰り返す人達もいます(property ladderといいます)。一般的に言えるのは親が裕福だと子供達もそれなりの教育を受けて、報酬の高い職につく、ということはどこの国も同じでしょうか。

どうでしたか?憧れや噂で聞くのと、現実は意外と違ったりしますよね。

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