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取り戻した前髪。

前も今も接客業、セットに時間も整髪料も余計にかかるオールバック、手間暇かけていた理由は2つ。

1つはもちろん清潔感。
客観的事実として、お客様に身なりで苦言を頂いたことは無い。
もう1つは上司ウケ。
身なりで言われる小言は職場のコミュニケーションで最も無駄な時間。
不要なやり取りはしないに尽きる。
貫いてきたオールバック、何故辞めたのか?

肩ひじ張るのに飽きた。


不器用で無駄な真面目さを持ち合わせた明らかに社会では生きにくい枕。
社会人の最低限の常識には当てはまれるように相当な注意を払ってきたが、逆効果だったことに今頃になって気が付く。

髪型を整え切ってしまうと過度に気を張ってしまう。
恐らく緊張はお客様にも伝播でんぱする。
今の職場も接客業に変わりはないが、TPOには反していたのかも知れない。

他部署の応援で上記の考えに至り、唐突に髪を下ろして自分の拠点である店舗に出勤してみたが…

誰も枕だと認識してくれない!


雰囲気変わったね!くらいは想定していた。
しかし同僚が誰も枕だと認識出来なくなるとは思うまい。
新人ちゃんに至っては他店舗からの応援だと思い、挨拶をしようとしていたらしい。
全員が枕を再認識するまで3日を要したが、嬉しい予定外もあった。

社交辞令も否めないが、取り戻した前髪は好評。
ある程度整えた自然体に近い髪型は己の仕事への姿勢を無理なく柔らかくしてくれるように思う。

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