「話す」は重労働。
ボーナスを貰った。
個人実績がズバ抜けている訳ではないが、凡事徹底の規範的な仕事態度と担当商材に係る取組を評価して下さり、ベース金額に+αがついた。
次の日、枕は仕事を休んだ。
ボーナスを貰う月には「賞与面談」があり、店長とサシで話す。
評価を聴く機会であり、考えている事を店長に伝える機会である。
枕は「書く」が好きで「話す」が苦手。
その場で話す事を考えると、首を絞められていると錯覚する事がある程度に言葉が出てこない。
話さなければならない事が分かっている場合、枕は前もって何を話すか書いておく。
今回もそうだった。
腹の奥の方に溜まったヘドロを掻きだすように話す。
話しながら、職場で交わしている言葉たちは「仕事」でしかないのだと気がつく。
円滑な仕事の為だけの言葉たち、それらに質量はあまりないらしい。
ここ数年「よくこの有り様で接客業続けているよな…。」と思ってはいたが、ただ話すことを自制していただけだった。
ガタつき始めている事を自覚する。
手遅れになる前に自然体でいられる場所を整えてやろう。
話すのが苦手な人の力になりたい、そんな高尚な考えは持ち合わせていないし、自分で手一杯なので知ったこっちゃない。
武運くらいは煙草を吸う時にでも祈っておく、手持ち無沙汰だから。
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