独身オタク女が友達と化粧品を買いに行った日



朝6:56に友達からLINEが入り、今日どうする!!??の通知で目が覚めました。早くない?アラサー女2人が待ち合わせの連絡するにはめちゃ早くない?小学生じゃん。

とりあえず10時に彼女の家に迎えに行く目標を立てて、応援よろしくお願いしますと返事をしました。お前ならできる!諦めるな!のお返事がありました。本当に元気だなお前。

いつだったか、起きてから家を出るまでの時間がはちゃめちゃに長い時期がありました。一番長かったのは18.19歳くらいの時で、3時間を裕に超えていたと記憶しております。

そんなに塗るとこなくない?と弟にドン引きされながら、塗装作業に勤しんでおりました。確かに、何をそんなに塗り重ねていたのか、今となってはわかりません。多分、当時の私もわかってない。

顔面は一個しかないのに、沢山の化粧品を並べて、一生懸命アルバイトして買ったそれらは私にとって宝物であったのです。(メイベリンのマスカラですとか、百均の付けまつ毛ですとか、ブルジョワのアイシャドーパレットですとか)

今は単純に人様に見せられないスッピンを隠す為に塗っております。でも、当時より諦めが良くなったというか、己の顔面を受け入れられるようになったと思います。

今も昔もお化粧は大好きなのですが、昔程苦しむ事はなくなりました。理想とは程遠い自分の顔面を見ても、辛くなる事はあまりありません。大人になり、少しずつ世界が広がって、顔面の良し悪しで人生の全てが決まってしまう訳ではないと気付いたからです。

付けまつ毛は二枚重ねが当たり前、アイラインで目尻の延長をすること1センチ以上、アイプチでこれでもかと二重幅を広げて、それが10代の私の戦闘体制万全の状態でありました。そうです、バケモノみてぇな顔です。

しかも、当時の私は、アイメイク以外の知識が皆無に等しい状態でありました。唇の色は薄ければ薄い程イケてたし、眉毛に至っては存在する意味が無いと思っておりました。想像して?バケモノじゃね?

(何が一番怖いって、ほぼアイメイクだけで3時間かけてたことじゃね?工作?オペ?)

でも、あの時の私は確かに、3時間かけた顔面で友達に会い、プリクラを6回は撮り、マックのアップルパイだけを買い、友達が最近付き合った格好いい先輩の話を聞き、私は当時大好きだった戦国バサラの長宗我部元親の話をする事に、命をかけておったのです。

本当に良い人ですよね。だって興味ある?長宗我部元親の話。当時の私は誰かに伝えたくて仕方なかったのです。長宗我部元親の格好良さを。聞いてくれてた彼女本当にありがとう。本当にごめん。


何が一番すごいって、当時プリクラを6回撮って遊んだ彼女が、今日も私と遊んでくれる事です。

変わった事と言えば、お互いに化粧の時間が30分になった事と、彼女が同棲を始めて夜は早く帰るようになった事と、私の好きな男が毒島メイソンになった事くらいです。

最近、乾燥で化粧ヨレが気になります。年々、そばかすと言い張っていたシミが大きくなって来た気がします。いつのまにか、化粧における最優先事項は目から肌に変わっておりました。眉毛が無いと人権が無いのでは?と思う程人相が悪いし、唇に色を乗せないと体調を心配されます。

肌やべぇよな!と2人でポールアンドジョーで下地を購入しました。私は友達の誕生日プレゼントにシュウウエムラのリップを購入しました。彼女はずっと狙っていたというスリーのクレンジングバームを購入しました。韓国コスメが倒れそうに可愛くって、安くて細々した物をきゃあきゃあ言いながら買いました。

韓国一緒に行きたいねぇ、休み合わせたいねぇ、ハワイも行きたいよねぇ、結婚式絶対ハワイでやってね、てかあんたもそろそろ彼氏作りなよ、いやー理鶯さんはラップバトルで忙しいからね、そういう事じゃねーよ、とかね。頑張れば叶えられる事が多くなってね。

10年経っても、やってる事は変わらんのですね。毎日一生懸命働いて、嫌な事もあって、お金は少しだけあるけど時間は無くて、男とうまくいかなかったり、本屋で漫画を大人買いするのがやめられなかったりするけど、当時の私と同じくらい幸せであります。


あ!!元親も未だに大好きです!!!!!




2020.2.9

買い物、カフェでお茶

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