逆転裁判4 牙琉兄弟、王泥喜についての妄想(考察とは呼べない代物)

情報が少ないので、あくまで考察ではなく妄想です。

牙琉霧人の手の悪魔はあの傷によるものだと思っていて、尚且つあの傷は弟の響也に関連して付いた傷だと思っています。妄想です。
そしてその傷が悪魔を生んだ。
霧人が殺人に至るまでに歪んだ理由には、弟の存在が絡んでいる。
逆裁4は家族の愛憎や執着の物語なので、ここでも兄弟関係が関係していると思うわけです。

4話の牙琉兄弟のやり取りを見る限り、弟の響也が兄の霧人を尊敬していることが伺える。
こう言っちゃなんだけど、響也は愚かしいまでに正しいと思う。真っ当な人間っていうのかな。真っすぐすぎる。

響也の台詞。
3話「弁護士と検事が無理に張り合う必要は無い」
4話「正々堂々と戦いたいから証拠品も全部見せた」

3話で眉月大庵も響也に関して「うっとうしいほどマッスグなヤツ」と言う。
細かい、真面目すぎる、ワルいヤツじゃない、とも言う。
「ワルいヤツじゃない」って面白い表現。
「いいヤツ」じゃなくて「ワルいヤツじゃない」。
3話、大庵は響也に関して愚痴を言う場面が多い。半分悪口だね。
でも彼は相棒だったわけだ。
「ワルいヤツじゃない」っていうのは「嫌う理由が無い」「嫌う口実がない」ってことだと思う。
「嫌いたいけど、嫌う理由が無い」
つまり、結局嫌い。
良い奴だけど、好きじゃない。
大庵は響也が嫌いだった(好きでもあった)。
良い奴を嫌うのって難しいんだと思う。だって良い奴だから。正しいから。正しい奴を嫌うって、自分が正しくない奴みたいだから。
まっすぐすぎる人間の側にいるのは疲れるんだと思う。

牙琉兄弟の話に戻ります。
弟の響也はバカみたいに良い奴です。
真っ当です。
真っすぐです。
正しいです。
そんな弟は兄の霧人を尊敬しています。
7年前の兄弟対決を楽しみにしていた辺り、かなり。
17歳であれなら、相当なもんだと思うけどどうなんだろう? 年が離れてるからそうでもないのかな?

でもそんな真っ当で真っすぐで、正しい人間に尊敬されるってどうなんだろう?
しかも弟に。
血のつながった弟に。

サラブレッドって言われる辺り、おそらく両親ともども法曹界の人間だろう。
弟がサラブレッドなら兄も勿論そうだろう。

とにかく思うのは、相当なプレッシャーだろうってこと。
サラブレッドであることが。
真っ当な人間に尊敬されるっていうことが。
弟に追いかけられることが。
そして弟は天才です。
音楽の才能も持っています。
こんな弟、いたらどうよ?
そんな凄い人間に尊敬されてるってどうよ?

真っ当で才能のある弟に尊敬されるサラブレッドの兄がそれに応えるには、完璧にならなきゃいけない。
間違いは許されない。

牙琉霧人はプライドが高い人間です。
或真敷ザックを殺したのも、そのプライドの高さ故です。
サイコロックがかかるのは成歩堂が「なぜ或真敷ザックを殺害したのか」と聞くシーンです。
あのサイコロックは、彼のプライドの高さ、完璧であろうとする心持ちに関係している。

そして5の設定を当てはめるなら黒いサイコロックは、本人の意志とは関係なく封印された記憶、所謂トラウマ。

霧人はトラウマを抱えている。

思うにそれは弟に関係している……妄想だけど。


あと今思ったんだけど、牙琉検事って七年前は髪短いよね。
でも現代では髪型、兄と同じだよね。
尊敬する兄と同じ髪型にするってどんな心境から?
7年前は同じじゃなかった。
でも今は同じ。
(キャラデザにそこまで深い意味は無いと言われたらそれまで)

思うに、牙琉検事はけっこう普段は演技をしていると思う。
人を騙す意味じゃなくて(結局は騙すことなんだけど)。
彼の中に「かっこいい牙琉響也」像みたいなのがあって、検事はそれを模倣してるみたいな。
なりたい理想の自分を演じてる……妄想だけど。
私は確信してるけど。

3話でオドロキくんは牙琉検事に関して、「けっこうグチを言うな……ちょっと、意外だ」と思っている。
普段はそのあたり表に出さないようにしてるから、意外だと思われるわけだ。

で、髪型についてです。
牙琉検事にとって兄の霧人は尊敬する弁護士だった。
しかし七年前の裁判で兄に対して疑惑を懐いた。
現在はその兄と同じ髪型にしている。兄に近づこうとしている。
七年前以前は違ったのは、そこに理想があったから。
兄が理想だったから。
でも兄が理想じゃなくなった。
兄は間違いを犯したかも知れないから。
だから、髪型を同じにした。
兄の代わりに理想を体現しようとした。

妄想だけど。


で、考えていたらオドロキくんに思い至ったんだけど、
3話のラミロアさんが目の手術を受ける決心をした下り。
成歩堂の台詞「(王泥喜の)なにものからも目をそらさない、まっすぐな視線を感じた」

オドロキくんって「まっすぐ」なんだね。
オドロキくんと牙琉検事は敵じゃない。
むしろ目的が一致していてそこに突き進むキャラ。
似たキャラ造形がされているかも知れない(4本編での立ち位置を見る限りでは似たような立場にいる)。
二人とも、「まっすぐ」なんだ。

この二人はいわば合わせ鏡のようなキャラクターだと思う。
同じ運命を辿るキャラクター。
王泥喜≒牙琉検事

オドロキくんがなんで霧人の弟子なのか気になってたんだ。
霧人はなぜ、オドロキくんを弟子にしたのか。
オドロキくんはまっすぐ。
オドロキくんにとって霧人は「最も尊敬している先生」。

霧人にとってオドロキくんは弟の代わりだったんじゃないかと思ったりする。

霧人はどこかの時点で、弟にとっての理想の兄であることを諦めた。
でも兄であることが彼のアイデンティティの大部分を占めていた。
だから弟の響也に似たオドロキくんを弟子にした。
響也よりは気楽だったのかもしれないな。
少なくともオドロキくんは天才ではなさそうだから。

妄想だけど。

(逆転裁判1を見返していたら、千尋さんが成歩堂を「天才」と言っていて、ふーんと思った)

10月26日 追記

『逆転裁判4 公式ガイドブック』を購入したので、開発者インタビューを読みました。牙琉霧人の手の甲の傷については「過去の牙琉兄弟の泣けるエピソードとか」があるそうです。
少なくとも傷に響也が関わっているのは確定でしょう。


2020年6月21日追記

後々思い出したんだけど、七年前霧人が用意した捏造証拠。

結果的に成歩堂をはめるために利用されたけど、あれはそもそも響也の初法廷で兄弟対決のために用意された代物です。霧人は弟の響也に勝つ為にあれを用意しました。

それは完璧を求める霧人が負けたくないがために用意したのか、
それとも”弟相手だから”用意したのか。

それについては結局わかりませんがね。

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