ダブり〜2限目〜D

そんな高校生な生活を送る俺。
1日、2日、3日……..1週間、2週間と、時の流れに身をまかせている俺とは逆に幸せそうにはしゃぐサワナカがそこにいた。

「ナナっ、これどうしたの?」
「もらったの(笑)」
「いいなぁ〜っ、私も年上と付き合いたいな」

てな具合に、あれからあの年上くんといい感じのようだ。
やれ、何かあればプレゼントと言って
アクセサリーやバッグなどをくれる様だ。

「会長、ナナ良かったね?最近楽しそう」
と副会長が言ってきた
俺は、
「だな。でもそんなにプレゼントが欲しいか?」
「やっぱり、あれか?金か?」
と俺が聞くと
「違うよ。やっぱり好きな人と一緒にいれるのが楽しんだよ。そりゃー色々貰えたら嬉しいけど、そればっかりじゃないよ。少なくても私はそうだと思うよ」
と副会長が言った。

周りは、彼氏もひとつのアクセサリーの様に、
競いあい、やれ、あーだの、こーだのと盛り上がっている。

そんな盛り上がりも少しずつ落ち着いた頃
サワナカの様子が少しづつ変わり出した。

学校が終わるとバイトと、バイトの回数が増えて
来ていた。

「ナナ、最近バイトばっかり。
           何かあったかな?」
と副会長は、俺に聞いてきたが
「夏休みに旅行でも行くんじゃないのか?
だから、それまで稼いでるんじゃないかっ」
「本人から何にも聞いてないんだろ?」
と返した。
「うん。でも…気になったから」
と副会長は答えた。
「じゃー明日聞いてみろよ」
と俺が言うと
「だね。明日聞いてみる」
と言った。

次の日、サワナカは学校を休んだ。
その日の放課後
「会長、ナナどうしたんだろ?」
俺は
「連絡は?」
「昨日の夜から、送ってるんだけど既読がつかないの。」
「通話も出ないし」
俺は
「それは珍しいな」
「モトキタは?何か連絡あるんじゃねか?」
「風邪かなんかかもしんねーしな」

副会長は、
「ちょっと聞いてくるから、待ってて」
と言ってモトキタのところへ走っていった。


「おいっ、俺帰るぞ」

聞こえてるのかどうかわからないが、こちらを
振り返る事なく走って行った。


「はぁ〜めんどくさっ」
と俺は校庭のベンチに座って待つ事にした。

時間にして15分程度


「会長っ。会長。」
焦った様子の副会長に
「おいっ、俺帰るって」

「はぁ、はぁっ」
と息を切らした副会長

「どうした?少し落ち着けって」
と俺は言った。

「はぁ、はぁっ」
と息を切らした副会長が言った。


「ナナ、昨日倒れて入院したらしいの」

「えっ!?マジか?」
と俺は聞いた。

副会長はモトキタから聞いた事を俺に話した。

「会長、これから私病院へ行ってくるね」
と副会長が言った。
「何か心配だし、とりあえず俺も行くわ」
と言って2人で病院へ行った。

病院へ着いた俺たちは、受付で病室を聞いた。
副会長は
「サワナカナナの友達ですが、病室教えてもらえますか?」

「サワナカナナさんですね。312号です。」

「ありがとうございます。行こう会長」

エレベーターに乗り3階へ。
そして、病室の前にはサワナカナナとプレートがあった。

コンコンっ

「ナナ、入るよー」
と副会長はゆっくり扉を開けて俺たちは
病室に入った。

サワナカは
「リョウっ、来てくれたの?」
「会長も。てか、なんでわかったの?」
と元気な様子だった。

副会長は、
「先生に聞いたの。あぁー心配した」
「でも元気そうでよかった」
「ねっ、会長?」

「だなっ」
「てか、なんで倒れたんだ?」
と俺は聞いた。

サワナカは、
「過労だって。ここ最近学校、バイトで少し無理したみたい。でも、今はすっかりこの通り」
と笑っていた。
「そうか?なら良かったな。とりあえず飲みものでも買ってくるわ。なんか飲むか?」

俺は、そんなに金がいるのか?と聞きたかったが
聞かなかった。

サワナカは、
「ありがとう。じゃー私、お茶がいい。」
と言うと、副会長が
「てか、私買ってくるよ。」
と言ったが
「まー女子2人で話たい事もあるでしょ?
一服もしたいから、ついでに買ってくるよ」
と俺は言った。

「じゃーお願いっ、ありがとう会長」
と副会長が言った。

1階へ降りて、病院の外に出て一服していると

ピーポーピーポーって救急車が来た。

そりゃ来るわな。

病院だもの。

どんな患者が来るのかを見ながら一服していると

「おいっ、医者ついたからな。」
「大丈夫だかんなっ」
と、慌てる様子の学生が救急車から降りてきた。
よく見ると、うちの制服だった。

俺は、電子タバコを消してそこへ向かった。

「おいっ、どうした?」
と声をかけるとそれは、ゴウのチームのメンバーだった。
「ユウ君。街で絡まれて、後から角材で殴られたんっスよ」

「てか、大丈夫か?血でてるぞ」
と俺は言った。

すると、
「俺は大丈夫です。角材なんで。」
と自分の事は二の次な様子で言った。

俺は、
「じゃーこっちは?」
と聞くと
「こいつは、刺されました。ナイフで」
と声を震わしながら答えた。

「あいつら、絶対に許さねぇ、ぶっ殺す」
と怒りがとまらない様子だった。

救急隊が、
「とりあえず運びます」
と言った。
看護師の1人が
「中でお待ちください。それと、あなたも処置室へ来て下さい」

俺は、
「とにかく、見てもらえ。話はそれからだ」
と言って中に入った。

処置してる間一旦、サワナカの病室へ戻った。

「もう、どこまで買いに行ったの?」
と副会長が俺に言った。

俺は、さっき見た出来事をかなりオブラートに包んで2人に話した。

「えっ、嘘っ!」
「大丈夫なの?まさか、1年じゃないよね?」
と2人は心配そうに聞いてきた。

俺は、
「2年のやつだ。1人は大丈夫そうだが、もう1人は結構辛そうだ。」
俺は、刺されたとは言わなかった。

「ちょっとそっちが気になるから行ってくるわ」
と言うと
「うん。行ってあげて。
     私、もう少しナナと話して帰るから」
と副会長が言った。


「サワナカ、わりぃな!まーゆっくり休めよ」
「また、来るわ」

「ありがとう。」
と笑顔で手を振っていた。

俺は病室を出た。

その時、スマホに着信があった。

2限目Eにつづく






























































































































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