ダブり〜2限目〜C

次の日。
昨日、歌い過ぎた俺の声はガラガラだった。

すると、
「おはよーっ、会長。昨日はごめんね」
「タイケくんにもご馳走様って言ってて」

「おう」
と俺は返事をした。

席に座わると
「おはよう」
「どうしたのその声?ガラガラじゃん」
サワナカが話かけてきた。

俺は、昨日の出来事を話した。

サワナカは
「あの人、めちゃくちゃいい人だから。
  全然そんなつもりで言ってないってー」

「お前、なんかテンション高くないか?」
と俺は言った。

するとサワナカは
「えぇ〜っ、普通だよ。ふ・つ・うっ」
とニヤニヤしながら答えた。

俺は、「へぇー」と流そうかと思ったのだが、
何か聞いてほしそうな感じがヒシヒシと伝わったから、聞いてやった。

「何かいい事でもあったか?」

「えぇ〜っ、いい事あった様に見えますか?」
と面倒臭い返しをしてきた。

俺がその返しをスルーして話を終わらせようと
思ったが、サワナカの目はキラキラしていた。
「そうそう。だから話聞いて」
みたいな目をしていたのだ。

「何があった?」
と俺は聞いた。

サワナカは、
あの年上くんにデートに誘われたらしい。

俺はビックリして
「マジか!?なぜに、あの年上くん?
       やつのどこがいいんだよ!?」
サワナカは
「年上っていいよね?落ち着いてて」

俺は
「そうか?てか、あんなやつただのロリコンじゃ
ねぇか!?悪いことは言わん。やめとけ」

すると、サワナカは
「どうしてそんな事言うの?」
「じゃー会長だってロリコンじゃん!?」

「はぁー?俺のどこがロリコンなんだよ?」
と言うと

「だって会長、リョウの事好きなんでしょ?」
とサワナカが言った。

俺は、
「なぜ、そうなる?」
「俺が、あんなお子ちゃまを
      好きなわけないでしょ」
「色っぽい大人の女性がタイプなんだよ」
と返した。
「てか、俺も年上だかんなっ」

サワナカは
「えぇっそうなの?
   てっきりリョウの事が好きだと思ってた」
「てか、リョウも好きだよ」

おい、おい、俺が年上って事は無視かよ
と、思ったのだが俺は、
「だから、なぜそうなる?」
「まぁ仮にそうであっても、副会長と俺が?」
「ないないないっ」
と話していると、

「ナナぁーおはよーっ」
と、後ろから声がした。

サワナカが
「リョウ、おはよう」
「昨日ありがとうね」
と言った。
副会長は
「こちらこそ!美味しかったよ」
「で、何話してたの?」
と聞いてきた。

俺は、
「お前、俺の事好きなのか?」
なんて事は聞かずに

「こいつ、昨日の年上くんとデートするみたい」
と副会長に言った。

「ナナっ、良かったじゃんっ」
と、まさか自分の話をされてた事なんて思ってもない副会長はとても喜んでいた。

「リョウ、ありがとう。」
「私の方が先に彼氏できるかもね」
「だから、リョウも頑張りなよ」

「だねーーっ」

副会長は、俺の顔をみて
「ねーーーっ」

俺は、言った。
「ねーーーっ」って

「なんだ、ねーーって」
とバカなノリをしているとチャイムがなった。

2時限目Dへつづく


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