ダブり〜3限目〜D

ひとまず職員室を出て教室へ戻る最中に副会長は
「ねぇ?先生、大丈夫かな?」
「もしかして、あのブザーも【可愛から欲しい】って言ってたけど実は何かあるんじゃない?」
と聞いてきた。

なかなか感の鋭い女だ。

俺は
「何か?って何があるんだ?」
「大丈夫だろ!警察も来た事だし
   犯人が捕まるのも時間の問題だろ!?」
とストーカーの話はしなかった。

副会長は
「それもそうかっ!でも心配だなぁー」
と心配そうに言った。
俺は
「だなぁ〜」
と言った。

少し考え事をしていた。

その様子を見た副会長は、
「会長??どうしたの?何か考え事?」
と聞いてきた。

俺は
「いや、大した事じゃないけど・・・」
副会長は
「えっ!?何、何?」
と聞いてきた。

俺は
「いやー。ほんと大した事じゃないんだけど」
と言うと興味津々で
「えー?何?何?」
と聞いてきた。
俺は、そこまで聞いてくる副会長に
「まさか!?あのモトキタがベージュだったとな?意外だわ!」
と言うと

副会長は呆れた顔で
「ほんと、バカだよね」
と言って教室へ入っていった。

バカって!?
でもほんと意外だった。

するとポケットの中で俺のスマホが鳴った。

「もしもし、昨日はお疲れっ」
ゴウだった。
「お疲れ!てか、なんかあったか?」
と気になっている様子だった。
そんなゴウに俺は 
「まぁな」
と言うとゴウは
「やっぱりな!」
「さっき、学校来たらポリが覆面で来てたから」

どうやら社長出勤のようだ。

「なぁユウ、俺の事でポリがきてるのか?」
やはり気になっているようだ。
俺はさっきあった出来事をゴウに話した。

ゴウは
「マジか!?ベージュなんだ」
「でもやっかいな事になったな。ポリが関わると
面倒臭い事になりそうだ」

俺は言った。
「だな、面倒臭いからここから先は警察にまかせればいいんじゃないか?」

するとゴウは
「それじゃー意味ないじゃん」
俺は
「何が?」
ゴウは
「おいしいとこ全部持っていかれるじゃん」
俺は
「は?」
「お前まさか?」
と言うと
ゴウは
「そう言う事じゃん」
と言った。

恐らくゴウは今回、このストーカーを捕まえて
モトキタにいいとこを見せたかったのだろう?

いや、まさかな。。

そんな事は1mmも思ってないと思っていたが
バカなゴウならあり得ない事も無い。
でも、あいつはマジなんだ。

俺は勘の鈍いほうではない。

「じゃーどうすんの?」
と俺は聞いた。

ゴウは、
「とにかく、シマキ達に話して既に段取ってる」
「だから、ユウはおっさんからどんな状況かを
聞いて欲しい。俺たちは俺たちのやり方で見つけるから」

俺は
「俺たちのやり方って・・」
「無茶してお前らまで引っ張られたら意味ない
でしょ!?」
ゴウは
「大丈夫だって!どうせマミのおっさんだろ?」
「なんとかなるっしょっ!!」
俺は
「あのおっさんだって、あぁ見えて警察だぜ」
「ひっぱる時はやるって」

「・・・」
と電話の向こうで誰かと話してる様子だった。

俺は
「おいっ、聞いてるか?」
と言うと
「聞いてる、聞いてる」
「てか、こっちなんとなく情報つかんだから、
今からルートに行くわ」
「ユウも来いよ!」
と誘われたが俺は
「今はいいわっ」
と断った。
ゴウは
「あっ、この事はおっさんには内緒な」
と言って電話を切った。

俺は、この恋の結末がどうなるか知りたくなった

教室に戻るとセンコーが
「おいっコニシっ、何してたんだ?」
と聞いてきた。
俺はセンコーの耳元で
「モトキタの件だよ」
と小声で言った。

すると、センコーは
「おっ、そうか早く座れ」
と納得したようだ。

席に座ると
「会長っ、何やってたの?」
と副会長が聞いて来た。

俺は、
「電話してから、トイレへ行ってたんだよ」
と言った。

「もぉっ、プリントは配ったから」
と副会長が言った。
俺は
「サンキューな」
と言った。

すると、前の席からサワナカとエトウが
心配そうに俺にこう言った。

「モトキタ先生大丈夫なの?」

俺は、副会長に
「お前なぁ〜」
と言うと

「おいそこっ!授業中だぞ」
と言われた。
エトウは、センコーに両手を合わせて
【ごめんなさい】
のポーズを送った。

授業は再開された。

俺は
「お前っ、言ったのか?」
と副会長に聞いた。
すると副会長は
「私、何も言ってないよ」
「ねぇーナナ?」
とサワナカに聞いた。

サワナカは
「だよ!リョウからは聞いてないよ」
と言った。

てっきり副会長が喋ったと思った俺は、
「じゃー誰から?」
と聞くと、サワナカは俺にスマホを見せた。

そこにはこんなメッセージがあった。

Aくん
「ナナちゃん久しぶりっ!先生大丈夫?」

サワナカの返信
「何がですか?」

Aくん
「えっ知らないの?
   色々ややこしい事になってるんでしょ?」

サワナカの返信
「で、何がですか?」

Aくん
「でも大丈夫だから!
 俺たちがナナちゃんの先生守ってあげるから」

サワナカの返信
「だから何がですか?大丈夫って?」

Aくん
「ありがとう!傷はもう大丈夫だから!」

サワナカの返信
「通じてます?」

Aくん
「良かったら今度メシでもどう?」

以後既読スルー

と以前に刺された奴からのメッセージだった。

こいつはバカだっ!
俺は素直にそう思った。

でも、いつのまに連絡先を交換していたのか?が
気になるところだが、あのバカを後で殴ってやろうと思う気持ちよりも全く会話が成立していない事のほうが気になった。

副会長は
「ほら言ったじゃん!
       なんか言う事あるでしょ?」
俺は
「申し訳ございませんでした。」
と素直に誤った。

そんな事がありながらも授業は進んでいた。
「ここ、テストにでますから、
       ライン引いといて下さい」と

3時限目Eにつづく

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