ダブり〜1限目〜I

「話してくれてありがとう!辛かっただろ?」
としか俺は言えなかった。

「ユウ、これからどうする?」
ゴウが言った。

俺は彼女に聞いた。
「お前はどうしたいんだ?」
「このままでいいのなら俺は別に構わない」

副会長が言った。
「会長、それは冷たいよ」
「この子は本当に辛い思いをしてたんだよ?」

彼女は言った。
「私は、エトウくんに笑って欲しいです」
「あの頃の彼に戻って欲しいです」
と涙をふいて彼女は言った。

俺は、そんな1歩進もうとしてる彼女を見て
「じゃーこの後一緒にエトウの家に行こう」
「そして、お前の今の気持ちを伝えてやって
 くれないか?」
「ゴウ。悪いがもう少し手を貸して
              くれないか?」
副会長が
「これからどうするの?」
俺は
「俺たちは、彼女と一緒にエトウの家へ行く」
「だから、テマエとシマキはその部員を探して
欲しい」
「その間に、書き込んだ奴を見つけてもらう」
ゴウは
「イサカか?あいつなら出来るかもしれないな」
俺は
「イサカなら出来る」
と言って、イサカに連絡した。
ゴウは、俺に
「じゃーユウ?ラキスト1カートン
            これで動いてやる」
俺は
「オッケー!頼むなパイセン」
ゴウはテマエとシマキにそうするように話した。

電話した。
「もしもし、ユウ 昨日の再生数まぁまぁだぞ」
「イサカ、悪りぃな それはまた後で」
「何かあったか?」
俺はSNSに投稿した奴を探して欲しいと頼んだ。

「それは別に構わないが、もしかすると見つから
ないかも知れないぞ」
俺は言った。
「お前なら大丈夫だろ」
イサカは、何か言っていたが俺は奴にボールを
投げぱなしで電話を切った。

「じゃー俺たちも動くか?」
俺と副会長と彼女はエトウの家へ向かった。

電車の中では少し重い空気だった。
何を話していいかわからない空気。
俺がこの場を仕切らないといけないのは
分かっている。
だけど、何を話せばいいかわからない。
いっそうこの流れで彼女のLINEでも聞くか?
いや、それはダメだ。
なんてだってコイツがこの場にいる。
それは副会長に悪い。
「会長、こんな時にLINE聞くなんて…」
てみたいな事を言うに違いない。
とにかく今はスマホでも見て時をすごそう。

副会長もこの空気をどうにかしたいせいか

「会長、何か面白い話してよ?」
意味のわからない無茶振りをしてきた。

「はぁ!?そんな無茶振りあるかっ!」
「お前がしろよっ」
と振り返した。
「いいじゃん してよ!?」
「ねぇー?聞きたいよね?」
って彼女に賛同を求めたのだ。
「あぁっ、ですねぇ」
と、彼女は俺に気を使いながらも副会長に
賛同した。

俺も、出来る事ならこの空気を変えたいとこ
なのだが、今は何故か笑神様は降りてこない。
その時、1つエピソードがふと思いついた。


「これは、俺のバンドのメンバーの話なんだが
ギターをやってる奴で、タイケって奴がいるん
だがそいつの話だ」
2人は俺の方に体を向けてきた。

「タイケには、今彼女が居てるんだけど
その彼女は去年に俺が紹介してやったんだ」
「歳は俺の1コ下だから副会長の1コ上なっ」
「タイケはほぼ一目惚れ状態でいたんだけど
その彼女、実は彼氏がいたんだ」
少し食いついて来た感じがする。
やはりこっち系の話は女子は好きだ。

「でも、その彼氏と微妙な関係になった時に
その相談をタイケにしていたらしい」
「まっ、結局彼氏とは別れる事にしたんだけど
そんなある日、タイケは俺にこう言ったんだ」
 
「ユウ、俺告るわっ!」って
 
「俺もそう言う話は嫌いじゃないから」
「行け行け」
「って煽ったんだ!で、どうしたと思う?」
俺は彼女に聞いた。

「壁ドンとかですか?」

俺は、その答えにこう思った。
コイツ見た目と違って以外に乙女なんだなぁと。

「で?で?」
と煽る副会長。

「あいつ、有名ドラマのワンシーンをパクッて
車道へ飛びだしたんだ!当然車が来るよな?
で、両手を広げて車を停めようとしたんだ
するとその車がパトカーでサイレン鳴らされ
即補導!」
その瞬間笑いがおきた。

「やばくねぇーか?」
と聞き俺は追い討ちをかけた。

「僕は知りましぇ〜ん」
「って言いながらパトカーに乗せられたらしい」

大爆笑になった。
少し迷惑だったかもしれない。
それに少し気分が良くなりさらに話した。

「あと、コイツ、タワーマンション住んでるん
だけどな、かなり立派な」
「住んでんのん7階」

「はぁ??最低!ほんとヤダ」
副会長が言った。

「いいじゃねか、別に」
と副会長に言った。

「それ別に関係ないよね?ほんと最低」
ちょっと怒っていたのかも知れない。
「悪りぃ、悪りぃ」

そんなやりとりをしていると

「久しぶりに笑った気がします
          ありがとうございます」
と彼女が言った。

「いいよ全然!じゃー次はエトウくんだねっ」
副会長が彼女に言った。

そんな2人の会話を聞いているとスマホが鳴った。

イサカからだった。
「ユウ、例の出元がわかったぞ」
「裏垢だったから少し苦戦したけど…」

さすがイサカだ。
やっぱり、PCの世界に詳しい奴は尊敬する。

「ちょっと今電車だから詳細LINEしといて」
「わかった。じゃーLINEしとくから」
と言って電話を切った。

「SNSの出元が分かったぞ」
「これで、後はゴウと俺たちだけだな」
              
              1限目Jにつづく































































 


 















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